KANAGAWA Muffin - Fm yokohama 84.7

近代輸出漆器のダイナミズム 金子皓彦コレクションの世界

今回は、現在神奈川県立歴史博物館で開催中の
「近代輸出漆器のダイナミズム 金子皓彦コレクションの世界」にスポットをあて、
横浜を通じて海外へ渡った輸出漆器や寄木細工などの木工芸を紹介。
県立歴史博物館の学芸員、鈴木愛乃さんにお話をうかがいました。

展示を一通り案内していただいたのですが、そこは超絶技巧という言葉がピッタリの
豪華絢爛な芝山漆器や寄木細工などがズラリ。
貝や象牙、牛骨などを立体的に象嵌する芝山細工を施した漆器である「芝山漆器」は
花や蝶のモチーフが浮かび上がって見え、絵画にはない立体感があります。



かつて横浜は国内各地で生産された漆器が集められ輸出される貿易港で
輸出漆器の中心地となり、漆器商や職人が移り住んできました。
近代輸出漆器は当時の海外でも大人気でしたが、大人気である故、国内には作品があまり
残っていなかったそう。そこで今回、輸出工芸のコレクターである金子皓彦さんにお願いし
金子先生が国外で収集された作品を一挙にご紹介する運びとなったそうです。
約20万点におよぶコレクションから今回は約200~300点が展示されています。

ゲストの鈴木学芸員に各作品のみどころや歴史背景などをお話いただきましたが
これはぜひ実際に現地でご覧になっていただきたいもの!
寄木細工や木象嵌もスケールの大きな作品ばかりで圧倒されます。
木材だからか、芝山漆器とはまた違うおおらかな立体感があります。

今回の展示では展示のほかにも講演会や実演など様々なイベントが開催されます。
神奈川・横浜が生んだこれらの輸出漆器・工芸品が当時の海外でどのように
インテリア・装飾として溶け込んでいたのか、愛でられていたのか、想像の世界が広がります。
開催は6月30日(日)まで。
明治時代の「クールジャパン」をぜひ体感してみてくださいね。

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