
レクサスCT200h
価格:356万円~448万円
レクサス公式サイト
■高級ブランドの試乗は会場も高級だった
さてマイペースでの更新を続けている番組ドライブレポート。今回は2014年2月中旬に行われた「レクサスオールラインアップ試乗会」のレポートをお届けしよう。番組DJの藤本えみりと、前回のJAIAに続いて元ホンダのエンジニア繁浩太郎さんと3人で参加してきた。
今年、204年2月と言えば「大雪」だ。横浜も記憶にないほどの大雪。歴史を塗り替えるような雪害をもたらしましたが、みなさんの地方は大丈夫でしたか? で、このレクサス試乗会は、その大雪(二回目の)が降る前日、みなとみらいでの開催だった。
「雪でも降りそうだね」と繁さん。今日の衣装はピンクの眼鏡とピンクのパンツ。それにダーク系のニットとレザーのスニーカーを組み合わせて登場。まさに服装ではなく、衣装と呼びたくなる。
「私も寒いのでブーツ履いてきました」と藤本。ブラウンレザーのニーハイブーツ。さすがにナマ足ではなくレギンスにロングニットという格好。かなりボディラインが強調されているかな。そう言えば藤本の後輩DJ、大出佐智子さん(藤本の代役としてホンダレーシングサンクスデー2013の取材レポートを担当)は、「えみりさんナイスバディですよ」って言ってた。ちなみに彼女は帰国子女なので、ネイティブな発音「ネイスバァディ」と言ってたっけ。
思えばラジオDJというものは声の魅力も大切だ。聴く方はルックスを勝手にイメージとして膨らませていることが多いので、本人に会ったときにそのギャップに驚くことはある。声優さんも同じようなものだけど、そういう意味では藤本は期待を裏切らない部類かもしれない。もちろん個人の嗜好なので期待を裏切っていることもあろう…。
レクサス試乗会はこのメンバーで取材。DJ藤本と繁浩太郎さん
寒風吹く中、試乗できるのはLS、GS、IS、CT200、RXとあり、先頃マイナーチェンジしたCT200がメインの試乗会だ。時間も限られているので全車に試乗することはできなかったが、レクサスの主張のようなものは受信できたと思う。日本が誇る最高級のブランドから発せられる真意をそんたくするにはいい機会を頂いた。
受付はインターコンチネンタルホテルに設けた特設会場だ。ホテルの入り口にはドアマンがいて、お辞儀をして迎え入れてくれる。中に入り視線が合うとベルキャプテンやロビースタッフもお辞儀をする。ま、こうした光景は高級ホテルでは経験するが、繁さんのカラフルな服装とえみりの存在があるから、より目を惹くんだろうなぁ。タカハシもジャケットを着てて良かったと。
会場の3Fに着くと敷き詰められたふかふかの絨毯の感触が靴底に伝わり、高級感を感じる。室内の音も豪華な絨毯が吸音材となってあたりは静まり返る。鼻息が荒いのか自分の呼吸までも聞こえてくる。高級車の試乗会に相応しい演出をレクサスはやっているのだ。
■勢揃いのスピンドルグリルがブランドを主張
受付ではまず試乗車選びからになるが、この日のメインメニューはCT200だ。
「繁さん、まずどれから試乗しますか?」とタカハシが振ると、「ベースグレードからがいいなぁ」と繁さん。用意されていたのはLパッケージとFスポーツの2グレードなので、Lパッケージから乗ることにした。
待機場所にずらりと整列するレクサス。スピンドルグリルがたくさん並んでいる姿を見て繁さんは、「やっぱり高級ブランドなんだから、こうした統一感は必要だよね」とつぶやく。
勢揃いのレクサス。ブランドに大切な統一感を示すスピンドルグリル
「統一感?ですか」とえみり。
「そう、ベンツでもBMWでもだれが見てもパッとすぐにベンツだ、BMWだって分かるでしょ。それがブランドには必要で、王道なんじゃないかな」
「これ全部レクサスってすぐに分かりますよ、私でも」
「そうそう。ホンダのアキュラも日産のインフィニティもみんな苦戦してるよね。エンブレムだけじゃなくて、何かブランドとしてのアイデンティティみたいなのが分かりやすく伝わらないとブランドは難しい」
ふむふむと横で聞きながら、ヴィトンやシャネルなどのブランド品にもブランドアイコンだけじゃない、なにかアイデンティティみたいなものがあるんだろうなーとか考える。で、別に言わなくてもいいんだけど、「えみりはヴィトンだシャネルだってブランド品は持たないね。似合わないから?」と余計なひと言を挟んで試乗へと向かうことにした。
「ひど~い。私だって持てば似合いますよ。でもブランド品にはあまり興味はないほうかも…」なんて声が聞こえるけど、ハイ、仕事、仕事。
繁さんは気になったところをiPadミニでメモ代わりに写真を撮る
お目当てのCT200Lパッケージに近づき、繁さんはぐるりとスタイリングをチェックする。気になったところはiPadミニでパシャリ。CT200は欧州のCセグメントでゴルフとガチの勝負するモデル。フォルクスワーゲンはダウンサイジングコンセプトで、レクサスはハイブリッドで勝負する。もっと言えば本当は大衆クラスのゴルフではなく、一クラス上のプレミアムCセグメントであるベンツAクラス、アウディA3、BMW1シリーズらが本来のライバルとなる。
レクサスCT200h。欧州ではCセグメントやその上のプレミアムCセグメントでライバルと真っ向勝負
車内に乗り込むと、「外装でレクサスを主張してるんだから、内装にもある程度ブランド統一感があってもいいよね」と、早速繁さんから鋭い指摘入る。
以下、繁さんとタカハシの車内の会話である。
し「ベンツもBMWも内装を見ても、それって分かるでしょう。レクサスにもそこが必要なんじゃないかと思うけど」
タ「レクサスは水平基調のインテリアを中心に考えていますよね。でも確かにLSやGSの内装とCT200の内装では同じブランドの車格違いのようには感じませんね」
し「難しいところだけど、オーナーの満足感とか考えると、レクサス持ってんだぞ、という気持ちを内装でも味あわせるということじゃないかな」
タ「ベンツのスリーポインテッドスターは、常に視界にあるからベンツ運転しているという意識は簡単に持てるし、こうしたもので多幸感に浸れるわけですよね」
レクサスを試乗中の繁さん
続いてはFスポーツグレードのCT200に乗り換えた。ここも繁さんとタカハシの会話でお送りしよう。
Photo by えみり。繁&タカハシのこゆい会話になかなか割り込めず
ちなみにCTのリヤシートにはえみりも乗っているが、相づちだけでなかなか会話に入ってこない。まあ二人の話にも飽きてきたころだろうから、運転をえみりに変わってもらおう。
「この走り出すまでの儀式がさぁ、ブランドなんだよ」と適当なことを助手席からタカハシが言うと、「そうなんですね」と真顔で納得するえみり。あわてて否定し、CT200は動き出した。しばらく無言で走る。で、そのうちにえみりが口を開いた。
「あのー、繁さんたちが言ってた、リニア感に欠ける感じってぜんぜん分からないんですけど」
おお、リヤシートに居ても二人の話を聞いていたんだな。エライぞ! 「いいのいいの気にしなくて」と答えてみたけど、「ハンドル切ったときとかアクセル踏んだときに何かおかしいんですか? 私、全く感じないです。乗りづらいとか運転しにくいとかは全くないですよ」と食い下がってくる。いつになく熱心だなー。
「えみりさんには難しいかも。僕たちが話していたのは微妙な味の話だし、おもねるようなクルマ造りか? なんてことも考えてるわけですよ」と繁さん。
「しょうゆ味と塩味くらい違いがあればわかるだろうけど、同じしょうゆ味の中でも出汁の濃さとかさぁ、そんな感じよ」とタカハシ。
で、ここからはまたタカハシ、繁さん、そしてときどきえみりの車内の会話をお送りしよう。
えみりも身体のセンサーを全開にして試乗中
タ「いっぱいクルマに乗らないとわからないですよね」
し「そう、普通の人にはわからないかもしれないけど、クルマを造るほうとしてはそこを追求していかないといけないから、僕らも随分苦労したね」
繁さんにしてみれば、エンジニアはすべてやりたがる傾向があるので、レクサスに求められる要件をすべて満たすために努力しているという。そして、後日、表参道にあるレクサスブランドの発進基地のレストラン&カフェテリア「INTERSECT BY LEXUS」でブランド論の言説を伺うこともできた。
そのあたりのことはじっくりと放送(オンエア日未定・決定次第ウェブサイトでお知らせします)で聴いてみていただきたい。では、また次回!