
ディレクターの辰巳です。
日本ダッチオーブンライフ振興会理事長
中山千賀子先生のダッチオーブンレシピ。
今月のレシピは「牛タンの燻製」です。
初めて薫製に挑戦する人でも、
ダッチオーブンがあればとても簡単に薫製が楽しめます。
薫製は素材の大きさや煙と熱の伝わり方によって仕上がりが違ってきます。
ダッチオーブンを使って作る薫製は熱が全体に伝わる熱薫法です。
ダッチオーブン(スモーカー)内の温度が80~100℃まで達しています。
牛タンはくせが少なく、肉質が柔らかくてしっとりとしています。
手間をかければかける程、しみ出してくる深いコクが持ち味。
下処理も簡単で、扱い易い食材です。
肉の芯まで十分に味を入れて火をしっかり通すのがポイントです。
それでは作り方です。
【食材】
牛タン(約1kg)を1本用意します。
ソミュール液(塩漬け)の材料として、
水1.2L、粗塩140~150g、三温糖大さじ3、コショウ小さじ1、
ニンニク、生姜、ローリエ、
スパイス類(クローブ、ローズマリー、タイム等)を用意します。
【下拵え】
生で皮付きの牛タンは茹でて皮をむきます。
冷凍の牛タンは皮をむいてあるので、解凍してよく洗います。
フォークでプツプツ刺して味をしみ込み易くします。
ソミュール液の材料は鍋に入れて沸騰させてから、完全に冷まします。
【作り方】
初めにソミュール液の中に牛タンを入れて、冷蔵庫で4日間漬け込みます。
ソミュール液から牛タンが出ない様にして、
途中でタンをひっくり返しながら均一に塩漬けにします。
次にダッチオーブンに熱湯を沸かして、
4日間塩漬けにした牛タンを入れ、フタをして弱火で約2時間ボイルします。
(ボイルする時に玉ねぎ、セロリ等の香味野菜を入れると牛タンの臭みが消えます)
通常の薫製の作り方としては、
塩漬けにした食材を流水で塩抜きしますが、
今回は塩漬けにした牛タンをボイルすることによって、
塩抜きが出来るのと同時にダッチオーブンの圧力機能で、
牛タンの芯までしっかりと火を通して柔らかくすることが出来ます。
ボイルして柔らかくなった牛タンを取り出して冷まします。
次に牛タンを乾燥させます。
通常は直射日光が当たらない風通しの良いところで乾燥させますが、
薫製用脱水シートに牛タンを包んで冷蔵庫で乾燥させると、
手軽に、約2時間という短時間でで食材を乾燥出来ます。
最後にいよいよ燻します。
ダッチオーブンにコゲ付き防止のアルミホイルをひいて、
スモークチップをひいて強火にかけます。
チップが燃えて煙が出てきたらスノコを載せてその上に牛タンを載せます。
フタをして中弱火~弱火にして30~40分スモークします。
お好みの色になれば出来上がりです。
【スモークする時のポイント】
密封性の良いダッチオーブンは、ピッタリとフタをすると、
酸素不足でチップの火が消えてしまうことがありますので
ほんの少しだけフタをずらしてスモークするのがコツです。
綺麗な色に仕上がった牛タンは、スモークの良い香りです。
タンの根元(タン元)は、脂がのって柔らかく、
タン先はコリコリとしてとても美味しいです。
ピクルスやマスタードでサンドイッチにしたり、
タンをスキレットで焼いても、
スモークと肉汁がブレンドしてまろやかな味わいになります。
今回の薫製は煙をかける時間が短いので日持ちはしませんが、
冷蔵庫に入れて1週間位は十分に楽しめます。
キャンプに出かける時には、
予め保存袋に牛タンを漬け込んで持って行くと便利です。
是非、挑戦して下さいね。