博士じゃ。
今週は、「アユのトントン釣り」のウンチクじゃ。
心して聞くのじゃ。
日本には全国各地に
ローカルな魚の釣り方があるが、
「アユのトントン釣り」は、
その中でも
かなりマニアックな部類に入る釣り方かもしれん。
なにせ、和歌山県を流れる古座川の観光名所、
「滝の拝」だけで通用する伝統漁法で、
しかも、現地の漁協の組合員だけに
許された釣り方なんじゃ。
滝の拝は、岩を削るように川が流れていて、
落差8メートルある滝の周辺に、
川をさかのぼるアユが集まるポイントなんじゃ。
アユはたくさんいるのに、
友釣りやエサ釣りをするには向いていない地形。
そんな場所でもなんとかアユを釣りたい。
そんな釣り人の執念で生まれた釣り方が、
アユのトントン釣りじゃ。
釣り方は、簡単に言えば、
いわゆる引っかけ釣りじゃ。
仕掛けはとてもシンプルじゃ。
釣り糸に、かけ針を2、3本つけて、
一番下にオモリつけるだけ。
この仕掛けを水中で上下させて、
アユをひっかけるんじゃ。
その時に、オモリを水底で
トントンさせるから「トントン釣り」なんじゃな。
釣り座から水面までは、
8メートルもあって、外洋の磯でもあまりない高さじゃ。
とても危ないので、
残念ながら一般の釣り人が楽しめる釣りではないが、
今年も6月16日に解禁されたので、
観光で行ったら見かけるかもしれんのぉ。