The Motor Weekly - Fm yokohama 84.7

【読めるラジオ】第240回放送『マツダ アクセラ』

スカイアクティブ第2弾のアクセラは、燃費と走りのバランスで語るべきクルマ

 

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岩貞:さて、石井さん、今週はスカイアクティブで話題になっているアクセラを紹介したいと思います。まずは、スカイアクティブの話から始めましょうか。

 

石井:もうだいぶ浸透してきたかと思うのですけれど、スカイアクティブというのはエンジンやトランスミッション、ボディ、シャシーなどの総合的な次世代車技術ですね。以前に発売されたデミオがハイブリッドカーではないのに、30km/Lという凄い燃費を叩き出しています。

 

岩貞:そうですね。

 

石井:あとは、ダイハツのミライースというクルマありますよね? これが第3のエコーという言い方をしていますが。

 

岩貞:コマーシャルで(流れていますね)。

 

 

石井:第1がハイブリッドなのかな? 第2がEV=電気自動車なんですかね? それに対して第3という言い方をしていて、マツダのスカイアクティブもおそらくこの仲間なんじゃないかと思います。ただ、第3という言い方も変かなという気がするのですけれども、要するに、ハイブリッドに頼らなくても、きちんとガソリンエンジン(の技術)を磨いていけば、もっと燃費は上がりますよ…ということであって、本当はもっと前からやらなければならなかったことかもせれません…。

 

岩貞:本当はこっちが第1であるはず?

 

石井:そうですね。ベーシックです。ヨーロッパのメーカーはすごく積極的で、特にフォルクスワーゲンのゴルフとかは燃費も良いじゃないですか。

 

岩貞:いいですね。

 

 

石井:あちらはエンジンの排気量を小さくして、ターボを付けて、ダウンサイジングコンセプトなんて言っていますね。

 

岩貞:はい、ちょうどメールも頂いているんですが、千葉市の服部さんがシャランをお買いになったそうです。

 

石井:なるほど。フォルクスワーゲンのミニバンなんですけれども、やっぱりダウンサイジングが入っているんで、燃費、結構良いんですよね。

 

岩貞:やっぱりそういうことになるんですよね。メールの中には以前パサート特集をさせていただいたのですが、「世界一を目指しているメーカーのクルマは楽しいと聴きましたが、今から楽しみで仕方がありません。」ということなのですが、やはり勢いが(あるんですか)?

 

石井:そうですね。フォルクスワーゲンは日本でも本当に人気になってきましたけれど、やっぱり核となっているのはダウンサイジング。燃費も良くて走りも楽しめるという、ちょっとハイブリッドカーとは違うエコカーなんですね。

 

岩貞:それに対してマツダのスカイアクティブというのは(どう違うのか)? もう一度ご紹介いただけますか?

 

石井:デミオで使っているのもそうですし、今回のアクセラもそうなのですが、スカイアクティブGというガソリンエンジンを(積んでいます)。ダウンサイジングとはちょっと違います。これはターボを使っていなくて、排気量はそれなりにあるんですね。ただ圧縮比を高めたりして、いろいろなところで燃焼効率を高めています。ターボとか使うとコストアップだとか、あるじゃないですか?そういうこともいろいろ考えて、マツダはNAでどれだけ燃費を出せるか?というところに挑戦してきているんです。

 

岩貞:それはお財布にやさしくなるので、とても嬉しいです。

 

石井:そうですね(苦笑)

 

 

岩貞:マツダが行っているスカイアクティブ第1弾のデミオが出ましたよね?

 

石井:これはエンジンだけがスカイアクティブだったんですね。で、第2弾の今回のアクセラは、エンジンとトランスミッションがスカイアクティブになりました。ですから(デミオに比べて)スカイアクティブ率が高まっているんですね。

 

岩貞:トランスミッションはどう良いのですか?

 

石井:トルクコンバーター式ATといって、もっとも一般的なオートマチック(AT)です。だけど燃費が良いんですね。

 

岩貞:ヨーロッパのクルマとかはデュアルクラッチ式とか(いって)、マニュアルミッション寄りの技術を使って燃費を上げていますが、そうではない?

 

石井:そうではないですね。トルクコンバーター式は燃費が良くないと言われていたんですけれども、その弱点を全部取り払ったんですね。

 

岩貞:どうやって?

 

石井:それは後ほど…(苦笑)

 

岩貞:わかりました(笑)

岩貞:さて、石井さん。ここからはアクセラについて具体的に教えていただきたいのですが。

 

石井:デミオの場合は燃費に特化しているなというところがありましたけれども、アクセラは昔から走りに定評がありますよね? 結構、好きな人が乗っているなということがあって、今回のアクセラも燃費を上げているのは当然なんですけれども、走りも大事にしているんですよ。

 

岩貞:手を抜いていない?

 

石井:そうなんです。

 

岩貞:それはとても楽しみなところだと思います。ではここで石井さんの音声レポートお聞きいただきましょう。

 

【音声レポート】

石井:「今日はアクセラのスカイアクティブの試乗会に来ています。ちょっとここで加速してみます。(ウォォォォォン※加速音…)あ~、やっぱりダイレクト感とスムーズさを両立させようという感じですね。非常にシフトチェンジが素早くて、加速と途切れなんかないんですけれど、ガツンとは来ないですね。これがデュアルクラッチトランスミッションだと結構シフトショックみたいなのがあって、それが良くも悪くもスポーティだったりします。でもガツッときても良いのになって思うんですけどね。もしスポーツボタンみたいなのがあって、それをやるとショックみたいなのがあって、スポーティさを感じるのもありなのかなと思いました。(※再び加速音…)今、6000rpm。マニュアル使うと6500rpmまでいって、回転が止まります。結構、上(まで回しても)元気ですよ。ハンドリングも素直さとスポーティさのバランスが良いですね。こういうところ(※後のトーク参照)の反応の素直さはホントに良くなりましたね。運転しやすくて、自分が上手くなったという感じもします。

 

岩貞:石井昌道さんのマツダ アクセラの音声レポートをお聞きいただきました。こういうところの反応の素直さってどういうところなんですか?

 

石井:これは箱根のワインディングで走っているんですが、たぶんその時はタイトコーナーに、早めに入って行った感じだと思います。

 

岩貞:ハンドルをククッと切りながら?

 

石井:そうですね。

 

岩貞:今の音声レポートをお聞きしていても、バランスという言葉が何度か出てきたと思うのですが、マツダのエンジニアの方たちはこの言葉をキーワードにしているところがありますよね。

 

石井:マツダのクルマってずっとスポーティだったんですよ。ファンもそれが嬉しくて、みんな乗っているんですけれども、最近スポーティさに変化が見られるんですね。今までは少しハンドルを動かすと“ピュッ”とノーズが反応して、「わ~、スポーティだ!」っていう感じだったんですけれども、それって言葉悪くいうと見せかけの反応なんですよ。(最近は)本物志向になってきたんですね。ハンドル切った時に外側のタイヤに荷重が乗って、クルマが傾き始めてから、ノーズが“ス~ッ”とインを向いてくれる。これが物理の法則に反していない素直な動きなんですね。やっぱりピュッて動くと素直さがなくて、その後に(クルマ全体の)動きがヘンテコになったりするわけですよ。その辺は本物を追求して、動きを良くしているんですね。だから運転が上手い人とか、好きな人ほど、「おっ! なんかマツダは変わってきたぞ!」っていう風に思えると思います。

 

岩貞:私ぐらいのあんまり上手くない人は?

 

石井:あんまり上手くない人はなんにも意識しないで走ると、なんか走りやすいなっていう印象を受けると思います。

 

岩貞:やっぱり身体の動きとロール感とか意思、こっちに行きたいというものが上手く合うということですか?

 

石井:そうです。よくロードスターで人馬一体っていうことを言いますが、まさにそれを狙っているということですね。

 

岩貞:そして気になるのはやはりエンジンのフィーリングなのですが?

 

石井:エンジン自体は前のモデルと、パワーやトルクはちょっと上がっているくらいなんですよ。だから驚くほど変わったっていう気はしないです。

 

岩貞:音声レポートの中で、上の方が元気ですよって言っていましたよね?

 

石井:すごく元気に感じていますね。エンジン自体はそんなに変わっていないのですが、おそらくトランスミッションが良くなっている。5速から6速になっていますから、吹き上がり感も良いですよね。それとダイレクトになっているんですよ。これがポイントなんですけれども、(これのおかげで)エンジンのフィーリングがすごく良く感じられるんです。

 

岩貞:そうですか。前半トークで後延ばしにされてしまった6速ATですが、何がどう変わったのですか?

 

石井:そうでしたね。トルクコンバーターというのは、流体なんですね。非常に粘度の高い液体をイメージしてもらえるとわかると思うのですが、それを滑らしたりして、クラッチ代わりに使っているということでもあるんですが、今までは滑る率が非常に高かったんですね。そうしないとスムーズに快適に走れなかったんです。

 

岩貞:滑らかに1速→2速→3速といかなかった?

 

石井:これをロックアップというんですけれども、完全に締結してしまう率を高めてきました。従来は49%だったのが、82%まで。

 

岩貞:倍じゃないですか。

 

石井:これでマニュアルミッション並みの効率になりました。ゴルフなんかで使われているデュアルクラッチ式のトランスミッションと(比較して)も負けないと。

 

岩貞:燃費が?

 

石井:ダイレクト感もです。直結しているのですから、ダイレクトですよね。

 

岩貞:そうですよね。で、燃費が良くて、ガツガツ感みたいなのは上手に取れている?

 

石井:そこが(ポイントでした)。ロックアップ率を上げていくとスムーズさがなくなるのが普通なんですけれども、そこをブレークスルーしたわけですね。今回、すごく変速が素早いし、スムーズで良くできているんですけどね…。ただ、ボク的には飛ばした時にもうちょっとガツッてきても良いのにな、っていうのは音声レポートでも言っていたことなんですよ。

 

岩貞:その辺りなのですね。マツダのスカイアクティブ戦略が着々と進行しているという感じなのですかね?

 

石井:そうですね~。

 

岩貞:石井さんのアクセラの評価ってどんな感じですか?

 

石井:燃費が良いのはもちろんなんですけれども、やっぱり走りが楽しかった。これがマツダらしいところですね。

 

岩貞:やっぱりそこは押さえてほしいところですよね。

 

石井:そうなんです。ちょっとだけ低速域とか乗り心地がかたいなとか思うところあるんですけれども、やっぱり走りは捨てられないというのがアクセラの使命なんだと思います。

 

岩貞:そしてマツダのスカイアクティブ第3弾が発表されましたね。

 

石井:そうですね。CX-5という新しいSUVなんですけれども、東京モーターショーで見られると思うんですが、ディーゼルエンジンも投入されますし、初のフルスカイです。

 

 

岩貞:エンジン、トランスミッションに加えて?

 

石井:ボディやシャシーなどすべてにスカイアクティブ技術が使われているんですね。

 

岩貞:楽しみですね。東京モーターショーといえば(一般公開)初日の12月3日、土曜日には日本カー・オブ・ザ・イヤーの開票・発表式もあります。

 

石井:そうでしたね…。緊張しますね。

 

岩貞:なので、この日に来ていただければ、私たちコメンテーターもいますので。

 

石井:津々見さんも、桂さんも、全員いますよね。

 

岩貞:ぜひ皆さん、会いにきてください。

 

石井:皆さん、東京モーターショーでお会いしましょう! ありがとうございました。

 

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