
ディレクターの辰巳です。
日本ダッチオーブンライフ振興会理事長
中山千賀子先生のダッチオーブンレシピ。
今月のレシピは「コック・オ・ヴァン(鶏肉のワイン煮込み)」です。
フランスのブルゴーニュ地方の名物料理で、
農家で育てられた雄鶏をつぶして、地酒で煮込んだのが始まりです。
白ワインの名産地アルザスでは、白ワインで煮込む方法もあります。
鍋のフタをきっちり閉めて、
煮汁と蒸気でじっくりと煮込む蒸し煮は、
ダッチオーブンの一番得意な調理法です。
昔の蒸し煮用の銅鍋には、フタにくぼみがあって、
その上に火床をのせて、
上からも下からも同時に加熱できる様になっていました。
まさにダッチオーブンによく似ていますね。
それでは作り方です。
【食材】
本来は老いて身が固くなった雄鶏を使いますが、
今回は手軽に1kg~1,5kgの若鶏を使います。
丸鶏でない場合は、骨付き鶏もも肉(3~4本)で代用します。
ベーコンは200gの塊を角切りにします。
野菜はマリネ用の香味野菜(玉葱、人参、セロリ、ニンニク)と、
ブーケガルニとして(タイム、ローリエ、ポアロ)、
付け合わせとして小玉葱とマッシュルームを用意します。
赤ワインは1本分、上等なワインを使うのは最高の贅沢ですが、
煮込むワインにこだわる必要はありません。
ダッチオーブンで作れば手頃なワインでも十分に美味しく出来ます。
【下拵え】
煮込む前の日に鶏肉をつけて、一晩マリネします。
バットなどに鶏肉を並べます。
その上にカットしたマリネ用の香味野菜と
ブーケガルニ、粒こしょうを全部のせます。
この上から赤ワイン1本分を注ぎます。
今回は、よりマイルドな味にする為、ルビーポルトも少し加えます。
【作り方】
マリネしておいた鶏肉と野菜と漬け汁を別々に分けます。
熱くしたダッチオーブンにオリーブ油を入れて始めにベーコンを焼きます。
色よく焼けたら一度取り出します。
次に鶏肉の皮目から入れてしっかりと焼き色をつけて取り出します。
余分な脂をふいてからバターを溶かしてマリネ用の野菜をしっかり炒めます。
ここに鶏肉とベーコンを戻して、小麦粉を少し振り入れます。
次にトマトの水煮とマリネ液を加えてアルコール分をとばします。
さらにフォンドボーを加えて沸騰させてから、アクを取り除いて、
さらにフタをして弱火で1時間煮込みます。
鶏肉が柔らかくなったらベーコンと共に一度取り出します。
そして煮汁は漉して煮詰めます。
煮汁に照りととろみがつくまで煮詰まったら、
バターをひとかけら溶かしてソースの味を整えます。
最後に鶏肉とベーコンを戻して、
さっと炒めた小玉葱とマッシュルームを入れて出来上がりです。
手間をかけて作ったソースは、鶏肉の旨味、
ワインやベーコンの風味をたっぷり含んだコクのある味わいです。
スキレットでカリカリに焼いたバゲットに、
ソースをたっぷりとつけて頂きます。
これが作れればあなたもシェフになれますよ。