JA Fresh Market - Fm yokohama 84.7

ジビエで広がる輪

今週は、「ジビエ」で広がる“輪”に注目!
私たちがおいしくいただくまでの
ストーリーに迫りました!

訪れたのは、小田原市と足柄上郡中井町
の境に位置する、曽我山の頂上付近です。
この日は天気がよく、
足柄平野が見渡せるその先には、
富士山もしっかりと見ることができましたよ。
今回も、取材は、マスクの着用、手洗い、
手指の消毒を徹底するなど
新型コロナウイルスの
感染予防対策をとって行ないました。

お話を伺ったのは、
JAかながわ西湘 曽我支店 
鳥獣被害対策委員会 
会長の稲毛竹男さんです。

稲毛さんが会長をつとめる、
JAかながわ西湘
曽我支店 鳥獣被害対策委員会は、
2017年に小田原市曽我地域を拠点に
活動を開始。現在は21名で活動しています。

活動のメインは
野生動物による農地や農作物の被害を防止。
特に、8月〜11月までの
実りの秋でもある今頃は、
冬を越すために栄養を蓄えるシカやイノシシ
が多くなり、農作物の被害も
増える時期なのだそうです。

そして、農作物のほかにも
近年悩まされているのが、人への被害。
万が一イノシシに遭遇した時に気をつけるのは、
「目を合わせず、背中を向けないで、
ゆっくりと静かに後ずさりをして離れる」こと。

今年度はすでに24頭を捕獲。
メインはくくりわな、
その他に「箱わな」を仕掛けています。


この日見せていただいた箱わなは、
長さ2メートル・幅1メートル・
高さ1メートルほどの金属製。

可動式のシャッターの網がついていて、
真ん中に餌を置き、その餌にイノシシが
触れるとシャッターが閉まる。
下がったシャッターはストッパーによって、
イノシシだけの力では開けることができません。

誰でも罠を仕掛けることが
できるわけではなく、
わなの免許を取得して、
はじめて捕獲する資格が得られる。
ただ、捕獲免許を持っていても
捕獲申請の許可が下りないと、
捕獲をすることができない

そのように教えてくれた
稲毛会長たちが捕獲したシカやイノシシは、
食肉用の「ジビエ」として加工されていきます。
ということで…ここからは、
稲毛会長のご案内で足柄上郡松田町にある
「しおやジビエ処理場」に移動しました!


つづいてお話を伺ったのは、
「しおやジビエ処理場」、
そして民宿「ログキャビンしおや」
を運営する、大舘秀孝さんです。






捕獲した後大事なのが、血抜き処理。
その下処理をしっかりしないと、
血の匂いが残り

美味しくいただくことが
できないそうなんです。




朝からステーキを食べるほど
お肉が大好き!という大舘さん。

その愛ゆえに、ジビエとして美味しく
いただくための下処理や作業には、
気が抜けません。
高い技術力から、「ハンター塾」と
題して、処理方法の
講習なども行っています。

ジビエは、狩猟で得た天然の野生鳥獣の
食肉を意味するフランス語。
ヨーロッパでは伝統料理として
古くから発展してきた食文化です。


さっそく、そのジビエ料理を
いただくため、
処理場の近くにある民宿
「ログキャビンしおや」に移動しました。



近くには中津川が流れ、
山々に囲まれた場所にある建物は、
木の香りが心地よい空間です。




なかでも印象的だったのは、囲炉裏!
その囲炉裏を囲んで、
お話を伺ったのは、
JAかながわ西湘
曽我支店鳥獣対策委員会の
副委員長であり、
「そがやまみらいプラン」代表 の 
本多久義さんです。



「そがやまみらいプラン」では、
曽我山地域の耕作放棄地を
よみがえらせて、
新しく引き継いでいく取り組みのなか、
ジビエを使ったレシピの考案による、
ジビエPR活動も行っています。


そして…まずいただいたのが、
「鹿肉のたたき」。

臭みが一切感じられず、
そのやわらかさに驚きました。
他には、
「鹿肉のコンソメトマト煮」

そして!
囲炉裏でパチパチと音を立てて
焼かれた「骨付き鹿肉」!


ジビエと聞くと
香りや味、食感などにクセがある
印象もありますが、
今回いただいたものは、
それらを全く感じず、
とても食べやすく、味わい深かったです。
ジビエの背景を考えながら、
命の尊さも一緒に味わわせていただきました。


鹿肉は脂肪分が少なく、
鉄分が多いので、貧血気味の方にもおすすめ。
カロリーや栄養バランスも良い。

見た目で抵抗がある方もいるが、
美味しいだけでなく、自然界で
自然のものしか食べていないので、
食物アレルギーが起きにくいのも
良いところなのだそうです。


今回いただいたメニューのほかにも、
大舘さんの民宿
「ログキャビンしおや」では、
さまざまなジビエ料理を
楽しむことができます。
こちらは事前予約が
必要なので、ご注意ください。

また、家庭でも調理しやすく
加工されたジビエのスライスは、
JAかながわ西湘 農産物直売所 
「朝ドレファ~ミ♪」成田店で購入できます。

現在の営業時間は、
930分〜夕方5時まで。
定休日は、毎週水曜日です。
さらに、11月を目処に
新商品「鹿のひき肉」も
発売予定ということでこちらも楽しみです。

直売所には、「そがやまみらいプラン」考案の
レシピも一緒においてあるそうなので、
はじめてジビエ料理に挑戦するという方も、
心強いですね。
ぜひ、チェックしてみてください!



JAかながわ西湘 農産物直売所
「朝ドレファ~ミ♪」成田店
https://ja-kanasei.or.jp/asadore.html


「ログキャビンしおや」 
足柄上郡松田町寄4055
0465-89-2327

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