
博士じゃ。
わしが、うんちくを語る大人気のコーナーじゃ。
心して読むように。
今月は、釣りが大ブームとなっていた江戸時代の釣り事情をアレコレ紹介していくぞ。
今回は、江戸時代から使われていたルアー「エギ」のウンチクじゃ。
江戸時代の釣りは、エサ釣りがメインだったんじゃが、
イカを釣るためのルアーの一種「エギ」は江戸時代から使われていたんじゃ。
一説によれば、エギが誕生したのは、
今から300年ほど前の薩摩地方、現在の鹿児島県、
または、もっと南の島が発祥の地だという説もある。
船のかがり火として使っていた松明(たいまつ)の燃え殻が海に落ちて、
それにイカが抱きついていたことから考え出されたという話じゃ。
もともとは漁師さんが使う道具で、
漁船をゆっくり走らせながら、
船尾から数本糸を出してエギを引いて釣っていたようじゃな。
エギは漢字で餌の木と書くんじゃが、
その名前の通り、江戸時代のエギは、木でできていたんじゃ。
主にクスノキが使われたんじゃが、
水を吸うと赤くなる性質の桐でも作られていたようじゃな。
形は当時のエギも今とほとんど変わらないんじゃが、
今のように、布巻きや塗りで美しく加工されたものではなくて、
削りだした木のボディを火であぶって、耐久性を増して、
それに磨きをかけて美しい木目を出したり、模様を付けたりしていたんじゃ。
オモリの代わりに六文銭を使って、その枚数で重さを調節していたのが、
いかにも江戸時代じゃな。
餌をまくための糸がついているものもあって、
当時は、魚の切り身が付けていたようじゃ。
ちなみに、江戸時代、薩摩藩ではエギング大会まで行われていて、
あの西郷隆盛もエギ作りの名人だったそうじゃぞ。