The Motor Weekly - Fm yokohama 84.7

【BMW i3】4月からデリバリーが始まったi3に一足早く試乗してきました。(レポート:番組Pタカハシ)

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BMW i3
価格:499万円/546万円
BMW公式サイト

 
■屋久島でCO2フリードライブ
BMW i3はクルマ好きな人なら知っていると思いますが、BMWが造ったEV車。でもただのEVではないのです。それはiシリーズというブランドを新たに立ち上げて、これまでの3シリーズとか5シリーズとかと同じようにiシリーズが展開する最初のモデルなのです。



 

i3佐藤久実と筆者 4月5日オンエアのザ・モーターウィークリーでゲスト出演いただいた佐藤久実さんと筆者・Pタカハシ


では、これまでのBMWシリーズとはどこが違うのか?というと、サスティナブル・ヴィークルというのがキーワード。ちょっと難しいけど、持続可能なもの、つまり使い捨てないというのがポイントです。それはクルマ本体も燃料も使い捨てないのです。これまでのクルマのエンジンはガソリンとかディーゼルを使っています。原油から精製した燃料を使い捨てていますが、iシリーズの動力はモーターで電力を使います。ボディはCFRPという炭素繊維強化プラスチックでできていて、極力石油由来のものには頼らず、内装材などには植物由来のものを多用し再生も可能なモノとして造っています。

 

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ボディサイズは全長4010mm全幅1775mm全高1550mm、ホイールベース2570mmで、出力は125kW(170ps)/250Nm、総電力量は22kWhのリチウムイオン電池を搭載した4人乗りモデル。価格は499万円(税込)、レンジエクステンダーi3は546万円(税込)。ちなみに、急速充電の国内基準CHAdeMOに対応し、約30分で80%充電が完了し、普通充電では約8時間で満充電にできます。

 

そのi3の試乗会には番組ゲストの佐藤久実さんと一緒に屋久島をドライブしてきました。屋久島は100%近くが水力発電という島で、鹿児島県の大隅半島の先、種子島と並んでいます。世界自然遺産の島としても有名ですよね。自然が豊富でCO2を出さないこのBMW i3の試乗場所にはもってこい、というわけでした。

 

島の水力で発電された電気で充電し、屋久島をドライブ。1周100kmちょいくらいのサイズなので、航続距離が200kmを超えるBMW i3なら島内一周は余裕。でも、時間の制限もあるので一周はせずポイントを決めての試乗でした。


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早速乗り込んでみると、室内はこれまでにない新しい雰囲気を持った室内。広々とした室内をよくルーミーなんて表現をしますが、従来のクルマとは違ってほんと、部屋にいるようなデザインでした。スイッチ類やタッチパネルなどからもITリテラシーの高さを感じるような造りで、新しい乗り物という感じでした。

 

インテリアキャプインテリアからも新しい乗り物という雰囲気が伝わってくる


よく電気自動車は将来ガソリン車に代わって主役になる、ならない、という論議を耳にしますが、BMWはガソリン車とパラレルに存在する乗り物として開発していて、その論議のベクトルには乗っていません。だからiシリーズというのが新たに誕生したわけで、そのiシリーズはエンジンを搭載したクルマと同じような魅力があるというわけです。

 

■強烈な加速とBMWらしいハンドリングを楽しむ

スタートスイッチを押すと、もちろんエンジンの音はしません。スイッチをいれると液晶パネルが稼働するだけです。他はなにも変化が起こりません。次にアクセルを踏み込んでみると、どか~んと強烈な加速をします。モーター特有のトルクの出方で、ガソリン車であれば大排気量車でなければ味わえない加速感があります。そして音もなくどんどんスピードがあがります。これは誰でも、間違いなく楽しいって思うと思います。

 

キャプション 加速は力強く、そしてアクセルペダルの操作だけで走れる独特のフィーリング


普通のクルマと違うのはこのBNMW i3は、アクセルペダルの操作だけで走れるほど、速度コントロールの幅が非常に広いことです。アクセルを緩めると、まるでブレーキをかけたように減速します。だからワインディングを走るとき、登りでも下りでもブレーキを使わずに走れます。まったくの初体験だとちょっとビックリしますが、すぐに慣れますよ。

 

佐藤久実ドライブキャプ インプレッション中の佐藤久実さん。番組でもお伝えしたように静粛性はかなり高い


乗り心地やハンドリングはまさにBMWそのもので、先ほどこれまでのBMWとは全く違った新しい乗り物と言いながら、走ってみるとBMWのあの素晴らしいハンドリングが味わえるんです。全く新しいアーキテクチャーを創造しながら、五感に響くものはBMWブランドを踏襲しているというクリエイティビティさに驚き、感心させられます。

 

タイヤはフロントが155/70-19、リヤが175/60-19という幅も扁平も違う特殊な専用タイヤ。これだけ細いのに、走っているときの安定感やふんばり感はワイドタイヤと変わりません。乗り心地は意外と固く、しっかりしたもので後席よりフロントシートに乗るのをお薦めします。

 

タイヤi3 i3のタイヤはこんなに細いが、走りはしっかりしている


 


またi3にはレンジエクステンダーモデルもあります。こちらは647ccのガソリンエンジンを搭載していますが、これは駆動エンジンではなく、バッテリーを充電するための発電用エンジンです。ま、言ってみれば発電機を搭載しているようなものですね。EVだけでは心配という人にはこちらがいいでしょう。


 

エンジンはバッテリーの残量次第で自動で稼働したり、停止したりを繰り返しますが、試乗車はエンジンが十分温まっていたためか、走行中エンジンの稼働には全く気づきませんでした。もちろんインジケーターには表示されるので、分かるのですが、体感的には何も変化しません。でもこのエンジンは2000~5000rpmの間で稼働しているということなので、遮音性が高いということでしょう。i3ではそのエンジン音を気にしなくて済みます。

 

i3急速充電 急速充電にも対応するi3。屋久島はあちこちに充電器がある


 


というわけでBMW i3という新型モデルの背負っている意味を理解すると、これまで以上にEVに興味が湧いてきました。そして、これまでのクルマとは違った新しい乗り物がわれわれの生活に溶け込み始めているのです。ちなみに、ガソリン車の代替となる未来のモデルはHEV~PHEVだという考えの自動車メーカーが多いようです。そしてBMW i3の兄貴分BMW i8は1917万円するスーパーカーです。


屋久島の自然キャプ 屋久島の自然の中でエコカーとは何かを考えた1日


証明書 試乗会参加者にはCO2フリーの走行をした証明書が授与されました

 

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