PianoWinery ~響きのクラシック~ - Fm yokohama 84.7

萩谷康一さんの「初めてのラジオ フルートレッスン」

フルート歴50年以上を誇る萩谷康一さんは、ご自身のフルート人生を振り返ったとき、「レッスンや巨匠たちとの対話を通して、実に貴重で興味深い場面に立ち会うことができていたのだな」と感慨深く感じることがあるそうです。

今週は、その数々の思い出の中から、約40年前に萩谷さんが受講した、Hans-Peter SchmitzH.P.シュミッツ)来日時の公開レッスンの模様と、その後に続く興味深いエピソードをご紹介くださいました。

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🪈ハンス=ペーター・シュミッツ

 Hans-Peter Schmitz (1916-1995)

ドイツを代表するフルーティスト・音楽教育者。1943年から1950年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務めた。戦後は後進の育成にも力を注ぎ、デトモルト音楽大学などで多くの名フルーティストを育てたことで知られる。

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🪈 オーレル・ニコレ

Aurèle Nicolet(1926–2016)

スイス出身の世界的フルーティスト・音楽教育者。1950年から1959年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務め、その後はソリストとして国際的に活躍した。多くの名フルーティストを育てた20世紀フルート界の巨匠である。

伝説的なフルート奏者であるオーレル・ニコレ(Aurèle Nicolet)は、フルートにおける循環呼吸(パーマネント・ブレス)のパイオニアの一人です。フルートの音を出し続けながら、口に溜めた息を吐き出し、その間に鼻で息を吸うことで音を途切れさせないこの奏法は、当時、多くのフルート奏者の関心を集めていました。まるで魔法のような奏法です。

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ハンス=ペーター・シュミッツの公開レッスンでのある参加者の質問

Q:オーレル・ニコレが提唱した『パーマネント・ブレス』について、先生はどのようにお考えですか?

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パーマネント・ブレスへの問いに、シュミッツ氏は次のように答えています。

「音楽の流れという点では、やはり普通に息を吸ったほうが自然でしょう。さらに、循環呼吸では鼻から息を吸う際にノイズが入ってしまうという問題もあります。
しかし、ニコレにとっては、同じ作品を何百回も演奏する中での新たな試み、あるいは刺激として意味があったのかもしれません。
それに、フルート奏者にとってパーマネント・ブレスの練習は、唇の柔軟性を鍛えるうえで非常に良いトレーニングになるとも言われています。」

このように、シュミッツ氏はパーマネント・ブレスに対してやや慎重な見解を示しつつ、その有効性についても言及していました。

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シュミッツ氏が認めたニコレ

その後、シュミッツ氏がベルリン・フィルを退団する際、後任として推薦されたのがオーレル・ニコレでした。

当時のニコレはフランス的な軽やかな音色の持ち主で、「ベルリン・フィルには向かないのではないか」との声もあったそうです。しかしニコレは奏法を変え、自らの音色をベルリン・フィルにふさわしい重厚で豊かなものへと作り替えていきました。

自分の持つ音色をここまで変えることは並大抵のことではありません。ニコレは努力によってそれを実現したのです。

シュミッツ氏は、「このことだけを見ても、彼は賞賛に値する」と高く評価していたそうです。

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🪈萩谷康一さんが感じたニコレの凄さ

「演奏家は皆、それぞれに自分ならではの持ち味や個性を持ち、それを大切にしています。それは非常に価値のあることです。

だからこそ、その個性をあえて変えること、あるいは変えられること、さらには自らの努力によって変えてしまうことは並大抵のことではありません。そこには、豊かな表現力と高い適応力、そして並々ならぬ探究心があったのでしょう。

自らの可能性を広げながら新たな音を獲得したニコレの姿には、ただただ感嘆させられます。実に羨ましいことです。」

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🎼 ペーター・シュミッツとオーレル・ニコレの演奏で~

ペーター・シュミッツとオーレル・ニコレによる、同じ楽曲の演奏をお届けします。

同じ作品であっても、奏者によって音色や表現、音楽の趣は大きく変わります。ぜひ、二人の個性豊かな演奏を聴き比べながらお楽しみください。

ちなみに、このCDではニコレの循環呼吸を聴くことはできません。少し残念ではありますが、その代わりに彼ならではの美しい音楽づくりを堪能することができます

🔹1曲目:

ヘンデル

フルートと通奏低音のためのソナタ HWV 367b 

第1楽章 ラルゴ

第2楽章  ヴィヴァーチェ

フルート:ハンス=ペーター・シュミッツ

チェンバロ:ハンス・ピシュナー 

ヴィオラガンバ:ヴェルナー・ハウプト

HANDEL

Flute Sonata in B Minor, Op. 1, No. 9, HWV 367b

I.Largo

II .Vivace

Hans-Peter Schmitz, flute

Hans Pischner, cembalo

Werner Haupt ,viola da gamba

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🔹2曲目:

ヘンデル

フルートと通奏低音のためのソナタ HWV 367b 

第1楽章 ラルゴ

第2楽章  ヴィヴァーチェ

フルート:オーレル・ニコレ

チェンバロ:クリスティアーヌ・ジャコテ

チェロ:藤原真里

HANDEL

Flute Sonata in B Minor, Op. 1, No. 9, HWV 367b

I.Largo

II .Vivace

Aurèle Nicolet, flute

Christiane Jaccottet, cembalo

Mari Fujiwara, cello

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🔹 エンディングは~

フランソワ・クープラン

恋の鶯

🪈 フルート:  萩谷康一さん  Koichi Hagiya, Flute

🎹 ピアノ:     吉川由利子さん Yuriko Yoshikawa, Piano

François Couperin 

Le rossignol en amour

番組へのメッセージ、フルートのご質問などもお待ちしております!

piano@fmyokohama.jp

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