The Motor Weekly - Fm yokohama 84.7

【読めるラジオ】第234回放送『最新軽自動車特集』

自動車販売台数の1/3は軽自動車!ダイハツ・イースもデビュー

 

岩貞:津々見さん、今週は最新軽自動車事情というテーマですが、最近の軽自動車について、津々見さんはどう感じてますか?

 

津々見:最近、乗りますとね、いや~、もうこれでいいなぁ(笑) というぐらい充実しているんですよね。まあ、思い起こせば1958年にスバル360が出たときに、欲しくて欲しくてカタログ毎晩抱いて寝てましたけどね。結局、それは買ってもらえなかったんです。でも、日本の軽自動車の発展というのは素晴らしいですね。最近、試乗会で乗るチャンスが多いんですけど、AT、パワステ、パワーウインドウ、当時われわれが欲しくてしょうがなかったもの全部が揃っているんですよ。

 

岩貞:軽自動車1台でなんでもありで、完結していますよね。

 

津々見:大変快適ですし、普通に走るぶんには十分だという気がしますね。

 

岩貞:それで、最近少し動きが出てきたという話があるんですが・・・

 

津々見:そうですね。軽も燃費狙いになってきたんですね。省燃費に向けて大変な努力をしています。実は、軽自動車って一見燃費良さそうなんですが、燃費につらいところがあるんですよね。

 

岩貞:いままで軽自動車は燃費もいいし、凄く乗りやすいといわれていたんですけど、最近リッターカーの燃費が非常に良くなってきているので、数字的に軽自動車がチョット負け気味な感じというのがありましたよね。

 

津々見:まったくそうなんですね。軽はエンジンが小さくて燃費が良さそうなんですけど、ボディが重いので、そのボディをエンジンが引っ張らないといけない。だからエンジンが頑張っちゃっているんですね。頑張ってる分だけゆとりの余裕馬力がないので、その分だけ燃費が悪くなっちゃってるんですね。ちょうど、コンパクトカーがそのあたりのバランスがよかったので・・・・でも、このところ頑張ってきていますよ。

 

岩貞:やはり、軽としては負けてられないですからね。

 

津々見:負けてられないでしょう。軽は意外と技術を入れてまして、エンジンなんかもDOHCになったり、それから可変バルブタイミングを使ってみたり、CVT、副変速機付きのCVTを使うとか、CVTの中でもレシオの幅を広くして低回転では力強いトルク、高速ではエンジン回転を抑えて燃費に振るという、こんな動きが出ていますね。

 

岩貞:実際、販売台数のほうも、日本の自動車販売台数の1/3は軽自動車だと。それぐらいなんですが、なんでそこまで人気なんですか?

 

津々見:いい質問ですね。(笑)なんといいましてもね、費用がかからない。経済的負担が非常に少ないんですね。ここが一番だと思います。もともとの車体の価格も安いし、下手すると60万~70万円で新車が買えますから。なんといいましても1年間の自動車税が7200円という費用ですから、普通乗用車の1/5ぐらいで済んじゃうんです。

 

岩貞:本当に安いんですよね。これ、毎年5月にくる自動車税ですから。

 

津々見:それが7200円ですから、ホント、ちょっとタバコ買うくらいですからね。ですから、そういった点が一番大きい魅力だと思います。そして、あとはとりまわしのしやすさ・・・首都圏ではクルマがなくても移動できるので、いろんな交通機関がありますからね。ただ、首都圏以外で交通機関が整備されていないような場所では、どうしてもひとり1台。みなさん持たなきゃなんない。

 

岩貞:本当にもう、庶民のアシですよね。

 

津々見:そうすると、あまり大きいと自分家の庭やガレージに入らないんですけど、多いところでは5台6台ある家がありますからね。

 

岩貞:家族の人数分だけある。

 

津々見:みなさんお持ちになるから、そうすると、このサイズが使いやすいし、下駄がわりにも使いやすいというわけですからね。

 

岩貞:そうですね。で、軽自動車は日本独自の規格ですよね。

 

津々見:そうなんですね。サイズが決められていて、全長が3.4m全幅が1.48m以下、高さが2m以下ということになっていまして、いまや、排気量は660CCなんですが、かつて私が欲しかった時代は360CCだったんですけどね。だんだん、サイズは拡大されてきました。それは、衝突安全性を高めるために車体が大きくなっていくんですね。車体が大きくなると重くなる。重くなると、一般道路も高速道路も走るときに、他のクルマとの速度差があると危ない。ということで、必要最低限の動力性能を持たせようということになったんですね。そしてもちろん、エアバッグを装備したり、いわゆる安全のために重くなった分、今度はエンジンを大きくして馬力を上げようと。だから今は660CCになったわけですね。海外ではほとんどこういう小さいクルマはすくないんですけど、スマートなんかが一時軽規格で出したりしてましたけど、最近のスマートは横幅が広いですから軽規格に入らないんですね。エンジンも大きくはなったんですけどね。

 

岩貞:最近は、これまで軽自動車を生産していなかったメーカーも販売するようになってきましたよね?

 

津々見:やはり、軽自動車がある意味ブームにもなっていますから生産していないメーカーもそこに接点を持たないといけないんですね。ですから、自分のところで新しく作ると大変コストもかかり、あわなくなってしまう。だからOEMということで、どんどんとあたらしく発売を始めていますね。日産はモコ、これはスズキのMRワゴンなんですが、それとオッティ、これは三菱からのOEMでEKワゴンなんですけど。それにマツダなんかもAZワゴン、これもスズキのワゴンRなんですね。そしてトヨタもダイハツからムーブコンテ、これを導入しました。ピクシススペースという名前で売り出すといってますね。

 

 

岩貞:となると、国内のメーカー系ディーラーでは、ほとんど軽自動車を販売していくということになるんですね。

 

津々見:ま、軽自動車は重要な商品力を持っているということがいえますね。

 

岩貞:それでは、各社の現行モデルについて教えていただけますか?

 

津々見:ベストセラーといいますか、長年の地位を築いているワゴンR。これが今でも売れているんですね。男性が乗っても恥ずかしくない、堂々と乗れるクルマです。最初出たときに本当にインパクトありました。かっこよかったです。その格好の良さをいまでも引き継いでますが、エンジンもVVTといいまして可変バルブタイミングを入れたり、それからなんといっても最近の燃費系を狙ってくるならCVTのミッション。そしてアイドリングストップを入れてますね。

 

岩貞:出てきましたね。

 

津々見:対抗するのがムーブ。ダイハツ・ムーブですね。こちらも頑張ってまして、やはりCVTです。同じCVTですが、ワゴンRは副変速機のCVT。低速ではしっかりトルクを出すために副変速機にしまして、高速では今度は回転数をおとして燃費走りというワゴンRなんですけども、ムーブのほうは、アイドリングストップしているときに電動ポンプなどは使わずに、バッテリーの、つまり充電器の発電量を抑えて燃費を稼ぐという、それから新しい第2世代のエンジンになってまして、EGRというんですが、排気ガスを循環させることによってポンピングロスをなくすという仕掛けをやったりして、この僚友、どちらもリッター27kmという10・15モードをマークしているんですね。

 

岩貞:リッターカーに比べて軽自動車は燃費の面が・・・というのを一瞬言われかけましたけれども、ここにきていろんな最新技術を入れて巻き返しに出ているという。

 

津々見:そうなんですね。本当にね、これから期待したいクルマが出てきます。ダイハツのイースというクルマなんですが、実に燃費が・・・いままで一番燃費が良かったのが27km/Lだったんですけど、それをはるかに超えてきましたね。やはりハイブリッド車なども出てきたので、リッター30kmとかは誰も驚かなくなっているんですけども、ここにきてなんとリッター32kmという10・15モードで、これを達成したんですね。

 

岩貞:デミオがやはり10・15モードで30km/Lですけども、今度は32km/Lということで。

 

津々見:そう、その2kmを出してきましたね。まさに、万を持して送り込んできたという感じがいたしますね。

 

岩貞:どのあたりを詰めて詰めていくと、そのあたりの数字ができるんですか?

 

津々見:やっぱり、私はエンジンももちろんそうですし、CVTだし、アイドルストップもそうでしょうけど、絶対的には軽さですね。圧倒的に軽く、なんと730kg!

 

岩貞:軽い!

 

津々見:この数字にあわせてきましたね。

 

岩貞:だいたい、他のクルマって800kg~

 

津々見:そうですね、800kg強ぐらいで、それを本当に70kgも軽量化したというのはさすがですね。

 

岩貞:あと気になるのはお値段なんですが・・・

 

津々見:はいはいはい・・・待ってました!いやいや、これもビックリなんですね。重量も730kgと軽いんですけど値段もなんと80万円を切った79万5000円だというように聞いておりますので、これはもうびっくりですね。

 

岩貞:2年前の東京モーターショーに出展されてから、凄く話題を集めていたクルマなんですが、実際どれくらいの価格になるのか、いや、これだけ技術をいれたら高くなるんじゃないだろうかと言われていたんですが、価格もものすごく79.5万円と、低く抑えてくれましたよね。

 

津々見:まさに、そうですね。技術力を入れると、どうしても高くなってしまう。それから軽量化のためにいろいろ高い素材を使ったりしての材料置換だとやはり、高くなるというのが一般的なんだけどこの値段に抑えたというのはさすがですね。

 

岩貞:一時は、軽自動車はもういらないんじゃないか? というように言われていた時期もあるんですけど、こういうクルマが出てくるとますます、軽自動車に注目が集まってきそうですね。

 

津々見:軽自動車といのは生産のときから、材料が少なくて済むとか、道路を傷めないとか色々メリットが多いんですね。

 

岩貞:環境の面で。

 

津々見:そうです。そういう意味では軽自動車はますます日本の風土にあった、われわれに、メリットのあるクルマに育っていって欲しいと思うんですね。

 

岩貞:はい。あともうひとつ、津々見さんご自身としては軽自動車に何を期待していますか?

 

津々見:なんといいましても、たとえばスマートとかイタ車のようなオシャレ度、これをね。随分おしゃれにはなってきています。そういう意味では凄く期待しているんですけど、もっともっと夢のあるクルマに育って欲しいなという気がしますね。

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