The Burn - Fm yokohama 84.7

竹内洋岳さんにインタビュー後編

ディレクターの辰巳です。

10/17&24のGood To Goでは2週連続で
プロ登山家:竹内洋岳さんとのインタビューをお届けしました。

Dsc_0366
(ヒマラヤ8000m峰について伺った前編はこちら

後編はプロ登山家のプライベートについて。
かなりユニークな1面(それ以上?)が垣間見れました。

<竹内さんは釣りが好き>
最近は山より釣りに行っている方が多いくらいです。
ブラックバスか渓流など淡水がメインですね。
海はあまり行きません。

海で釣れる魚は美味しい魚っていうイメージが強くて。
そうすると、釣った魚を食べなきゃいけない。
持って帰って捌いて料理するのがすごく面倒くさそうだなと(笑)
淡水魚も美味しいですけどね。

<釣り方は、ルアーかフライ>
エサが嫌いなんです。
ヌルヌルしてるのを触りたくない(笑)
練り餌もダメです。こねるのが嫌。
ヘラブナ釣りとか戦術的で面白そうなんですけどね。

ブラックバスはトップが多いです。
ボトムは苦手ですぐ眠くなります。
トップは釣れませんが、釣れなくてもいいのかなと。
釣れちゃうと、魚触ったりするのが面倒ですし(笑)

<魚を触りたくないのに釣りをする理由>
「釣れるかな?どうかな?釣るためにどうしたらいいんだろう?」
と試行錯誤するのが楽しい。
実際釣れたら嬉しいですが、入れ食いじゃなくてもいいんです。

山は人間と自然ですが、釣りは人間と自然と魚なので
余計難しいですね。
魚のことはよくわかりません(笑)

<今まで釣った思い出の魚>
釣れてよかったと思ったのは「サハール」という魚です。
ネパールやインドの水系にしかいない魚で、
全身が金色のウロコに覆われています。
古生代〜中生代の魚の特徴が残っていて、
大きくなると1m20〜30cmくらいになります。
地元の人たちの漁でもめったに釣れない幻の魚です。
ネパール語ではどの魚も「マチャ」と呼ばれるのに対し、
サハールだけサハールという名前がつけられています。
神の魚とも言われていて、それだけ特別な魚なんですね。
(ちなみに食べても美味しいのでなおさら重宝されています)

このサハールを求めて4回くらいネパールにいきました。
ルアーで釣る人はほとんどいないとのことだったので
僕はぜひルアーで釣りたいとルアーで狙っていたんですが、
ネパールの人はルアーなんて知らないから
「エサがついてないじゃないか!」と
バケツいっぱいのミミズをくれました(笑)

やはりなかなか釣れなかったんですが
最終的に3匹も釣れました。
(一番大きいサイズで67cm)

Img_4516
ルアーを食った時のファーストランがすごいひきでした。
コイ科の魚で持久力もあって、なかなか上がってきませんでした。
上げるのに腕がパンプするくらいでした。

サイズは80cm届かないくらいだったので
今度はメーター超えを狙いたいですね。

<ネパールの山以外の魅力>
ネパールの一番標高が高いところはエベレストの頂上(8848m)ですが、
一番標高の低いところは80mしかありません。
そこにはゾウや一角サイ、ワニやトラがいたりします。
日本では山のイメージが強いと思いますが、実は多様性のある国なんです。
カヌーやラフティングもさかんで、
マウンテンバイクのW杯が行われたりもしているので、
アウトドア好きにはたまらない国ともいえますね。

<自分の子供がプロ登山家になりたいと行ったら?>
私自身、自分でなりたいと思って登山家になったので、
本人たちがなりたければ目指せばいい。
まぁそう簡単にはなれませんけどね。
なりたいからなれるものでもないですし。

なれるものならぜひなって見せて欲しいと思います。
登山家でプロとして生きる人が出てくることは嬉しいですし、
それが自分の知っている人がなおさらです。

<次に目指す山は?>
去年マナンフランという人類未踏の山に挑戦しましたが
残念ながら登り切れませんでした。
ただ、未踏峰はいつまでも未踏峰とも限りません。
私がマナンフランをいつか初登頂するかはわかりませんが、
意外なことに地球上には未踏峰がいっぱい残されています。
人類が宇宙にまで行く時代に、まだ人が到達していない山があるんです。
人がまだ行っていない頂上に行ってみたい、
人がまだ観てない景色を見てみたい。
もちろん、私が登っていない山は、私にとっての未踏峰でもあります。
これからも自分が行ったことのない山に登り続けたいと思います。

top