The Burn - Fm yokohama 84.7

キリマンジャロ登頂!冒険写真家の豊田直之さん

ADモーリーです。

昨日のGood To Goでは、
冒険写真家の豊田直之さんをお迎えしました!


今年の5月にもご出演いただいた豊田さん。
ザバーン最多出演ゲスト記録独走中です!

前回出演時のブログはこちら

Q.今月キリマンジャロへ登山に行っていたんですよね!

『そうですね。3年後にエベレストへ登ろうと思っているんですが、
 これはそれを目掛けての第二弾なんですね。
 去年、エルブルースっていう5,600メートルくらいのヨーロッパ大陸で一番高い山に登って、
 今年はほぼ6,000メートルに近いキリマンジャロにチャレンジしました。
 エルブルースでは、あと30分登れば山頂まで届くというところまで行ったんですが、
 登ってしまうと下山出来るかどうか分からなかったので断念しました。』

Q.今回は山頂まで行けたんですか?

『いけました!今回の登山は5泊くらいかけて登って、
 2泊で下りてくるコースだったんですけど、
 今回上手く登れたのは、
高所に上手く対応出来たっていうのがあったんですね。
 登山に入る前に登山家の三浦雄一郎さんの低酸素トレーニング室に行っていて、
 6,000メートル級の山は、地上の酸素が21パーセントあるのに対して、
 10パーセントくらいしか無いんですよ。
 その低酸素トレーニング室では酸素が同じように10パーセントに設定されていて、
 入ると頭がクラクラして、眠くもなるんですけど、
 そこでトレーニングをしていたおかげもあったし、
 今回はゆっくりと登っていったということもあって、体内の酸素濃度も高くて、
 酸素の薄い環境に身体が慣れていましたね。』

Q.富士山には登ったことがある方もいると思いますが、
 キリマンジャロのスケールは別世界でしたか?

『まず麓に車で近づいていくと、
 本当に巨大で、上は雲が被っていて何にも見えなかったんですけど、
 裾野の幅は富士山の3倍から4倍くらいあるんです。
 晴れていて全部が見れたら、そのスケールは本当にすごいんだろうなって思いました。』

Q.山頂まではやっぱり苦しかったですか?

『8合目過ぎたあたりから、足が出ないんですよ。たった一歩が。
 その時に脳裏にあしたのジョーの丹下段平が出て来て、

 「立つんだジョー!」みたいな感じで鼓舞してきて、
 それで一歩ずつ刻んで行って頂上へ到着した感じですね。』

Q.頂上からの景色はいかがでしたか?

『それがですね、下に結構雲海が広がっていて、
 頂上からは下の景色はあまり見えなかったんですね。
 ただ頂上は富士山に非常に似ていて、キリマンジャロは休火山なんですけど、
 噴火した火口にカルデラが広がっていて、外輪を回って行ってお鉢巡りが出来るんですね。』

Q.豊田さんはカメラマンですが、重いカメラ担いで登山してたんですか?

『登る前に一番軽いボディのカメラを買って行きました。
 要所要所で写真を撮ったんですが、今回は不思議な天気だったんですよ。
 早朝は晴れていて、「これは登山日和だな。」って思ってると、
 だいたい10時か11時ごろに霧とか靄がかかってきて、
 それが雨になって、レインウェアを着ててもびしょびしょになるんです。
 それで今度は夜になるとまた晴れて、放射冷却現象で全部凍るんですよ。
 着てるものは濡れててもテントでは乾かないし、自分の体温で乾かしていくしかないんですね。』

Q.山頂付近には氷河があるんですか?

『あります。あるんですが、国連によると2008年の段階で、
 2020年までにキリマンジャロの氷河は溶けてなくなってしまうんじゃないかと言われています。
 おそらく地球温暖化の影響だと言われているんですが、
 標高6,000メートルの場所の氷河が溶けるなんて、って疑問に思うんですが、
 地元の人に言わせると、「もう昔の4分の1くらいしかないよ」って言っていましたね。
 でも地元タンザニアの人々は質素な暮らしをしていて、農業中心で家も自分たちで建てて、
 電気は通っていますけど、諸外国みたいにいっぱい使っていない。
 ということは、地元の人々の影響で氷河が溶けているって事ではないですよね。
 日本も含めて他の国の影響を受けているんですよ。
 キリマンジャロっていうのは、「キリマ」が”山”、「ジャロ」が”白く輝く”みたいな意味があるんですね。
 要するに”山頂に白く輝く冠を被った神の山”というように崇められているんです。
 その冠の部分である氷河が消えるっていうのは、彼らにとって大きなものを失うことなんですよね。
 今回はどうやって温暖化の進行を止めればいいのかって登山しながらずっと考えていました。
 もっと国全体で温暖化について考えていかないと、食い止められるような規模じゃないと感じています。』

Q.プラスチックの問題もあるとお聞きしています。

『そうなんですね。調べてみるとアフリカ大陸には
 プラスチックを処理するプラントが一切ないんですよ。
 だから、埋めるか放置するしかないんです。ただ、キリマンジャロは国で管理されているので、
 入り口でペットボトルの持ち込みが出来ないようになっていて、
 僕がキリマンジャロをだいたい50キロ歩いた中で、見つけたペットボトルは12本だけでした。
 ただ、麓に降りて街中の道路の脇にはペットボトルが帯になるくらい並んでいて、潰れているんですね。
 だけど、この問題も僕らが大岡川でゴミ拾いをやっているように、
 国や団体がきちんと管理すれば街のペットボトルも少なくなるはずなんです。
 ペットボトルを捨てても埋められてしまうので、
 実際に僕がタンザニア滞在中に空にしたペットボトルは日本に持って帰って処理しましたからね。
 日本や他の大きな国が協力して、
 アフリカ大陸にペットボトルの処理をするプラントを作るような動きがあったほうがいいですね。』

豊田さんは、昨日から本日27日まで赤レンガ倉庫で開催されている
東京湾大感謝祭」で海のプラスチックゴミの写真や、
マイクロプラスチックの粒子などの展示を行っています。
本日は朝からブースにいる予定だそうです。ぜひのぞいてみてください!
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