ADモーリーです!
昨日のザバーンでピックアップしたテーマは
「これからのキャンプのススメ」。
ゲストにアウトドアアドバイザーの寒川一さん、
そして車椅子キャンパーの
チバシンヤさんをお迎えしました。

寒川さんがザバーンに出演するのは
2022年9月以来でした!
前回のブログはこちらから
ー千葉さんは番組初登場です!
寒川さんと千葉さんの関係は
どんな感じなんですか?
千葉さん
『そもそも僕は2年半ぐらい前に
交通事故で腰の骨を折ってしまい、
脊椎を損傷したんです。
7か月ぐらい
入院生活をしていたんですが、
1ヶ月ぐらい経った頃に、
無機質なその病院に
閉じ込められてる感じが
精神的に辛かったんですね。
これから自分は
何が出来るのかなと考えていた時に、
病院では火を焚いたり出来ないので、
焚き火をしたいと心の底から
湧き出すものがあったんです。
キャンプなら
始めれるのかなということで、
プロである寒川さんを検索して、
寒川さんがやっている
焚き火カフェに申し込みました。』
寒川さん
『車椅子でいらっしゃるという
話だったんですが、
焚き火カフェをやっている
砂浜にまず来れるのかなとか、
あとは段差とか、
普段考えてなかったこと
だらけなんですよ。
そもそも僕が使っている
焚き火は低いですから、
届くのかな?とかね。
彼と出会ったことで、
自分の中で見直しが多かったです。
僕はこれまで自分の世界しか
見てなかったんだなっていう。』
ー千葉さんは実際に焚き火カフェに
参加していかがでしたか?
千葉さん
『最初に焚き火カフェ行った時は、
砂浜でスタックしちゃって
入れなかったですね。』
寒川さん
『僕は下見に行って、
これなら動線いけるかなとか、
彼がエントリーしやすい場所を
新たにちょっと選んだりとか、
まあでも、彼はこちらの心配より
全然、普通に楽しんでましね。』
ー焚き火が低いのはどうでした?
千葉さん
『実際低いんですけど、
やっぱり火の温かみや匂いを
実際に感じられて、
一度死にかけた人間が
この世にまた生を受けるような、
そういった儀式のような感じがして、
本当に幸せな日でしたね。』
ー寒川さんはどうやって
課題を解決しようとしたんですか?
寒川さん
『僕は彼と何回か
キャンプをやってるんですけど、
焚き火台を少し上に上げる
道具を作ったんです。
それは彼との出会いがあったから。
作った道具は彼が
テストをしてくれたんですよ。
だからモノも生まれてるんです。』
ー千葉さんが不便だと
感じるところはどこでしょうか?
千葉さん
『やっぱり車椅子だと
地面に手届かないんですよね。
座っていて、手が伸ばせない。
上も結構届かなくて。
いろんなものを取ったり、
ロープ引っかけたりとか、
そういうのもかなり難しいですね。』
寒川さん
『だからロングペグを作っちゃったもん。
1メートルくらいあるんですよ。
杖代わりにもしてましたからね(笑)』
千葉さん
『杖で漕いだ方が
進むこともあったり(笑)』
ー他に何か気が付いたことってありますか?
千葉さん
『そうですね、
やっぱりトイレとかですね。
多目的トイレがあるキャンプ場は
まだまだ少ないですよね。』
寒川さん
『彼が行けば分かるんです。
例えば扉の広さであったり、
中の空間であったり、
受付に行くと、いきなり石段とかね。
そういったキャンプ場も
結構多いじゃないですか。』
ー道は舗装されていた方がいいですか?
千葉さん
『砂利道だと
埋まってしまったりするので、
出来れば舗装されていた方が
動きやすいですね。
でも最近思うのが、
キャンプに行くことはある種、
不便を求めに行っている部分もあるので、
そこのバランスも
必要かなと感じています。』
さて寒川さんは今年
『これからのキャンプの教科書』
という本を出版されました。
2015年に出版した
『新しいキャンプの教科書』の
バージョンアップ版です。

ー本の後半には
「これからのキャンプのススメ」
というパートがあります。
「ユニバーサルなキャンプ」という項目は
千葉さんとの出会いから
出てきたものですかね?
寒川さん
『まさしくです。
今回の本のテーマと
言ってもいいぐらいです。』
ーバスケットなどは競技用の
車椅子というものがあると思いますが、
キャンプで使えるようなタイプの
車椅子ってあるんですか?
千葉さん
『えーと、僕が思いついたのは、
マウンテンバイクのタイヤを
車椅子のタイヤに
履き替えるっていう方法です。
今、実践しているんですよ。
ただ砂利には
埋まりにくくなるんですけど、
オフロードタイヤなんで
土を耕しちゃうんですよね。
僕の周りだけ泥だらけに
なってしまうっていう
不都合が出てきたんで、
これからどうしようかと
検討しています。』
ー千葉さんをはじめ、
車椅子ユーザーがこうして欲しい!
という声を出していくと、
メーカーさんも
気付きがあるかもしれませんね。
寒川さん
『キャンプはもっと
最先端であってほしいなって
思うんですよ、世の中のね。
そういう意味では非常に
大きなことかなと。』
この後は寒川さんに
リスナーさんから寄せられた
質問にお答えいただきました。
「寒川さんの著書
『新時代の防災術』は
何度も読み返しています。
寒川さんの本では、
堅牢な箱を推奨されていますが、
入れられるものが限られます。
寒川さんが
「これは絶対に必要」と思うものの、
ベスト3を教えてください。」
寒川さん
『悩みどころでもあるんです、
まずはヘッドライト。
暗闇の中でライトが点かないと、
何も出来ないですよね。
なので電池もしっかりと確認した
ヘッドライトを入れてほしいです。
次はホイッスルです。
能登の震災の時も、
倒壊家屋の下に長い間いたっていう
状況の方も多くいらっしゃって、
声が出せないっていうのは
本当によく聞くんですよ。
身につけられる小さなホイッスル。
普段からキーホルダーとかで
どこかに付けているのが
1番良いかなと。
あとは体温を守るっていう意味で、
エマージェンシーブランケット。
最近は100円ショップでも
十分機能するものが買えます。
身体が濡れてしまった場合、
もしくは真冬の
最も寒い時に災害にあった場合、
それ1枚あるかないかで
命が守れるかどうかは変わってきます。
この3点は全部命に
直結するものかなと思います。
次に考えるとしたら、やっぱり水。
小型の浄水器もそうですね。』
「寒川さんが好きなコーヒーはなんですか?」
寒川さん
『最近の話で言うと、
カフェインレスを飲んでます。
やっぱり年齢的なものかも
しれないです(笑)
レンメルコーヒー、美味しいですよ。
たまにキャンプに行くと、
焚き火で煮出すコーヒーが
やっぱり1番ムードかなって思います。
焙煎は深煎りが好きですね。
焚き火でローストするとね、
おのずと深入りに
なっちゃうんですけども、
ちょっと香ばしいやつがいいですね。』
ー千葉さんがキャンプに行く際に
外せないものってありますか?
千葉さん
『肉が大好きなんで、
必ず肉焼いてますね。
じっくりじっくり
大きなステーキを
焼いていくのがたまんないです。
焚き火でも焼きますし、
最近マルチグリドルが
結構流行ってますよね。
あれも雨が降っている時に
使うこともあります。』
ーありがとうございます。
それでは最後にお二人から
リスナーの皆さんへ
メッセージをお願いします。
寒川さん
『今、キャンプも色々と課題が、
たくさんあるんですよね。
そういうのを
1つ1つちゃんと見つめて、
キャンプがこれから
文化になっていくように
願っております。
ぜひ、
『これからのキャンプの教科書』
読んでみてください。』
千葉さん
『これからのキャンプ、
未来に向けて
誰もが楽しめるようなキャンプ場。
僕は身体障がい者ですけれども、
それ以外にも性別の問題、
年齢の問題、国籍、民族とか、
いろんな生き辛さを持っている方も、
気軽にキャンプを楽しめる環境を
作れたらいいなと思いますので、
ぜひ、
『これからのキャンプの教科書』を読んで
何か感じてもらえたら嬉しいなと思います。』

『これからのキャンプの教科書』
寒川一 監修
出版社:池田書店
定 価:1,650円
判 型:A5
ページ数:176ページ