
ディレクターの辰巳です。
日本ダッチオーブンライフ振興会理事長
中山千賀子先生のダッチオーブンレシピ。
今月のレシピは「トリップの煮込みノルマンディー風」です。
牛のトリップ(胃)は4種類あります。
(ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ)
その中でも一番よく使われるのが、
第二の胃と言われるハチノスです。
ハチノスは、くせがなく、淡白な味わいで、
しこしことした歯ごたえと弾力があり、
じっくり煮込んで旨味を含ませる調理法がおすすめです。
最近では鮮度の良い内臓が手に入り易くなりましたので、
上手に使いこなせば料理のバリエーションが広がります。
ノルマンディ風煮込みは、本来素朴な家庭料理ですが、
有名で瓶詰めの製品も販売されています。
今回の煮込みに欠かせないシードル(発泡酒)や
カルヴァドス(シードルをさらに蒸留したブランデー)は
ノルマンディ地方の特産です。
それでは作り方です。
【食材】
牛もつは、ハチノスや大腸、小腸などを合わせて800~1kg用意します。
今回は(お好みで)さっと焼き肉にして頂ける、
しまちょう(大腸)や丸腸(小腸)を加えます。
脂に甘みがあって美味しいです。
シードルは、中辛口~辛口のものを1L分、
カルヴァドス(お好みで)を少し用意します。
野菜は玉葱、人参、ニンニクのスライス、
香味野菜はパセリ、ローリエ、クローブ、タイム。
フォンドボーは500~600cc、調味料はバター、塩,胡椒を使います。
【下拵え】
ハチノスは、ひだの間のゴミや汚れを取り除いてきれいにしてから、2cm角に切ります。
脂肪は煮ている間に自然に溶けていくので、除かなくてよいです。
さらに塩を入れた熱湯で 10分位茹でこぼしてアクを取って水洗いします。
この作業を2回繰り返します。しまちょうや丸腸は適当な大きさに切って洗っておきます。
【作り方です】
熱くしたダッチオーブンにバターを溶かして玉葱、ニンニク、人参を入れて炒めます。
野菜がしんなりしたらハチノスを加えて炒めます。
ここにシードルを入れて強火で煮立たせます。アクがでたら取り除いて、
香味野菜(パセリ、ローリエ、クローブ、タイム)を加えてフタをして、
弱火で1時間煮込みます。
次にフォンドボーを加えて、フタをしてさらに40分位煮込んでから、
しまちょうと丸腸を加えます、15~20分煮込んで仕上げます。
最後に塩胡椒で味を整えて出来上がりです。シードルの香りが足りない場合は
さらにカルヴァドスを加えます。
トリップに、スキレットで蒸したじゃがいもを添えれば、軽いお食事にもなります。
ハチノスのさっくりした歯ごたえとリンゴの香りがとても良く合います。
最後に入れた、しまちょうと丸腸の脂もコクがあって実に美味しいです。
煮込みと同じシードルを冷やして一緒に薦めれば、おもてなしになります。
是非一度作ってみて下さいね。