
今週は「かわさきプラスチック循環プロジェクト」に注目してきました!
最終日は、川崎市の臨海部にある「Jサーキュラーシステム」の工場にお邪魔して、川崎の最先端の取り組みについてご紹介しました。
お話を伺ったのは、 「川崎市」環境局生活環境部廃棄物政策担当 担当課長 石坂勇二さんと、「株式会社Jサーキュラーシステム」代表取締役社長 中村佐三さんです!
川崎市では、プラスチックをリサイクルできる事業者が5社、立地しています。その5社でリサイクルできる量は、川崎市が1年間に排出するペットボトルの約7倍、プラスチック資源は約14倍のプラスチックをリサイクルすることができ、これは国内のリサイクル量の約10%以上に相当します!!
プラスチックのリサイクル方法は、大きく2つ。例えば、ペットボトルからペットボトルへのようにリサイクルする「マテリアルリサイクル」と、一度プラスチック資源を化学的に分解し、再利用する「ケミカルリサイクル」です。実は、その両方の手法が市内に立地していることも、川崎市の特徴です。
そして、国内最大級となる200t/日の使用済みプラスチック(一般廃棄物及び産業廃棄物)を処理する能力を備え、選別から再商品化まで一貫した処理ができる首都圏最大級の施設「 Jサーキュラーシステム」が、今年の4月から稼働開始!これによって、今まで選別が困難なことから焼却処理となっていた使用済みプラスチックの再資源化が可能となり、100%プラスチックリサイクル都市の実現に向けての大きな一歩が踏み出されたということになります。
川崎市では、お菓子の袋やお弁当の容器などの「プラスチック製容器包装」とボールペンや歯ブラシなどの「製品プラスチック」を同じ袋で回収する分別ルールの変更を2024年4月から川崎区、今年2025年4月からは幸区・中原区でも開始し、来年度2026年度には、川崎市全域に拡大する予定です。
現在、川崎市が分別回収したプラスチック資源の一部を「Jサーキュラーシステム」が袋のまま受け入れ、高度選別から再資源化し、その後、隣接するリサイクル事業者でリサイクルしています。
今回お邪魔した「Jサーキュラーシステム」の工場は、使用済みプラスチックのリサイクル事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを使命に、JFEスチールの東日本製鉄所京浜地区内に、国内最大級の使用済みプラスチックリサイクル施設が完成しました!
昨年2024年10月に先行稼働したケミカルリサイクル原料製造ラインに続き、2025年4月に高度選別ラインを含む全ラインが完成し稼働をスタート。国内最大級となる1日約200トンのも一般廃棄物、及び産業廃棄物の使用済みプラスチックを処理する能力があります。また、選別から再生品化まで一貫した処理ができるのが特徴で、自治体や事業者が回収した選別されてない使用済みプラスチックをそのまま受け入れることができ、これまで選別が困難で焼却処理に回っていた使用済みプラスチックの再生が行われています。
回収されたプラスチックは特性に応じてマテリアルリサイクル、またはケミカルリサイクルされ、近隣の事業者と連携して、資源循環の高度化が図られています。
Jサーキュラーシステムの強みは2つ!
まず1つ目は立地。
川崎臨海部にある「JFEスチール」の広大な敷地の中で場所を借り、もともとあった建物を再利用することで、新しい工場を完成させるまでの時間を短縮し工場を完成し稼働させることができました。
2つ目は、川崎市の意向もあり、川崎市で回収したプラスチック資源の再生品化・リサイクルを行える施設が隣接していること。広大な「JFEスチール」の敷地内には、ケミカルリサイクルをして、プラスチックを分解・ガス回収し、水素やアンモニアを作って、それを燃料に変える「レゾナックス」があり、また、プラスチックの原料を作ってまた再生品に戻すマテリアルリサイクルを行う「JFEプラリソース」があり、川崎地区内の大手リサイクル事業者と連携をすることで、無駄なく効率的な、さらに経済的にも合理的なリサイクルが実現できているという点。
つまり、都市部でありながら、回収場所からほど近い川崎臨海部にある工場でプラスチック資源を再資源化できるため、遠い工場へもっていく必要がなく、運搬で排出する二酸化炭素をも削減することもできるという、川崎市だからこそできるシステムが実現できているんです!
見学させていただいた工場では、回収された袋からそれぞれの素材別に分けられ、様々な工程を経てリサイクルできる形まで一気に行われていました。
4月から稼働を始めて、5月末日までに回収したプラスチック資源は全てリサイクルされ、廃棄されるものがないというのも驚きでした。また、回収されたプラスチック資源の中には、金属やリサイクルできないものが入っていることもあり、数人のスタッフが目視で取り除いているというお話も伺いました。
また、プラスチックは燃えやすいため、工場内の温度管理がなされており、もしも温度上昇や発火を感知した際には、工場全体が消火されるよう安全対策もしっかりされていました。
国内最大級の使用済みプラスチックリサイクル施設によって、よりサステナブルな社会の実現へ大きく動き出した川崎市。そのカギを握るのは、私たちです。プラスチック資源の分別を徹底することで、回収された先の工場での作業がスムーズになり、よりリサイクル率が上がることで廃棄物回収にかかる税金を押さえることができ、私たちの暮らしへと繋がっていきます。
そのためにも、発火の恐れがある「リチウム電池」やリサイクルできない「食品用ラップ」などは、プラスチック資源回収袋には入れないようご協力の程よろしくお願いします。
この4月から稼働した「Jサーキュラーシステム」では、川崎市内はもろちん、近隣の大田区、藤沢市などの自治体、さらに企業からの産業廃棄物を受け入れていますが、それでも高度選別ラインは約4割、さらにケミカルリサイクル原料製造ラインは、当初の計画能力の約6~7割の稼働となっています。今後は24時間稼働を目指し、年間6万トンの処理を早期達成したいとのことでした。
「100%プラリサイクル都市」を目指して熱く盛り上がった今回の対談。その全貌は下記の音声配信から!
かわさきプラスチック循環プロジェクト
川崎市 プラスチック資源一括回収について
株式会社Jサーキュラーシステム
☆「あなたのサステナブルなこと」も番組に教えてください!