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【読めるラジオ】第246回放送『ホンダ フリード』

ちょうど良いサイズに、1.5Lのハイブリッドで余裕の走りを手に入れたフリード。

 


解説記事はこちら

 

岩貞:さて、桂さん。今日は5ナンバーミニバンのホンダフリードとフリードスパイク…、こちらにハイブリッドモデルが追加されました。

 

:そうなんです。コマーシャルでは“ちょうど良い”サイズということで、耳にも目にもなじみのあるクルマなんですけれども、いわゆるミニバンというと(車両の全長が)長いクルマが主流なんですけれども。

 

岩貞:大柄な3列シートのような感じですね。

 

 

:このクルマは全長が4215mmなんですね。なので、ミニバンと言っているクルマよりかは少し短いんですよ。

 

岩貞:取り回ししやすいですね。

 

:そうなんです。それにホンダお得意の1.3Lと1.5Lのふたつのハイブリッドがあるうちの、(出力が大きい)1.5Lが搭載されたんですね。(もともとフリードは)ホンダが得意とする低い床とセンタータンクを配置していて、レイアウト的にもハイブリッドが積みやすい状況にはあったわけですね。

 

岩貞:ハイブリッドシステムを搭載すると、お得意の荷物スペースが押し上げられたりというのはあるんでしょうか?

 

:後ろにコントロールユニットとかバッテリーとか積まれるんですけれども、このクルマでいうと35mmほど荷物室の床が高くなっただけで、それほど問題にはなっていないですね。

 

岩貞:目に見えて床が高くなったり、出っ張っているということはないんですね。

 

:それはないですね。

 

岩貞:そのあたりの使い勝手は変わらないんですね?

 

:はい。

 

岩貞:それでは桂さんに試乗してきていただいていますので、音声レポートをお聞きください。

 

 

 

【音声レポート】


:「では、ちょっと加速してみます。なかなか勇ましい音になるんですけれども、CVTですが、あまり滑り感みたいなものはないですね。エンジンの回転と同時にちゃんと速度もついてきますね。これから高速に乗ってみます。(加速のエンジン音…)これで5000rpm。これは踏みっぱなしじゃダメなんですね。逆にアクセルを戻していった方が、プーリーが変わっていって、どんどんハイギアになっていきますから、加速したらアクセルを戻していくとシフトアップしていくという考え方で良いと思います。やっぱ1.5Lというのは余裕で良いですねぇ…、これ。操縦性もこれタイヤが新しいブルーアースという横浜のエコタイヤなんですけれども、なかなかこれが良いな~。というのも直進状態から切り始めた時の曲がっていくさまが、ハンドルの重さもじわっと変わっていきますし、ハンドルをどのくらい切っているかっていうのが、つかみやすいですね。こりゃ良いわ」

 

 

岩貞:桂伸一さんによるフリードハイブリッドの音声レポートをお聞きいただきました。最後の方でハンドルに対する応答性が良いというお話があったんですが、割とミニバン系になると走りはあまりこだわらなくなる傾向にあるんですが、反応が良さそうですね。

 

:この辺がホンダ(のこだわり)かなと思うですよね。こういうミニバン系やSUVも含めてですけども(ハンドルに)しっかりした手応えを持たせようとか、曲がっていく気持ちよさだとか、スポーツカー(こそ)最近なくなっていますけれども…、スポーツ系の味付けを忘れていないところがホンダらしさかなと思います。

 

岩貞:それと1.5Lをベースにしたハイブリッド。これがパワーが相当ありそうな感じですか?

 

:そうですね。1.3Lと1.5Lの2種類があるんですけれども、やはりこのボディサイズにして1.5Lが余裕ということも言えるんですけれども、例えば下のクラスにフィットシャトルとかありますけれども、それに比べると車重が重い分は当然、1.5Lにしないとダメな部分も当然あるんですよね。

 

岩貞:そうですよね、人が6人とか7人とか乗るわけですから、余裕を持たせるには(1.5Lが)適しているということですよね。

 

:そういうことですね。

 

 

岩貞:今回試乗は2人乗りでなさっているんですよね。

 

:そうです。

 

岩貞:例えば、最大で7人乗りがありますが、7人フル乗車だと相当重くなりますが(そのあたりの影響はどうなんでしょうか?)

 

:もちろん予想でしか言えませんが、問題ないと思います。音声レポートにありましたけれども、CVTのスベリ感というのが、どうしてもアクセル踏んでエンジン回転上がっていくと、速度が後からついてくるというのがどうしてもあるんですね。

 

岩貞:エンジン音がやたら大きく感じる(時がありますよね)。

 

:そうなんです。そこを元々の性能として、食いつき感というか、エンジン回転と車速が同調するような、自然な感じがすごく強いので、そういう点で(今回のフリードハイブリッドなら)加速フィールもたぶん、(もし多人数乗車で)車重が増えたとしても、気持ちが良いのではないかなと思います。

 

岩貞:はい。

 

 

岩貞:今回こうしてフリードにもハイブリッドが搭載されて、ホンダのハイブリッド化がどんどん進んでいるんですが、これはシステム的にも進化はしているんですか?

 

:この前にフィットシャトルハイブリッドを乗ってみて、走行中の加速、減速でちょっとギクシャク感があったりとか、あとはアイドルストップなんですが、交差点で止まる直前にエンジンが先に止まるんですね。その時のブレーキのフィーリングがペダル一定でも少し変わったりするんですよ。そういうのがフリードではまったく感じなくなったんですね。

 

岩貞:桂さん…、そのフィットシャトルのチェックは厳しくないですか?

 

:これはホンダの人たちに直接言ったんですけれども、そういうことをわかってくれるのがホンダなので、これは愛のムチですよ。

 

岩貞:あと気になるのは燃費なんですね。燃費が良くなってくれないとハイブリッドカーを買う意味がないと(思うんですがいかがでしょうか?)

 

:そうですね。これはフリードではないんですけれども、フィットシャトルをしばらく借りて乗ってみてわかったんですけれども、都内の渋滞なんかは「ガソリン車+α(良くなっている)」くらいなんですね。

 

岩貞:そんなに(極端に)良くはならないんですか?

 

:(もちろん)良い方には変わるんですけれども、驚くほどではないんですね。ところが高速に行くと、平気でリッター20kmを超えるので、このあたりは単なるガソリン車じゃなくて、ハイブリッドの効果かなと思いますよね。

 

岩貞:一般的にハイブリッドって高速道路では良さが出にくいと言われていますよね?

 

:負荷のかかっていないところで、いかに効率よく、クルマを転がすかという部分がありますから、一概に(高速道路では効果が薄いとも)言えないんだなというのも、フィットシャトルのハイブリッドを長期間借りて乗ってみてわかったんです。

 

岩貞:それは高速で良くなるのは気筒停止? とかそのあたりも影響しているんですか?

 

:(良い質問が)きましたね~。トヨタのハイブリッドだと、エンジンが完全に停止した状態でのモーター走行というのがあるので、わかりやすいんですけれども、ホンダの場合は常にエンジンは回っていて、でもモーター領域というのも実はあるので、ここはボクは感じることはできるんですが、ただこれは、もしかしてエンジン止まっているかなと思って音を聞いたりして、探りを入れて(初めて)、エンジンが回っていないことがわかるくらいなんですよ。

 

岩貞:要するにホンダのハイブリッドの場合は、一定速度で走っていると、エンジンに燃料が吹かれていなくて、ただエンジンがガシャガシャ回っているだけで燃料は一滴も使っていない状況が発生しているということですよね?

 

:ガシャガシャはホンダのエンジニアが怒りますよ(笑)。でもその通りで、ピストンはきちんと上下運動しているんですけれども、エンジンとして点火爆発はしていないんですよね。

 

岩貞:その差は一般的にはわからないんだけれども、桂さんはなんとなくわかるんですね?

 

:なんとなくわかりますけれども、(ただ)フリードの場合は、モニターにエンジンがどういう状況にあるか、燃料が吹かれているかどうかが出るので、それを見ながら(エンジンがどういう音だとかを探ればわかりますね。)

 

岩貞:それって、後出しジャンケンじゃないですか(笑)。

 

:今回のように長く乗ってみて、燃費が良いんだなというのがわかってくると、ハイブリッド効果はあるので、(確かに)ちょっとわかりにくいのが残念だなと思いますよね。

 

岩貞:ただ、ユーザーにしてみれば、わかりにくくても、燃費が良ければよいですよね。

 

:そうね、はい(笑)。

 

 

岩貞:エンディングになってしまいましたが、最近どこのメーカーもハイブリッドが当たり前という感じになってきているんですが、そんな中で、ホンダはハイブリッドについてどういう方向に進んでいくと思いますか?

 

:他社がいろいろ出してきていますけれども、日本ではトヨタとホンダが世界に先駆けて、出しているわけですよね。EVや2モーター方式なんかもホンダが考えていないわけはなくて、とはいえ、ホンダは他社とは同じことはやらないわけですよ。

 

岩貞:負けず嫌いですもんね。

 

:負けず嫌いでしょ。だから、この方式をホンダ独自のやり方で、なんかすごく面白いやり方で展開してきてくれるんじゃないかなと思っていますけれどもね。

 

岩貞:全体的にホンダの場合、市街地での燃費。これがあまり上がらないという風に言われていますが、そのあたりの燃費を追求していくという動きはあるんですか?

 

:それは今のエンジンが一緒に回っている方式じゃなくしていけば変わってくると思いますし、モーター領域が増えれば(当然、燃費も良くなるので)そういうシステムも考えていると思いますよ。

 

岩貞:そうですか、わかりました。

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