【鎌倉の人、もの】
【鎌倉の人、もの ～一条恵観山荘 長浜さん～前半】
おはようございます！ 食育DJの影山のぞみです。
「鎌倉まめヴィアージュ」137回目の放送では【鎌倉の人、もの】として一条恵観山荘の長浜さんにお話を伺いました。
一条恵観(えかん)山荘は、鎌倉駅東口からバスに乗って「浄明寺」バス停で降りて徒歩２分の所にあり、鎌倉で和の情緒に浸れる名所です。
京都「桂離宮」に並び、江戸時代初期の朝廷文化を今に伝える山荘として、国の重要文化財にも指定されています。
季節の花を浮かべた麗しい花手水がお出迎えしてくれます。
美しく整えられた砂利敷きの中庭には紅葉が多く配置されていました。
メインの庭園には一年を通して四季折々の花や草木を愛でることが出来ます。
その中でも秋は紅葉が色付き、恵観公自身が設計をした茅葺き屋根の田舎家風の建物をより引き立てます。
[写真提供：一条恵観山荘]
緑と秋の花々が美しい庭園には、すぐ横を流れる滑川の清流のせせらぎと小鳥の囀りだけが響き渡っていました。
最初に「一条恵観山荘」がどういった建物なのか教えていただきました。
長浜さん：
「後陽成天皇の第九皇子であり、摂政・関白を二度務めた公家である一条恵観が和歌をはじめ書や茶の湯など文化活動の舞台として建立したのが一条恵観山荘です。元々、京都の西加茂にいくつかあった別荘の一つでした。昭和34年に鎌倉のこの地に移され、昭和39年には国の重要文化財に指定されました」
鎌倉へ移築されたのは、建物だけでなく庭石や枯山水も移され、当時と同じように配置されたそうです。
昭和39年には国の重要文化財に指定され、2017年に一般公開されました。
一条恵観は文化や芸術、建築に造詣の深かったとのことで、その建物やお庭の隅々にまでこだわりを感じ、先人と現在の職人の技が光ります。
外観は茅葺屋根で、日本の原風景にあるような懐かしい佇まいながら、どこか雅な趣が漂っていました。
長浜さん：
「同時期に造営された桂離宮や修学院離宮と同様の数寄屋造りで、当時流行った茶屋スタイルの山荘です。一見、外見は素朴なのですが、中に入ってみると素晴らしい技法の数々が施されています」
通常、山荘内部は指定日開催の見学に参加することで見ることが出来ますが、今回は特別に中も拝見させていただきました。
長浜さん：
「江戸時代のお公家さんの好みが盛り込まれています。杉戸絵や唐紙、ふすまや障子、網代天井など、一条恵観が山荘を訪れる人を愉しませようと様々な工夫を凝らす技法が施されていて、恵観公の心と寛永文化を想起させます」
[写真提供：一条恵観山荘]
↑人形廻しの杉戸絵。当時の人形浄瑠璃が一人一体の人形を動かしていたことを記しています。
[写真提供：一条恵観山荘]
↑障子の下部の表面は籠目に編まれていました。
↑↓ふすまの取っ手が「月」や「の」の形をした金具が取り付けられています。
ふすまは、一見、ダイヤ状の黒い模様ですが、灯かりに照らされた部分のみ隠された模様が浮かび上がる様になっていました。
畳のヘリはシルク作りの模様になっています。
お部屋によって造りが異なっていて、一条恵観の客人を飽きさせない為のおもてなしの心が垣間見えました。
[写真提供：一条恵観山荘]
こちらの障子を開けると、お庭の緑、断崖の岩肌が目の前に広がります。
山荘の南側には恵観桜が植えられていました。
春は桜、梅雨には紫陽花、秋は紅葉、冬はクリスマスローズや梅等が人々の目を楽しませてくれます。
[写真提供：一条恵観山荘]
例年、11月下旬～12月上旬頃から紅葉が見頃となっています。
[写真提供：一条恵観山荘]
一条恵観山荘には施設内の滑川沿いに喫茶「かふぇ楊梅亭（やまももてい）」があり、そこから眺める紅葉は圧巻の風景なのだそう。
来週は、その「かふぇ楊梅亭」や晩秋～冬の園内の見所を長浜さんにお伺いします！
一条恵観山荘
〒248-0003 神奈川県 鎌倉市浄明寺5-1-10
TEL：0467-53-7900
【開園時間】10:00～16:00（最終入園15:30）
【休園日】シーズンにより異なります
国指定重要文化財 一条恵観山荘 京都から鎌倉へ移築されし名邸 (ekan-sanso.jp)
鎌倉まめやでは、りんご豆(税込378円)が入荷しました。
豆の果(税込378円)にも以前までのマスカットとアプリコット、湘南ゴールドの3種からりんごも加わり、4種類のミックスとなって紅葉の様です。
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