博士じゃ。
今週は、「ムギツク」のウンチクじゃ。
心して聞くのじゃ。
ムギツクは、水のきれいな河川の中流域で、
石や水草の多いところによく見られるコイ科の淡水魚じゃ。
体長は10センチ前後で、大きいものだと15センチを超えるんじゃ。
シロギスのような細長い体形をしていて、
最大の特徴は、頭部から尾びれにかけて
体の側面を一直線に走る一本の黒い線じゃ。
本来の生息域は、びわ湖・淀川水系から西側の本州と
四国の一部、九州なんじゃが、
タモロコなどと同じように、
琵琶湖産アユの放流に混ざって関東にも広がっていて
相模川などでも生息が確認されておる。
そんなムギツクのユニークな生態としては、
自分の卵への世話を他の魚に托す「托卵(たくらん)」があるのじゃ。
ムギツクと同じような場所に生息する
オヤニラミという魚がいるじゃが、
このオヤニラミは縄張り意識が強く、
産卵後にはオスが卵をしっかりと守るんじゃ。
そんなオヤニラミの産卵床に、ムギツクが集団で接近して、
隙を見て卵を産み付けた後、
ムギツクはその場から姿を消し、
オヤニラミは自分の卵と一緒に
ムギツクの卵も守ることになるんじゃ。
ムギツク、なかなかの”やり手”じゃのぉ。
ムギツクの釣り方は簡単で、基本的な釣り方は、タナゴやクチボソと一緒じゃ。
ムギツクは、水生昆虫を主に食べているので、
エサは現地で水生昆虫を捕まえるのが一番じゃが、
アカムシやミミズでも釣ることができるんじゃ。
ただ、小さな口でつつくようにエサを食べるため、
なかなか針にかからない”エサ取り名人”なので
エサはできるだけ小さくつけるのがおすすめじゃぞ。