JA Fresh Market - Fm yokohama 84.7

小田原で”らん♪ラン♪卵♪”

今週は、小田原市から!
季節によって味わいが変わる!?
「卵」に注目しました!

訪れたのは、小田原駅から車でおよそ30分。
住宅街を抜けて山道を進み、
車がギリギリすれ違えるほどの細い道をのぼっていくと…
山々が見渡せる今回の目的地、養鶏場が見えてきました。

取材は、マスクの着用、手洗い、
手指の消毒を徹底するなど
新型コロナウイルスの
感染予防対策をとって行ないました。

お話を伺ったのは、
自然豊かな小田原市久野で、
養鶏場「春夏秋冬」を営む、檀上貴史さんです。

檀上さんは、網で囲った開放鶏舎で鶏を飼育している。
夏は熱くて冬は寒いが、
その代わり風が通り抜けるので、
新鮮な空気を鶏が吸えるようになっているそうなんです。

檀上さんが養鶏を始めたのは、およそ10年前から。
久野は水源が豊かで水が綺麗、資源も多く
東京・横浜といった大都市からも近いため、
朝生んだ卵を夕方には食卓に届けられる。

もとは町田市に住み、
養鶏とは関係ない仕事をしていたそうなのですが、
倒産寸前の危機を再建したと同時に
何か新しいことができないかと考え、
地域循環型の農業と養鶏に挑戦したそうなんです。

鶏にあたえる餌も地域内から調達し、
仲良くしている米農家から、出荷に適さなかったくず米、
何らかの事情で残ってしまった古米などを
廃棄せずに鶏の餌として引き取っているそうで、
そば粉のから、豆腐をつくる時にでるおから、
などを飼料として提供してもらっているんだそう。

養鶏だけでなく、農業も行っているそうで、
地域循環型の特長として、
鶏が出す糞を無駄にすることなく
地域の米農家さんから稲の藁や籾殻など
人間が食べられない資源をいただき、
鶏糞とまぜて発酵したものを
堆肥として畑に戻している。
ここ何年かで
捨てた先のことまで考える事業者が
増えてきたそうなんです!


当時は今のように「SDGs」や
「環境保全」といった価値観が
あまり広く浸透していなかったこともあり、
その考えをなかなか理解してもらえないことも
多かったそうです。

苦労したことは、
「廃棄するもの=食べられないもの」
ではない、という認識の違い。

鶏が食べる餌として生まれ変わらせるためには、
カビが生えないように保管することはもちろん、
パン屋さんでは、オーブンの残りの
温度を使ってラスク状になるように
水分を飛ばすなど…

必ず発生してくるそのひと手間があってこそ、
新しい資源となります。

その認識の違いを理解してもらい、
檀上さんの思いに共感する
農家さんも少しずつ増えていき、
今では地域循環型養鶏は、
「春夏秋冬」の最大の特長にもなっています。

その「春夏秋冬」で育つ鶏が
食べている餌について、
もっと詳しく伺ました!

餌として、キャベツをまるごとあたえるそうで
今の時期は、冬野菜を片付ける季節。
霜にあたってしまって外葉が変色してしまったり、
凍ってしまい一部傷んで出荷できなかった
野菜を近隣の協力農家さんからいただき、
餌としてあたえているんだそうです。

季節ごとに食べる餌は異なり、
例えば…春はナバナといったアブラナ科、
夏はそば殻、秋は米・サツマイモのツル、冬は酒粕。

季節によって与える餌が異なると
卵の風味も変わってくるみたいです!

春…油分が多いナバナを食べると濃厚に。

夏…さっぱりめ。

秋…卵からサツマイモの香りがする。

冬…酒かすの影響で芳醇な風味になる。

季節に応じて変化する卵の風味、季節によって
卵にも旬があることを楽しんでほしくて
養鶏場には「春夏秋冬」という
名前をつけたそうなんです!

1つの群れに対して200羽を飼育し、
せんぶで600羽を飼育。
1羽に対して1平米の広さを
確保しているため、鶏舎のひとつは200平米。

地面をつつきたい、足で地面をひっかく、
羽を広げる、地面の砂を
自分の羽の間に入れる行為…
そういった鶏たちが本来持っている
習性を制限させないように飼育している。

鶏は卵を生む時お尻が無防備になる。
そのため、鶏舎の中でも
お尻を隠せる場所を産卵箱に限定しているそうで、
お尻を隠して卵を産みたい
という本来の欲求があるため、
自らすすんで産卵箱で卵を産むようになり、
美味しい卵が産まれるための
大切なポイントです。


鶏舎の外から収穫できる産卵箱で、
はじめての、卵収穫体験!

産卵箱は、鶏舎のすぐ隣に設置されていて、
鶏舎の内側から鶏が入って卵を産むと、
そこから傾斜によって卵が
コロコロと卵が外側に転がってきて、
鶏に気づかれないように
収穫できるようになっていました。

産卵箱は清潔に保ちたい場所のひとつなので、
掃除がしやすいように。
また、鶏たちが産んだ卵を抱えたい欲求が生じ、
温め始めてしまうと品質にも関わってくるため、
卵がすぐに外側に転がってくるような
工夫がされていました。

明るいところが好きな鶏は明るい色の卵を、
暗いところが好きな鶏は
暗い色の卵を産むといわれている。
外敵に見つかりにくいため、
卵の色が変わってくるんだそう。

卵は、尖った方が先に産まれてくる。
そのため、地面に当たる尖った面は
呼吸のための穴が少ないため強くなっているので、
収穫は、その尖った方を下にして
トレーに入れていく。パック詰めも同じ。

まだほんのりと温かい産みたての卵を…
卵かけごはんを、青空の下で味わいました!

健康な鶏が産んだ卵は殻が丈夫で、
白身がドロっとゼリー状。
濃厚卵白といって、ゼリー状で
少し白濁しているのが新鮮な卵の特長なんだそうです。

そして、時間が経つとこのゼリー状から水のように
変化して透明になっていくそうなんです!


地域循環型養鶏場、「春夏秋冬」の卵は、
公式ホームページでの通信販売のほか、
毎週土曜日には、藤沢の「湘南T-SITE」内にある、
「湘南メルカート」で直売会も行っています。

通販では現在およそ6ヶ月待ち!
ということですので
早めに味わいたい、という方は

ぜひ直売会をチェックしてみてくださいね!
きっと季節ごとに違う旬の味に、
みなさんも驚きますよ…!

春夏秋冬 ホームページ
http://niwatori88.com/index.html



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