
今日は、横浜市戸塚区にあるぬのかわ犬猫病院
総看護師長の三橋有紗さんにワンちゃんに関するお悩み・ご相談にアドバイスをいただきました。
<今日のメッセージ>
ラジオネーム: リュウケン さん
我が家の18歳のミニチュアダックスの食欲についてです。
高齢のため腎臓が少しずつ悪くなり始めています。
2年前から甲状腺疾患と胆泥症の薬を飲んでいます。
その頃から病院食のご飯を食べ始め、あまり好まないようですが、どうにか食べていました。
ところが最近、腎臓食用を混ぜた途端食べたがらず、
ふりかけを少しかけてあげて、ようやく少し食べる状態です。
もう高齢です。飼い主さんにご飯は任せると主治医の先生に言われてしまい、悩んでいます。
たとえ寿命に影響が出ても、美味しいご飯を今のうちにあげたほうがいいのか、
長く生きるために美味しくないご飯をあげ続けたほうがいいのか、今とても悩んでいます。
本人は寝ていることは多いのですが、とても元気です。よろしくお願いします。
<三橋さんのアドバイス>
・腎臓病に配慮した療法食=腎臓食の特徴は、
リンが制限され良質な消化性の高いタンパク質を使用することで、
タンパク質の総量を減らしても必要なエネルギーを摂取できるようになっています。
・また、一般的には腎数値の上昇とともに食欲も低下するため、
各メーカー嗜好性の工夫を行っていますが、タンパク質・リンの制限により、
旨味がどうしても下がり、他の療法食に比べても嗜好性が劣る傾向があります。
・しかし、食べてくれる場合にはその効果は非常に高いものといえます。
・ワンちゃんの嗜好性は、「匂い」「味」「質感」の3点が重要です。
シニアさんは嗅覚が落ちてくるとともに匂いを感じづらくなるため、
食欲が低下することもあります。
・また、足元が滑る、食器の位置が低いなど食事の環境の問題で食欲が低下することもあり
ますが、今回のように明らかに特定の食事に対して食べつきが悪くなるようであれば、
嗅覚や環境よりも食事自体の影響が大きいと考えられます。
・食べたがらない療法食を続けるべきか、おいしいご飯に切り替えるべきか、
という悩みですが、まずはは療法食でトライできる嗜好性を上げる方法をご紹介します。
先ほどお伝えした通り、ワンちゃんの嗜好性に重要なのは「匂い」「味」「質感」です。
まず、「匂い」対策として、シニアさんは鼻が詰まりやすくなります。
鼻腔を常に清潔に保ってください。
そして、ドライフード・ウェットフード問わず、体温38度程度に温めます。
温めることで匂いが強くなるため、同じ食事でも食べてくれるようになることも多いです。
次に「味」の対策としては、違うメーカーのものを試してみましょう。
同じ腎臓食でもメーカーによって使っている主成分や旨味を出すための方法が異なるため、
味が大きく異なってきます。またワンちゃんの味の好みも変わることがあるため、
改めて今の好みを探ってみるのもオススメです。
最後に「質感」対策としては、ドライ・缶詰・パウチなど、違う種類に変えてみる方法や
ドライフードをミキサーにかけて粉状にし、水を加えてお好みの硬さや形に成形する方法
もお勧めです。この時に水ではなくお湯を使うことで匂いも引き立ちます。
・こういったチャレンジをしてみてもやはり食べてくれないようであれば、
食べるものを食べてもらって、必要な薬や腎臓のサプリメントなどをきちんと摂れるように
切り替えて行ってはどうでしょうか。
確かに腎臓に負担のかかる食事は、療法食と比べれば寿命に影響が出てくると
考えられますが、必要な食事量を摂れず栄養が不足してしまうことも寿命には影響します。
仮に療法食を諦めたとしても、食べてもらうことも体にはとても大切なこと、
という気持ちに切り替えて、食事の度に飼い主さんが暗い顔しないようにしましょう。
せっかくの楽しみな食事の度に飼い主さんが悲しそうな・心配そうな顔してばかりでは
ワンちゃんも食事が憂鬱になってしまいます。
一つ一つポジティブな気持ちでトライしてみてください
<三橋さんのリクエスト曲>
サマータイム! / MINMI
<ぬのかわ犬猫病院 ホームページ>
http://www.nk-inuneko.com/
ハマポチでは、あなたからのお悩み相談メッセージをお待ちしております!
これまでには、、、
ワンちゃんも乗り物酔いをするんですか?
初めてワンちゃんを飼うのですが、気をつけるべきことは?
というような質問・お悩みも頂いています。
日頃のふとした疑問、相談など、なんでもOKですよ!
お名前・性別・年齢、エピソード、
そして、ぜひワンちゃんの写真と一緒にメールで送って下さい!
メールはr847@fmyokohama.jpまで!