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【車両概要】BMW3シリーズ、ポルシェ911、アストンマーティン・ヴァンキッシュ、マクラーレンMP4-12Cスパイダー

BMW3シリーズ

 

 

BMW3シリーズのラインアップが充実してきた。2012年1月に新型3シリーズのF30型328iが国内デビューし、4月に320iセダンを投入。そして7月にはハイブリッドモデルのアクティブハイブリッド3を発表、8月に4WDモデルのxDriveを発表し、直後にディーゼル投入と続々とバリエーションが増えていっている。さらに9月には320d、328iにツーリングを追加と充実のラインアップとなっている。

 

320dはディーゼルエンジン搭載モデルで、2.0L4気筒+ターボに8速ATを組み合わせている。国内の排気ガス規制であるポスト新長期規制をクリアし、欧州のユーロ6にも対応したモデル。排気ガスに含まれるPM(すす)やNOx(窒素酸化物)を排出しないようにしなければならず、その手段としてPM対策にはDPFという特殊なフィルターを装着。NOxにはアドブルーと呼ばれる尿素還元触媒を用い、化学変化を利用してクリーンにしていた。

 


 

しかし、新型3シリーズのディーゼルはNOxに対してNSCという新しいタイプの触媒を用いることで、排気ガスをクリーンにすることに成功。これまで、尿素水を補充しなければならないという手間から解放され、メンテナンスフリーのディーゼルとなった。ちなみに、PM対策は同様にDPFフィルターを搭載している。

 


 

アクティブハイブリッド3はこれまで3シリーズの最高峰だった335iに代わるポジションのモデルで、直列6気筒ガソリンエンジンにモーターをプラスしたモデル。EV走行も75km/hの車速まで対応し、走行距離も3km-4km程度は走れる。

 

現在のラインアップは320i、328i、320d、xDrive、アクティブハイブリッド3、そして320dと328iにツーリングが用意されている。

 

< BMW 320d >

 

< アクティブハイブリッド3 >

 

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BMW 320d 公式サイト

BMW アクティブハイブリッド3 公式サイト

 

 

ポルシェ911

 

 

新型ポルシェは、2011年9月のフランクフルトモーターショーでデビューした。タイプ名は従来型の997から991へと変更された。ラインアップは、直噴3.4Lエンジンを搭載するカレラと、直噴3.8Lエンジンを搭載するカレラSの2機種で、2012年半ばにカレラ4、カレラ4Sを追加。今後もバリエーションを拡大していく予定だ。

 

991型シリーズは新開発のプラットフォームを採用し、従来型に比べ90%のパーツが新設計されるなど、歴史的なモデルチェンジと位置付けられる。ホイールベースは100mm延長され2450mmになりトレッドも拡大され、全体ではワイド&ローのスポーツクーペ・フォルムへと変わっている。

 

 

新型プラットフォームのニューボディはボディサイズを大きくしたにもかかわらず、大幅な軽量化を追求。スチールとアルミを使用したスチール・アルミハイブリッドシャシーを新開発し、アルミ材はドア、ボンネットからサスペンションまで多用されている。このため約60kgの軽量化を実現する一方で剛性も高められている。

 

水平対向6気筒エンジンも新開発で、カレラはダウンサイジングを行い、排気量は200ccダウンさせ、出力は向上させた一方で燃費性能もアップさせている。しかし、カレラSは従来型と同じ排気量のままだ。いずれも直噴システム、減速エネルギー回生システム、アイドリングストップを装備する。トランスミッションは7速PDK(=DCT)と7速MTを設定。PDKは低負荷時にはクラッチを切断してセーリング走行もできるタイプだ。

 


シャシーやサスペンションもほとんどの部分が新設計となり、ステアリングはアクティブ・セルフアライメント機能付き電動パワーステアを採用。サスペンションのセッテングは従来型より一段と快適さを増し、俊敏さ、安定性を高めている。シャシーではこの他にダイナミックシャシー・コントロール(PDCC=可変スタビライザー)、トルクベクタリング・システムなど最新の電子制御機能を装備している。


 

< 911カレラ4Sクーペ >

 

< 911カレラ4カブリオレ >

 

 

ポルシェジャパン 911公式サイト

 

 

アストンマーティン・ヴァンキッシュ

 

アストンマーチン ヴァンキッシュと桂さん


アストンマーチン ヴァンキッシュと桂さんアストンマーチン ヴァンキッシュ

現在のアストンマーティンのフラッグシップモデルで、従来のDBSのさらに上位に位置付けられたのがヴァンキッシュだ。フロントにV型12気筒エンジン、リヤにトランスミッションというレイアウトをもつ後輪駆動モデルのトランスアクスル式で、こういったプロフィールは2001年に登場した初代モデルと同じである。

 

初代ヴァンキッシュのボディの骨格は、VHモノコックと呼ばれるアルミ構造が有名だが、現在のヴァンキッシュのVHモノコックはアルミ押し出し材、マグネシウム鋳造材、カーボン・パネルを組み合わせたハイブリッド構造で、軽量・高剛性な仕上げになっている。初代のアルミ叩き出しのボディではパネルがカーボン製に進化している。車両重量は1739kgで、もちろん最新技術を採用した軽量化は動力性能と燃費向上の両方に効いている。

 

ボディサイズは、全長4720mm、全幅2067mm、全高1294mm、ホイールベース2740mmとまさにスーパーカーサイズ。フロントに搭載されるエンジンは6.0L・V型12気筒で、573ps、620Nmというスペックだ。

 

このエンジンはフォードに特注したもので、デュラテック・エンジンの技術を駆使して造り上げられている。トランスアクスル式レイアウトのエンジンとトランスミッションは、アルミ押し出し材製のトルクチューブ内のカーボン・プロペラシャフトにより、リヤアクスル上にマウントされたシーケンシャル6速ATにトルクを伝達している。そしてリヤ搭載のATミッションで変速され、リヤデフに駆動力を伝達するという仕組みだ。なおシフトレバーとは機械的に接続されず、電気的に制御しているシフトバイワイヤーで制御される。動力性能は、最高速295km/h、0-100km/h加速は4.1秒。

 

インテリアは、職人が手作りで作り込んだもので、贅沢で豪華な仕上げがされており、量産車スポーツカーとは一線を画するレベルである。まさに選ばれた人だけが乗り込むことができるエクスクルージブな世界がある。価格も3149万4750円とスーパーカーにふさわしい価格になっている。

 

 アストンマーティン ヴァンキッシュ 公式サイト

 

 

マクラーレンMP4-12Cスパイダー

 

マクラーレン MP4 12C スパイダーと桂さん


マクラーレンMP4-12シリーズは、F1グランプリに参戦している名門チームのマクラーレン・レーシングから2009年に派生独立したマクラーレン・オートモーティブが開発・製造しているスーパーカーだ。長年、マクラーレン・レーシングを支えてきたロン・デニスがマクラーレン・オートモーティブのCEOであり、F1マシンと同様に「MP4」という名称が使用されている。「12C」は、V型8気筒だが、V型12気筒エンジンに等しいパワーとカーボンのCを意味する。

 

クーペボディを持つMP4-12Cは2011年から生産が開始され、日本にも販売店が設立された。そして2012年7月に追加バリエーションとして、電動ハードトップルーフを装備したMP4-12Cスパイダーが登場した。

 

もちろんベースは共通で、F1マシン由来のオールカーボン製フレームを採用しているのが特徴だ。「カーボン・モノセル」と呼ばれるシャシー&フレームは、レーシングカーで採用されているカーボンファイバー織布を張り込み、オートクレーブで加熱する方式ではなく、金型を使用したRTM製法により一体成形されている。したがって高強度、高剛性で、75kgときわめて軽量に仕上がっている。またこうしたカーボン・セミモノコック構造のため、スパイダーボディを造るのも容易で、しかもクーペに劣らないボディ剛性を実現している。

 

ミッドに搭載されるエンジンは、M838T型と呼ばれる3.8LのV8型ツインターボで、最高出力600ps、600Nmを発揮する。まさにV12型エンジン並みのパワーだ。このエンジンは、イギリスのリカルド社が開発・製造したもので、レッドゾーンは8500rpm、180度クランクプレーン、ドライサンプと、スーパーカーにふさわしい仕上げだ。重量199kgと軽量なこのエンジンは極限的に低い位置に搭載されている。フェラーリと同様に180度クランクを採用しているため、高回転では官能的なサウンドを発生する。

 


 

トランスミッションは7速SSG(DCT)を搭載。パドルシフトで変速を行う。SSGとはシームレス・シフト・ギヤボックスを意味する。変速プログラムは走行状況に応じて手動で選択できるようになっている。

 

シャシーは、レースカー並みのロードホールディング性、グリップ力と、最高のラグジュアリーサルーンに比肩する快適性を両立させるというコンセプトのもと、プロアクティブ・シャシー・コントロール・システムが採用されている。4輪の油圧を統合制御するアダプティブ・ダンパーを装備し、ドライバーはセンターコンソール上のスイッチにより、ノーマル、スポーツ、トラックの3つのモードを任意で選択することが可能だ。

 

12C スパイダーは折りたたみ式ルーフシステムによる収納可能ハードトップ(RHT)を装備する。クーペ同様にカーボン・モノセル構造のため、通常のスパイダーのように追加の補強は行われていないのが大きな特徴だ。スパイダーのエンジン出力は625psとアップされ、最高速は329km/h、0-100km/hは3.1秒。なおスパイダーはエンジン上部カバーにガラスを採用し、エンジン上面を眺めることができるようになっている。収納式ハードトップを装備するスパイダーはクーペより重量が40kgだけ増加している。

 

マクラーレン MP4 12C スパイダーと桂さん


 

マクラーレン東京 公式サイト

マクラーレン大阪八光 公式サイト

 

 

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