今週は、100年先もつづく 農業の普及に尽力されている「坂ノ途中」に注目!今夜もスタジオには、京都から「株式会社 坂ノ途中」代表取締役 小野邦彦さんをお迎えしました!

京都市が選ぶ「これからの1000年を紡ぐ企業認定」第1回認定企業にも選ばれている小野さんの会社「坂ノ途中」。「100年先もつづく、農業を。」をビジョンに、2009年から、環境負荷の小さな農業に挑戦する新規就農者や若手農家と提携して、農薬・化学肥料不使用で栽培された農産物の販売を行っていらっしゃいます。

今夜は、「坂ノ途中」の人気商品でもあります、「海の向こうコーヒー」について。

皆さんは、コーヒーにはどんなイメージをお持ちでしょうか?
南国の太陽がサンサンと降り注ぐコーヒー畑・・そんなイメージの方も多いと思いますが、実は、コーヒーは、直射日光があんま得意じゃない植物なんだそうです。大規模なコーヒー畑は、ほとんどが標高の高いエリアで森林を切り開いて栽培されてるため、環境への負担としても大きい農産物の一つ。そこで「坂ノ途中」では、木陰でコーヒー育てていくことで、森を保全しながら高品質な農産物として流通させるという支援を行っています。しかし、森を保全しながらコーヒーの木を育てるとなると、機械が入れないため、収穫も手摘みになります。手で摘むからこそ、赤い完熟したコーヒーの実・コーヒーチェリーだけ選べるようになるため、透明度の高い、クリーンな、雑味のないコーヒーを作ることができるようになるんだそうです。また、手摘みですることで、力仕事じゃないため、地域の高齢者や女性の雇用へともつながります。収穫れさた完熟したコーヒーチェリーは現地の生産出荷組合に売られます。「坂ノ途中」では、その組合や加工会社と提携し、コーヒーチェリーの中から種を取り出し発酵・乾燥のプロセスに対して技術提供することで、質の高いスペシャリティコーヒーにし、その品質に見合った高い値段で買い取る仕組みづくりをされています。この事業は、ラオスからはじまり、その後ミャンマー、タイ、インドネシアにも広がってきています。

　実は、コーヒーを森で育てるという事業は、「アグロフォレストリー（森林農法）」と言われ、世界で活躍する環境団体も行っています。しかし、「坂ノ途中」の特徴として、森林保全だけで終わらず、コーヒーの品質を上げる技術提供から高額での買い取りまで、農家の現金収入を確保するという持続可能なモデルを構築しているところなんですね。
2009年に京都で設立された「坂ノ途中」ですが、海外編の第1弾として2012年から東アフリカのウガンダで事業がスタートしています。当時は、有機野菜を育てる事業としてゴマやトウガラシの生産輸出など環境NGO的な事をしていましたが、その活動自体では経済的に成り立たないというもどかしさもあり、現地のスタッフの成長と共に、改めて事業の見直しをされました。環境に負担のかからない栽培をすることで、ちゃんと価格がついてくる作物とは何か。ピュアなビジネスとして成り立つものとして探し当てたのがコーヒーでした。その後、コーヒー生産について現地で勉強をされ、今の活動へと繋がっています。
実は、コーヒーは、日本で取り扱っているような野菜と違い、質の良いものであれば、価格が2倍、10倍と上がっていく数少ない農産物の一つ。そこで、「100年先もつづく　農業を」というビジョンで活動する「坂ノ途中」としては、地球環境を守りながらもビジネスとして現地の農家が暮らしていけるものとして、積極的に支援されています。

　「海の向こうコーヒー」として「坂ノ途中」で焙煎ブレンドされたものはもちろん、スペシャリティコーヒーとして生豆でも販売しており、取引先としては日本全国のカフェや販売店など4000店以上との取引があるとか！
　また、「坂ノ途中」では、コーヒー豆を生産する時にでる、発酵されて廃棄し土に戻されてしまっていた完熟したコーヒーチェリーの果肉の加工品も販売しています。

今人気のあの商品にも加工されているとのこと。コーヒーの実を丸ごと活用するサステナブルな取り組みとなっていますが、こちらのお話は放送ではご紹介できなかっただけに、ぜひ下記の音声配信をチェックしてみてください！

株式会社「坂ノ途中」
https://www.on-the-slope.com/
株式会社「坂ノ途中」Instagram
https://www.instagram.com/sakanotochu
株式会社「坂ノ途中」 X
https://x.com/saka_no_tochu

「坂ノ途中_海の向こうコーヒー」
https://www.on-the-slope.com/corporate/projects/umi/

☆「あなたのサステナブルなこと」も番組に教えてください！