The Burn - Fm yokohama 84.7

『ミルクの中のイワナ』/映画監督の坂本麻人さんをお迎えしました。

ADモーリーです!

昨日のGood To Goでは
公開中の映画
『ミルクの中のイワナ』をピックアップしました


ゲストにはこの映画の監督を務めた
坂本麻人さんをお迎えしました。

映画『ミルクの中のイワナ』は
関東では4月5日から
アップリンク吉祥寺で公開されていた
ドキュメンタリー映画作品です。

(画像は映画Xアカウントから)

ーまずはどんな映画か教えてください。

『イワナと言っても
 馴染みのない方が
 多いかもしれないですけど、
 サケの仲間ですね。
 漁協組合さんや釣り人、
 研究者の方など、
 これまでイワナに
 関わってきた方が

 たくさんいらっしゃるんですが、
 このイワナに何やら
 異変を起きてると。

 減っているとか、
 いろんな問題を抱えてるんですよね。
 これが一筋縄ではいかない
 問題だということで、
 今イワナに何が起きてるのか、
 僕らはどういうことが出来るのかを、
 1本のドキュメンタリーとして
 まとめたような作品になります。』

ー自然界のイワナを釣るには
 源流に行く必要があって、
 憧れであり、
 ミステリアスな魚ですよね。

「今でこそ渓流の魚っていう
 イメージですが

 イワナも元々は
 海に行く魚なんです。

 サケと同じなんですよね。
 しかし今、本州では
 川から海に行けるような
 川っていうのが
 非常に減っているんです。
 砂防園庭であったりとか、
 ダムであったりとか、
 色んな開発が故に、
 実は海と山、源流域が
 分断されてしまってるっていうのが、
 今の事情なんです。」

ー人々が安全に暮らす上で
 作ったはずの円庭とかダムが、
 魚からすると
 海に下れなくなってしまっていると。

『そうなんです。
 イワナがもし海に行くような性質、
 生活を持っていれば、
 海釣りの方も源流域の方も、
 イワナを釣ってるっているという、
 面白い状態になってた
 可能性もあるんですよ。
 それが今は、渓流の魚である、
 という感じで
 分けられてしまっていますよね。


ーそもそもなぜイワナに注目して
 作品を撮ろうと思ったんですか?

『僕は釣り人なんです。
 海でも川でも、
 あらゆる釣りが好きで、
 まあ釣り好きの人は
 分かると思いますが、
 釣り人って食べる以上の数の
 魚と関わってますよね。
 とにかくものすごい数の魚。
 そう考えると釣りって、
 ものすごい貴重な
 アクティビティだと思うんです。
 このご時世で、
 野生動物と直に対峙するような
 関係性が持てるスポーツ。
 そう考えると、
 他には案外ないですよね。


ー他の動物を狩るには
 免許が必要な場合もありますが、
 日本では釣りは基本的に免許がいらない。

『そうなんですよね。
 その中でもイワナは
 釣りをしてなければ
 関われなかった魚なんですよ。
 ものすごい時間がかかるし、
 釣りに行くのが
 そもそも難しいっていう。
 ここまで時間と労力をかけて
 出会いに行く魚っていうことにも、
 やっぱりロマンを感じたし、
 イワナって調べていくと、
 妖怪や伝説にも繋がるんです。
 東北とかではとても
 大事な魚だったらしいんですよね。
 そんなイワナが今、
 減っているとされています。
 やはり自分が大好きな魚、
 一生関わり続けていきたい
 魚っていうことで、
 イワナっていう魚に着目して、
 これからどんな関係性を
 築いていけばいいのかを、
 僕なりに探したかったんです。』

ー映像がとても美しいのですが、
 撮影は大変だったんじゃないですか?

「そうなんですよ。
 水中カメラマンさんも
 数名いらっしゃるんですけど、
 私もこの映画がきっかけで
 初めて潜って撮影しました。


ー潜ってみるとちゃんと
 魚はそこにいるんですか?


ーそれぞれの川の
 それぞれイワナにも
 特徴があるみたいですね。

『例えば新潟県や福島県でも
 全然違うんです。
 色も違うし、点の大きさや
 パーマークの大きさも違うし。
 じゃあなんでわざわざ
 黒部のあそこまで行くの?
 って言われると
 そこにしかいない
 イワナと出会いたいからなんです。
 そんな中、
 漁協さんは魚を増やす義務を、
 担ってるわけですよね。
 そのおかげで
 釣りが出来る環境が
 整えられてきているわけなんですけど、
 それが実はあんまり効果がなかったとか、
 実はあまりうまくいってなかった
 っていうことがちょっとずつ
 見えてきたんです。
 みんなめちゃくちゃ頑張って
 増やしてきたのに
 増えてないっていう現状が
 今叩きつけられているんです。
 それで養殖の魚をたくさん
 放流してきたんですが、
 皮ごとにバリエーションのある、
 カラフルな固有性があるイワナが
 同じになってしまうっていう
 問題も孕んでいたわけです。


ーぜひ映画を見てみなさんにも
 何か感じてほしいですね。
 映画以外にも
 フィルムブックもあるんですよね。

「映画はより釣り人としての
 目線であったり、
 渓流の追体験、
 緊張感みたいなものを
 音楽と映像で
 体験してもらおうという
 意味合いもあったんですが、
 なにかアクションを起こすには
 やはりいろんな情報を
 もう少ししっかり伝えていきたい。
 そこでもう1度
 インタビューをし直して、
 僕らと魚の関わり方を
 考えていくための
 話し合いが出来るように作りました。」

ー最後にリスナーへメッセージをお願いします。

『釣り人の方、そうでない方も
 好きな魚や人以外の動物、
 いろんな動物と
 関わっていると思うんです。
 その関わり合いがあるからこそ、
 守れたり、考えられたり、
 関心を寄せられたりする。
 人以外の動物と関われる
 きっかけやチャンスは
 自然にはたくさんあるので、
 この映画、この本で
 一緒に考えていけたらなと思います。


神奈川県での上映も
調整が進んでいるそうです。
これからの情報は
『ミルクの中のイワナ』のXをチェックしてください!
https://twitter.com/trout_inthemilk

坂本監督ありがとうございました!
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