
象牙や貝を花鳥風月の形に掘った細工物(芝山)を
漆器などの表面を掘ってはめ込む、とても繊細で美しい工芸品
「横浜芝山漆器」をご紹介しました。
横浜開港期に、外国人に人気を博し明治期には多くの
職人が横浜に集まり、外国への輸出品として
屏風や大きな家具などがたくさん制作されました。
現在、職人として活動しているのは今回お話をうかがった
芝山漆器職人の宮崎輝生さんのみ。
宮崎さんは昨年「神奈川文化賞」を受賞しています。
三代続く横浜芝山漆器職人の家に生まれた宮崎さんは
御年83歳!職人としてのキャリアは約70年。
ぜひ作品などを見せていただきながらお話をうかがいたいと思い
作業場も兼ねている宮崎さんのご自宅を訪ねました。
その時制作中だったのは、根付。
漆器の表面に施された貝の細工がとても繊細で美しく
光が当たって輝く貝をずっと眺めていたいと思いました。
制作の工程から使用する道具など、
どんな質問にも丁寧に、そして楽し気に答えて下さる
宮崎さんのお話を聞きながら、
神奈川で生まれたこの伝統技術をどうか
今後も継承していただきたい。と強く感じたひと時でした。