
ー演劇から映画に仕事の場所を移しつつ
あった時に、よく読んでいたのは
イギリスの名優マイケル・ケインが
『映画の演技』という本を出してまして
もう絶版なんですけど。
マイケル・ケインというのは
Oliver Goldsmithのメガネをかけた
ちょっと面長の個性派俳優。
イギリスの名優。
その人が、映画の演技っていうものは
こういうことだって、面白おかしく
書いた本なんですよ。
僕、結構、影響を受けていまして。
(自著の)「愚者譫言」と「演者戯言」も
マイケル・ケイン的な見方というか
そういうことをやっている。
絶版なので、もう売ってないんですけど
もし古本屋さんとかで見つけたら
あぁこれかと思って読んでみると
面白いと思いますよ。
僕もね、後輩に貸したまま戻ってこなく
なっちゃったんで、手元にないんですけど
あったら欲しいなと思っています。
あとね何度も読み直している本でいうと
山川出版社の「詳説日本史」
高校のときの教科書ですね。
あと、浜島書店もしくは京都書房の
「常用国語便覧」「新修国語総覧」
やっぱり、今生きているっていうのは
歴史という物語の中の今の登場人物に
すぎないんですよ。
歴史っていうものの文脈がわからないと
今を生きる、これから先はどうなるかって
いうことも読み解けないので。
歴史の教科書っていうのは、日本史の
教科書だけでもいいですよ。それはね
何度となく読み直さないと
今が見えてこないと思うんでね。
あの…すごい、いいこと言ってるでしょ?
夜中に言うことにしては、ちょっと
目が覚めるかもしれないけど。
日本史と世界史もそうです。
やっぱり歴史を繰り返し繰り返し頭の中に
再確認するために読み直すってことは
絶対に、今を生きる人たちにとっては
すごく大切です。2020年、僕らは
こうやってウイルスとか、初めての経験を
していますけど、人類は今まで山ほど
経験していますから。そういうことも
歴史の教科書には書かれています。
そういうことを、読んで、今どうあるべきか
どう生きるべきかっていう事を改めて
考えてみてはいかがでしょうか。
―朝日と夕日に出会う回数というのは
やっぱり圧倒的に夕日の回数が
多いわけじゃないですか。
昇る朝日と沈む夕日。それで言うならば
昇る朝日を見る回数って、人生60年近く
生きててもそんなに回数を
見ているわけじゃない。
沈む夕日を見てる回数のほうが、なかなか
あるかもしれない。
どっちかと言うと、朝日が昇ると
これから色々やらなきゃいけない
一日の課題とか宿題とか…セリフとか
そういうものを考えなきゃいけないんで
面倒くさいなあと思いますけど
夕日は、さ、早く帰って寝ようっていう
気持ちになるんで、どっちかと言うと
夕日が好きかな?みたいな感じ。
―奇しくも、和歌山と群馬から鍋の具材と
鍋焼きうどんの具材の質問が参りました。
最近の私の鍋の傾向と言いますと
必ず最近いれるものは“葛きり”
それに、京都南禅寺ご用達の“油揚げ”
あと、“鴨肉団子”というのも冷凍で
売っていましてね。
白菜は、できればオレンジ白菜を
使っていただきたいなと思います。
あれば、きくらげ等を入れて
薄い醤油味の出汁で、最後は極力
塩分控えめの柚子胡椒でいただくという。
これが、わたくしの鍋の一番です。
鍋焼きうどんを作るとしたら…
この具は決まっていますね!
“かしわ” 鶏肉ですよ!
“なると” くるくるっと巻いたやつが要る
“海老天” 鍋焼きの時にぶよぶよになった
衣がいいんですよ
“たまご” 半分以上固まってるぐらいの卵。
“ねぎ” 九条ネギがいいなぁ〜
“しいたけ” 肉厚のやつ
それに一味をたっぷりかけて食べたい。
―「銀座鈴屋」さんっていうのは
東京では老舗中の老舗ですよね。
だから基準ですよね、鈴屋さんより
美味しいか、美味しくないか
っていうのはあるでしょうし。
横浜高島屋の方に行くとですね
諸国物産コーナーみたいなところで
週一か月一、僕も大好きな谷口甘納豆
さんを買うことができるそうです。
最近ほっこりした出来事。
うちのネコ、魚とか肉とかに全く興味が
ないんですよ。リビングのテーブルに
置いてあって、その前で寝ていて
見向きもしない。でも、唯一あんこを
食べている時にす〜っと来る。
あんこは手渡しで食べる。
絶対に他のエサとかも手渡しで
食べないのに、あんこだけは
ペロペロペロって美味しそうに食べて
「もっとくれ」って言う。珍しいネコでね。
前世は、あんこ好きのばばあに
飼われていたのかな…
別にほっこりするわけじゃないですけども
こいつ変わったネコだなっていう気分に
なりました。
―去年買った音楽を作るものといえば
“タブラ”と“MPC”でございまして。
タブラも、ままならないまま放って
ありますし、MPCも本棚の上で
埃をかぶりつつある。でも、MPCは
ルート見つけて、ちょっと教えてもらえる
かもしれない。
YouTubeは、最後の二つを
やってないんですよ。
やってないっていうのは
本を買って頂きたいから
全部をネタバレにするのも
ちょっともったいないかなと
思ったんでね。
最後の2本は特別版として、もしかすると
MPCを叩きながら朗読するという…
そんな日本人初めてでしょ?多分。
そこに挑戦できたらなとも
思っております、今のところね。
―福岡の「照和」というライブハウスは
本当に色んな方が出てらっしゃる
伝説のライブハウス。
最近アナウンサーの人たちがよく
「コロナ渦で」と言っているのか
「このなかで」と言っているのかが
わからない(笑)
耳がちょっと劣化しているのかも
わからないんだけれども。
多分混同してる子どもたちがいて
そのうち大人になって“コロナ渦”って
言ってたんだ!…となるような気がする。
私も一つ…“トラウマ”をおそらく中国の
故事から来た、ことわざだろうと。
虎と馬が、子どもの頃、自分に悪さをして
二匹でつついたとか、そういうことが
“トラウマ”と思っていたんだけど
(語源は)ギリシャ語なんだね(笑)
途中で気づいて、その後
知ってるふりをしましたよ。
あとは“アボカド”のことを僕らの世代は
アボガドって言っちゃうんだよね。
“シミュレーション”も、シュミレーション
だと思ってる人多いと思うんですよ。
あれ、シミュレーションだからね(笑)
恥かかないようにしてください。
ーうちも結婚して
かれこれ30年をこえました。
付き合って40年。
さすがに、びっくりするようなものはない。
今はコロナで、ほぼ一緒に行動しているから
喜ぶから買ってやろう、なんていう時間もない。
プレゼントって後ろめたいやつが
するもんじゃない!?
っていう気もするんだよね(笑)
あまりにも一緒にいる時間が長いと
プレゼントを買うタイミングもないし
レシートや領収書が出てくると
値段が全部わかっちゃう。
“そんなにお金使わなくていいのに”
って言われるのも嫌だし。
女房からもらって飛び上がるほど
嬉しかったプレゼント…
あるのかもしれないけど、記憶にないんでね。
でも、プレゼントをやったり
もらったりすることよりも
そういう時間も含めて
全てがプレゼントになっていれば
いいんじゃないのかな。
ー35年!コンバースのハイカット!
これ、なかなかの定番ですよね。
僕も高校時代から、というか
あれしかサイズがなかったので履いていた。
変わらない履き味。
最近は、ジャパンメイドが出ていて
ソールとかもちょっと良かったりするんで
コンバース専門店みたいなところで売っている
白のハイカットとローカットは
常に履くようにしています。
あと、最近は履いてないですけど
昔はやっぱりトレードマークじゃないですけど
ドクターマーチンって僕らの頃は
やっぱり靴のアイコンだった。
カッチリしすぎてて、足が疲れる感じがするから
年を取ってからは履いてないんだけど
ドクターマーチンって
やっぱりまた履いてみたいなと思う。
靴とか革製品って、好きなシリーズや
好きなラインナップがある。
谷中にある鞄屋さんと
横浜の元町にもすごい古くからある
鞄屋さんがあったんですけども
去年なくなったなと思って参ったなあ
と思ったら、そこの斜め向かいぐらいに
同じような感じでやっていて。
僕の好きなシリーズもあったんで良かった。
昔からずっと買っていたから
そんなに高いもんじゃないですよ。
でも、このシリーズだったら
間違いないっていうのがあると
安心しますよね。
ーみょうが、ふきのとう、タラの芽
これは子供が美味しいって食ってたら
ちょっと変な子だなと思いますよね。
苦いもの辛いもの、本能的には
これは毒じゃないかと思ってしかるべき
なんでしょうが、そこにこの毒になる
ギリギリのところで美味しいと思える
ところの境界線を攻める。
苦いものの代表といえばやっぱりコーヒー。
砂糖とミルクたっぷり入れたものから
それをブラックで楽しめるというものの
良さがわかったのは、40歳を過ぎてから
厄年を過ぎてからでしたね。
僕の場合は、タバコをやめた時期と
重なるんですけど
ブラックのコーヒーを初めて飲んだときは
こんな美味しいものがあったのかと思って
大人になった。42歳、遅い。
それ以外でも、わさび。
さび抜きを、わさびをいれた方が
いいんじゃないかと思った瞬間。
それは割と早い時期。
果てはね、孤独のグルメでもやりましたけど
わさびをすりおろしたものに
鰹節をかけて、醤油をちょっと垂らすだけで
わさび丼。これが美味しいと思えるのは
さすがに大人でしょ。
唐辛子、明太子も辛いやつ
どっから(激辛)っていうものが
美味しいと思えるようになれば大人でしょ。
あとは、おでんにも
和がらしをたっぷりつけて。
大根なんかをね、もうちょっとね、
鼻にツンとくるぐらいの気持ちを
楽しみながら食べるようになれば大人でしょ。
麻婆豆腐。ただの麻婆豆腐じゃない。
“マー”は、山椒の“マー”
しびれのマーです。
マー味が分かった時には、大人でしょ。
マーの痺れというのは
水の味を変えてしまうほど。
山椒の痺れが口の中いっぱいに
広がっている時は
辛いと思って水を飲むと
水が変な味がするんですよね。
その美味しさがわかったときには、大人です。
そしてそして、究極は甘いもの。
子供の頃はミルクたっぷり
カスタードたっぷりのものが好きで
徐々にあんこもいいんじゃないかな
みたいな風に思って
私の境地に達しますと
甘納豆の奥深さに気づく。
それはもう究極の大人。
いやいや、もうじじいです。
じじいになったなぁと思うところまで来るのが
こういう味覚の変化っていうんですかね。
それ以外でも
香菜(シャンツァイ)がおいしい。
まぁ、これは、いつまでたっても
食べられない人もいますけれども。
そういうところに私は大人だなぁと思う。
いろんなものがあります。