
今日は横浜市戸塚区にあるぬのかわ犬猫病院院長
布川康司先生にワンちゃんに関するお悩み・ご相談にアドバイスをいただきました。
<今日のメッセージ>
ラジオネームはないのですが、、、
4歳の柴犬の男の子を飼っています。
先日、硬いオヤツを食べて歯が折れて、出血してしまいました。
折れた歯は、上の第四臼歯です。
2日後に動物病院で診てもらい、3日後に全身麻酔にてレジンを被せて貰いました。
レントゲン検査で、歯の根本までは割れてはいなかったものの、
菌の感染の恐れがあるかも知れないと言う事で、
その場合、抜歯をする事も選択の一つであるという話も聞きました。
今後はレントゲン検査で経過観察をしていく事になった矢先、
10日後位にオヤツでレジンが取れてしまいました。
再受診したところ、レジンの下処理をした層でカバーされていたので、
神経があらわにはなっていませんでした。
根管充填の話しなども聞きましたが、
とりあえず1ヶ月半後にレントゲン検査で様子を診て、
大丈夫そうなら再びレジンを被せて貰うつもりです。
しかし、レントゲンを何度も撮って経過観察をするワンちゃんへの負担や、
その後、化膿することもあるかも知れないと考えると不安になります。
最初から根管充填をした方が良いのか、
レントゲン検査で少しでも怪しい状態になってからでも良いのか、
アドバイスをお願い出来ないでしょうか?
<布川先生のアドバイス>
・最近よくある事例です。緊急事態宣言発令で、人もワンちゃんもストレスが多くなり、
発散する場として、室内遊びが増えてきたことも要因の1つだと考えられます。
・今回折れた歯は上顎の第四臼歯。
ワンちゃんは鋭い歯を持ち、その役割から名称が異なります。
前歯は「切歯」といい、獲物を捕らえたり、噛んだりします。
「犬歯」は、獲物を捕らえたり、引き裂いたり、把持します。
「前臼歯」は、柔らかい組織や骨の切断やすりつぶしを行うところで、
特にこの「第四前臼歯」と下顎の「第一臼歯」は、
「裂肉歯」といい、肉片を飲み込めるように切断する役割を果たすので、
1番力が加わりやすく、破折を起こしやすい部位です。
・この破折に対する治療は、「抜髄根管充填」、または「抜歯」が施されます。
「抜髄根管充填」とは、破折して炎症を起こした痛みの原因である歯髄炎を治療する為に、
歯の神経である歯髄を抜き、ファイルという器具で根管を掃除します。
そして、根管内の炎症物質や細菌を洗浄・殺菌します。
そして、再感染を起こさないように、隙間なくセメント用物質を充填します。
根管治療が終わったら、削った歯間部をコンポジットレジンで被せて修復します。
これが抜髄根管充填治療です。
・「抜歯」は、歯を抜くことです。
・第四臼歯は、三根歯といい、歯根が3本あります。神経の温存は難しい部位です。
・ワンちゃんの性格で、本能的に噛んで遊ぶことが好きであると、
繰り返し破折をする可能性があります。
・定期検診が可能で、主治医の指示に従うことが可能であれば、
レントゲンを含めた根管充填治療は最良と考えますが、
ワンちゃんの生活の質や飼い主さんの負担等を考えると、
抜歯は今回の様子からは最善かもしれませんので、
主治医の先生ともう一度心配事の全てをご相談してみてください。
<布川先生のセレクト>
誰かの願いが叶うころ / 宇多田ヒカル
<ぬのかわ犬猫病院 ホームページ>http://www.nk-inuneko.com/
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