
博士じゃ。
今週は、「テグス」のウンチクじゃ。
心して聞くのじゃ。
釣り糸のことを、テグスということがあるが、
なぜテグスというか知っておるかのぉ?
テグスというのは、
中国に生息する
テグスサンという蛾の幼虫から作った絹糸のことじゃ。
半透明なので、魚に警戒心を抱かせにくく、
ナイロン製の釣り糸が開発されるよりも前、
江戸時代から釣り糸として使われていたんじゃ。
テグスはもともと中国では
釣り糸としては使われておらず、
日本に輸出する
薬の梱包に使われていたんじゃが、
これを釣り糸にしたらいいんじゃないかと
目をつけたのが、徳島の漁師さんだったんじゃ。
こうしてテグスが釣りに使われるようになったことで、
魚が釣りやすくなって、
江戸時代に釣りが趣味として発達する
一翼を担ったと言われておるんじゃ。
今こうして釣りが楽しめているのは、
テグスを始め、
いろいろな技術の進歩のおかげでもあるんじゃな。