The Burn - Fm yokohama 84.7

焚き火には“作法”がある / アウトドアライフアドバイザーの寒川一さん

ADモーリーです!

昨日のザバーンでは、
9/30に「焚き火の作法」という本を出した
アウトドアライフアドバイザーの
寒川一さんをお迎えしてお話を伺いました!

(画像は寒川さんのFacebookから)

Q.寒川さんといえば”焚き火の達人”として有名ですが、
 最近は焚き火関連のお仕事が増えているそうですね。

『そうですね。
アウトドア業界だけじゃなくて、
 その周辺に増えている感じがすごくしていますね。
 例えば、昨年はNHK-BSプレミアム
 『魂のタキ火』という “焚き火” が主役の
テレビ番組で
 "焚き火の火作り"という仕事をやらせてもらいました。
 全24回収録された番組で、僕はそのうち8回を担当して、
 自然のフィールドもあれば、
 ランドマークタワーのすぐ下で焚き火をやったこともありました。
 毎回の収録ごとに薪を100キロ用意していたんですよ。
 合計で約1トン近く薪を使いましたね。


Q.寒川さんが前回ザバーンに来ていただいたのは今年の3月。
 「新時代の防災術」という本を紹介していただきましたが、
 今回また新しい本を出版されたんですよね?(前回のブログ

『はい。「焚き火の作法」という本を出しました。』

9/30発売 1800円+税(学研プラス)

Q.この本を出すことになったきっかけはなんですか?

『近年のアウトドアブームってすごいですよね。
 合わせて空前の焚き火人気じゃないですか。
 僕はアウトドアをやり始めて
 かなり時間が経ってしまいましたが、
 実は1980年代に
 今よりも大きいアウトドアブームがあったんですよ。
 でもその当時は焚き火台というものが無かったので、
 多くの人がキャンプ場で直火の焚き火を行っていたんです。
 そのために大部分のキャンプ場では、
 焚き火が禁止にされてしまったんですね。
 僕の記憶ではその後しばらく、"焚き火暗黒時代"が続いたんです。
 90年代後半にスノーピークさんが焚き火台を発売して、
 それが今にずっと繋がっているんですけど、
 再びキャンプ人口が増えることでマナーの問題も出てきますよね。
 次の世代の人達が焚き火を楽しんでいくために、
 ルールやマナーなどを“作法”という形で書籍化することになりました。』

Q.作法といえば茶道、華道などがありますが、
 この本は“焚き火道”を教えるという感じなんですかね?


『うーん、そうではあるんですけど、
 僕のスタイルをお話していることであって、
 必ずしもそうしなければいけないっていうことではないんです。
 焚き火を型にはめる意味ではなくて、
 この本でアクセントを置いているのは、
 焚き火の“しまい”(片付け)の部分なんですね。
 「楽しんだ分、しっかりと片付けもしましょう、
  そしてその片付けが、次の準備につながりますよ。」
 そういうところが作法的かなっていう気がしています。
 燃やし切って、灰にするというのが焚き火の全てですね。
 焚き火をして灰にする行為が、
 地球の大きな循環作業に関わることになるんです。』

Q.寒川さんは焚き火を炭の状態で
 消してはいけないってよくおっしゃってますよね。
 その理由ってなんなんでしょうか?

『灰にまですれば、植物とか地球の養分になるんですよ。
 カリウムなので木々を育てるエネルギーに変わるんです。
 炭は基本的に土中分解されなくて、ずっと残ってしまう。
 これを知らなければ、
 炭のまま消してしまえって考えてしまうと思うんですが、
 灰にすることに大きな意味があるんです。
 僕らが焚き火をやる大きな理由は
 実はそこにあるんじゃないかって考えてるんですよ。
 灰になるまで燃やすことが、
 地球の循環作業に関わることなって、
 焚き火を楽しむことが、
 木々を育てることにもなるんです。』


Q.そもそも寒川さんが焚き火の"作法"を
 意識するようになったのはいつからなんですか?

『僕は「焚き火カフェ」っていうのをやってるんですが、
 これを20年近く続けていくなかで、
 さっきのような考えに至ったんだと思います。
 最初のうちは僕もよく分からないから、
 市販の薪を使って焚き火をしていたんですが、
 続けていくうちに、目の前に流木があるなとか、
 流木ってどこからくるのかなとか、
 色んなことを考えるようになったんですよ。
 「焚き火カフェ」を続けてきたことが
 この本の大元になっているんじゃないかなと思います。』


Q.北海道でアイヌの方々と
 焚き火を楽しんでいる様子も掲載されていますね。

『先ほど話した"火を燃やす意味"みたいなことを
 昔から大切にされてきた方々なんですよね。
 北極圏のラップランドにもサーミという先住民がいて、
 彼らともオンラインで焚き火や
 火を燃やす意味についてもについて考えました。
 焚き火がないと生きていけない部分もある方々ですから、
 考え方も際立っていますよね。』

Q.他にも寒川さんオススメの焚き火台や道具、
 焚き火料理のレシピも載っています。

『焚き火レシピの本って今たくさんあるじゃないですか。
 僕は今回は、火へん(炒める、焙るなど)のレシピを集めたんです。
 火で調理することの多彩さを漢字に置き換えていて、
 少し一般のレシピ本とは違った角度になっています。
 焚き火って結局、時間を楽しむという側面もあるので、
 火の経過とともに楽しめる焚き火料理フルコースみたいなものも
 作っていただけると思います。』

Q.改めて、今回の「焚き火の作法」
 どんな人に読んでもらいたいですか?

『すでに焚き火が大好きだっていう人にも
 今一度、”焚き火とは何か”というのを考えてもらえるし、
 これから初めて焚き火をやりたい、
 興味はあるけど道具は持っていないという人にも
 楽しんでもらえると思うので、
 “焚き火”というワードに引っかかった人は
 一度手にしていただけると嬉しいですね。



「焚き火の作法」

寒川一(著) 定価 1,980円 (税込)
発売日2021年09月30日 発行学研プラス
判型A5 ページ数176頁
ISBN978-4-05-801685-5

寒川 一 (@savorihajime) Instagram
https://www.instagram.com/savorihajime/

焚き火カフェ Facebookページ
https://www.facebook.com/3knottakibicafe
top