
博士じゃ。
今週は「イカナゴ」のウンチクじゃ。
瀬戸内の郷土料理「イカナゴのくぎ煮」でお馴染みのイカナゴ。
関東では、小女子(こうなご)と呼ばれておる魚じゃ。
小さな新子を、ちりめん、釜揚げ、佃煮などにしたものが
スーパーにも並んでいてお馴染みじゃな。
スーパーなどでは小さな新子しか見かけないが、
実は成長すると、25センチほどになる。
体は細長くて、成魚はカマスに似ておるんじゃ。
沖縄をのぞく日本各地にいる魚じゃが、
特に多いのは、瀬戸内海や大阪湾。
瀬戸内では、
孵化した稚魚が2cm前後に成長する3月頃に、
イカナゴのシンコ漁が解禁されて、
春の風物詩となっておるのじゃ。
ちなみに、イカナゴは、低水温を好む魚で、
水温15℃以上になる初夏から晩秋までは、
砂の中に潜って眠ってしまうのじゃ。
冬眠はよく聞くが、夏の間に眠るから「夏眠」じゃな。
イカナゴを釣るという話はほとんど聞かないが、
瀬戸内海や大阪湾では、
マダイ、スズキ、ゴマサバ、メバルなどの魚のエサになっておる。
6~7センチに成長したイカナゴを活餌にして、
メバルを狙う「イカナゴメバル」という釣りもあるんじゃ。
生きたイカナゴをエサにしてメバルを狙うと、
数だけでなく大型が釣れるそうじゃぞ。
しかも、イカナゴをエサにしている魚は、
脂が乗って、とても美味しいそうじゃ。
そんなイカナゴじゃが、
夏眠できる砂地が減ったりして、
漁獲量もどんどん落ちてきておる。
人間も魚も大好きなイカナゴ、
その生活環境をしっかり守っていきたいものじゃ