🔹1曲目:
リヒャルト・ホイベルガー作曲
オペレッタ『オペラ舞踏会』より
「一緒に別室へ行きましょう」
歌: 松田由貴さん Yuki Matsuda
ピアノ:樋口あゆ子さん Ayuko Higuchi
Richard Heuberger
Der Opernball (The Opera Ball),
Op. 40, Act III: Im chambre separée
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🎼 物語では、二組の夫婦の妻たちが、夫たちの愛を試すために「ドミノ」という架空の女性の名でオペラ舞踏会に招待する手紙を出すことを思いつきます。その手紙は、侍女オルテンスに書かせることにします。ところがオルテンスは、二人の夫だけでなく、自分が密かに想いを寄せている海軍士官候補生アンリにも同じ内容の手紙をこっそり送ってしまいます。舞踏会当日、妻たちとオルテンスは、それぞれ「ドミノ」として仮面を被り、同じ装いで会場へ向かいます。一方、ドミノからの誘いに心躍らせた男性たちも舞踏会へ出掛け、二人の夫は互いの妻だとは気づかぬまま、楽しいひとときを過ごしてしまいます。しかしオルテンスとアンリは、仮面を付けていてもなお、自然と惹かれ合ってしまいます。そこで歌われるのが「一緒に別室へ行きましょう」です。
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📚 ホイベルガーといえば、『ブラームス回想録』の著者として知られています。
ホイベルガーは、17歳年上のヨハネス・ブラームスと、長年にわたって親しい友人関係を築いていました。ブラームスがふと口にした言葉や音楽についての考えを、ホイベルガーは丁寧に書き留めていたのです。そして、それらのメモをもとに生まれたのが『ブラームス回想録』でした。
ブラームスは秘密主義で完璧主義な人物で、手紙などの私的な記録をすぐに燃やしてしまっていたと言われています。そのためこの回想録は、ブラームスの音楽観や作曲の考え方、演奏に対する姿勢、他の音楽家への評価、そして人となりまでを知ることができる、たいへん貴重な資料となっています。
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🔹2曲目:
フリッツ・クライスラー作曲
「愛の悲しみ」
ヴァイオリン:千住真理子
ピアノ:丸山滋
Fritz Kreisler,
Liebesfreud (version for violin and piano)
Mariko Senju, violin
Shigeru Maruyama , piano
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Piano Wineryの番組オープニング曲としてお馴染みの「ラフマニノフ、ガーシュイン、ベトナム民謡」。その中から、ラフマニノフ/ガーシュイン作曲の《愛の喜び》は、《愛の悲しみ》と対になる作品として、しばしば一緒に演奏されます。さらに《美しきロスマリン》を含めた3曲は「ウイーン古典舞曲集」と呼ばれていて、クライスラーはコンサートでよく演奏されたそうです。
もともと《愛の喜び》と《愛の悲しみ》の2曲は、ヴァイオリニストであり作曲家でもあったフリッツ・クライスラーが、ヴァイオリンとピアノのために書いた小品です。それを後にラフマニノフが、《愛の悲しみ》《愛の喜び》の2曲をピアノ独奏用に編曲しました。
🎻ヴァイオリニストで作曲家でもあったクライスラーと、🎹ピアニストであり作曲家のラフマニノフは、親しい交流を持っていました。二人は互いの作品を、それぞれ自分の得意とする楽器のために編曲することも、たびたび行っていたのです。
愛にはさまざまな側面があります。
喜びだけでなく、悲しみまでも描くことで、音楽における「愛」の表現は、より深く、より豊かなものになっているように感じられます。
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🔹3曲目:
トスティ作曲
「セレナータ」
歌: 松田由貴さん Yuki Matsuda
ピアノ:樋口あゆ子さん Ayuko Higuchi
Paolo Tosti
La Serenata
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🎼セレナータは、もともと男性が女性の家の前で、恋心を伝えるために演奏する曲を指していました。それが次第に、夜に屋外で演奏される音楽全体を「セレナータ」と呼ぶようになっていきます。ドイツ語では「セレナーデ」と呼ばれています。この作品では、眠りにつこうとする愛しい人に向けて、「セレナータよ、飛んでいけ」という言葉が、繰り返し歌われます。歌詞の内容はとても幻想的ですが、音楽の雰囲気は、どこかイタリア的といいますか、明るく、からっとした印象を受けます。
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写真:松田由貴さん
昨年観劇したミュージカル『四月は君の嘘』では、楽曲《愛の悲しみ》がとても印象に残ったそうです。