
博士じゃ。
わしが、うんちくを語る大人気のコーナーじゃ。
心して読むように。
3月は渓流解禁ということで、渓流魚を特集してきたが、
最後は幻の魚イトウのウンチクじゃ。
イトウはサケ科イトウ属に属する、日本最大の淡水魚じゃ。
成魚では体長1メートルを超え、
記録に残っている中で一番大きなものでは
昭和12年に十勝川下流で体長2.1メートルのイトウが捕獲されたんじゃ。
イトウは川の上流で生まれて、成長するほど下流に移っていき、
中には海に下るものもおる。
イトウの産卵期は4月から5月ころ。
もうそろそろ河川の上流部に向けて一斉に遡上を開始する時期じゃな。
イトウは他のサケ科魚類に比べて、
体長の割に体高が低く、スリムに見えるんじゃが、
実はとても悪食で、魚の他に、水面に落ちたネズミやヘビも食べてしまうそうじゃ。
イトウは漢字で魚偏に鬼と書くんじゃが、
こういった食性や、精悍な顔つきが由来かもしれんな。
かつては北海道全域の42水系、青森県の2水系、岩手県の1水系で
生息が確認されていたんじゃが、
湿原の減少など生息環境の悪化が原因で、
現在は安定的に生息しているのは北海道のわずか6水系だけ。
環境省のレッドリストで絶滅危惧種にも指定されて、
本当に幻の魚になってきてしまっておる。
釣り方は、ルアーならミノーやスプーン、フライならストリーマーなど、
餌釣りなら生きたドジョウで狙うのじゃ。
イトウは成長がとても遅く、絶滅も危惧されているため、
キャッチ&リリースが基本。
釣れたら優しくリリースするのじゃ。