今週は、川崎市から!
川崎育ちの伝統野菜、
「のらぼう菜」に迫りました!![]()
訪れたのは、JR南武線
中野島駅から歩いておよそ15分。
川崎市多摩区にある野菜畑です。
住宅街、車の通りが多い道の
すぐ脇に畑がある様子からは、
都市農業の川崎らしさを感じました。
なお、取材は、マスクの着用、
手洗い、手指の消毒を徹底するなど
新型コロナウイルスの
感染予防対策をとって行ないました。
お話を伺ったのは、
川崎市多摩区で、
のらぼう菜をはじめ、
年間およそ30種類の野菜を奥さまと2人で
栽培している、田中謙次さんです。![]()
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田中さんは、JAに10年勤めたのち、
平成2年に退職。
その間、営農担当として
組合員の方とお手伝いをしていました。
多摩川梨を栽培していたお父さまが
体調を崩されたこともあって、
4代目として就農。
現在は、ナス、キュウリ、
トマトを主流に、エダマメ、
インゲン、モロヘイヤブロッコリー、
キャベツ、ダイコンなどを栽培しています。
そして今旬を迎えているのが、のらぼう菜。
川崎では昔から作られている野菜で、
ここ20年ほど前から大きく広めてもらって
リーズナブルな野菜になってきたとのことです。
川崎市では多摩区、麻生区など、
川崎市中北部の区それぞれで
およそ150軒の農家が
のらぼう菜を栽培しています。
作付面積は市内あわせておよそ3.3ヘクタール。
年間の生産量はおよそ13トンに及び、
川崎市を代表する伝統野菜です。
つづいては、畑で育つのらぼう菜の
様子を見学していきましょう…![]()
のらぼう菜は、アブラナ科である
菜の花の一種であることから、
明治大正昭和あたりの昔から
油を絞っていたとも言われているのだとか。
茎と葉っぱを食べるのが特長で、
寒さに強いため育てやすいのだそうです。
冬の間にぐんぐんと成長するため、
病害虫からの影響も受けづらく、寒さに強い!
という特長を持つ、のらぼう菜。
実は、栄養たっぷりな野菜であること、
みなさんは知っていますか?![]()
のらぼう菜は、かぜ予防や美肌効果も期待できる、
ビタミンCの含有量が野菜の中でもトップクラス。
そのほか、ビタミンAやカルシウム、
食物繊維も豊富といわれています。![]()
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ギザギザした手のひらサイズの葉っぱ。
蕾がつくと、
菜の花のような形になってくるのだそうです。
冬の間はほとんど成長せず、
病害虫からの被害を受けづらいこともあり、
あまり手はかからないそう。
今育っているものはちょうど収穫期で、
4月いっぱい頃までは
収穫の旬だということです。
のらぼう菜の栽培で難しいのは、
霜が降る時期を見極めての
播種の時期と与える肥料の量。
9月のお彼岸頃〜10月10日頃までに播種。
徐々に大きくなり、
12月頃にとうが立つため、
それを切り落とす作業があります。
とう立ちとは…
のらぼう菜が子孫を残すために、
ふきのとうと同じように
茎の部分が大きくなり花を
咲かせて実をつけること。
そのとう立ちした部分を
深く切ることにとって、
新たなとうが3〜4月に
たくさん出てくるので、
それを収穫します。![]()
葉っぱをかきわけると、
中に切り株が見えてきます…
その切り株の横に
新しい芽が出ていました。![]()
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その芽をやや下から折るように
して収穫していきます。
最初に大きく切り込んでいるため、
その周りにはたくさんの次の芽が出ているので、
その芽の深い部分を折って収穫!
ハサミは使いません。![]()
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川崎の伝統野菜、のらぼう菜の収穫体験!
茎は太いが、柔らかく苦味がない。
茎の中心部は白く、柔らかい…
という田中さん。
この太くて立派な茎が、
食べると柔らかい…??
ほんの少し疑いの気持ちを持ちながらも、
お箸を進めると…納得の食感でした!
この日、いただいたのは
「のらぼう菜のおひたし」
ホウレンソウに似た見た目ではありますが、
茎が太い。
その太さから硬そうに見えるけれど…
田中さんの言う通り、柔らかい!!![]()
アスパラガスにも似た食感で
苦味やクセもありませんでした!![]()
つづいて、このおひたしを入れた
「のらぼう菜の味噌汁」![]()
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さらに、
「のらぼう菜とベーコンの炒めもの」
もいただきました!![]()
炒めると茎のシャキシャキとした
食感が強くなる!
油との相性も抜群です。![]()
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調理のときには、
葉っぱと茎の食感を同じにしたい時には、
茎から先に、20〜30秒熱を入れることが
おいしく仕上げるポイントだそうです!
田中さんののらぼう菜は、
自宅前の直売所「玉五園」のほか、
JAセレサ川崎 農産物直売所
「セレサモス宮前店」、
「セレサモス麻生店」で購入できます。
春の野菜の中でも今が旬の野菜。
途中から折って収穫・販売を
しているため長く日持ちはしません。
保存する際には、
加熱をしてから冷蔵庫・冷凍庫へ。
なるべく早めに、
ぜひ新鮮なうちに調理をしてください!
田中さんが仰ったように、
のらぼう菜は生のままサラダとして
食べられるほかにも、クセが無く食べやすいので、
スムージーやベジスイーツなどへのアレンジも自在!
今回いただいた炒めものはもちろん、
ペペロンチーノにもおすすめなのだそうです。![]()
温かくなってきた今が
一番美味しい季節だという、
のらぼう菜!
川崎で古くから伝わる伝統野菜の味を、
みなさんもぜひ噛み締めてください!
JAセレサ川崎 農産物直売所
「セレサモス宮前店」「セレサモス麻生店」
現在の営業時間09:30~15:00
(毎週水曜日、年末年始 定休日)
https://www.jaceresa.or.jp/agri/ceresamos/index.html#tab03
玉五園
(JAセレサ川崎直売所マップ p46に掲載しています。)
https://www.jaceresa.or.jp/agri/farmersmarket/index.html![]()