PianoWinery ~響きのクラシック~ - Fm yokohama 84.7

伊集院紀子さんの演奏で~

🔹1曲目:

アルフレード・カゼッラ作曲

パヴァーヌ Op.1

ピアノ:伊集院紀子さん Noriko Ijuin, piano 

Alfredo Casella

Pavane Op.1

🎼 1902年、カゼッラが19歳の時に書いた作品です。左はスタッカートの分散和音の伴奏で、この点はフォーレの有名なパヴァーヌによく似ています。カゼッラの楽譜にはそのスタッカートの箇所はペダルは使わないように指示があるので美しいバランスで演奏するのはなかなかコントロールがいる作品です。中間部はややどっしりしたハーモニーを経て、今度は3つの声部が絡み合う作りになった最初の旋律が戻ってきて終わる、3部形式です。

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🔹2曲目:

アルフレード・カゼッラ作曲

9つの小品 Op. 24 

第7番 In Modo di Menuetto(メヌエット風に)

ピアノ:伊集院紀子さん Noriko Ijuin, piano 

Alfredo Casella

9 Pezzi, Op. 24

No. 7. In Modo di Minuetto

🎼 9つの小品は、1曲が2分~5分弱の小品で、それぞれ、タンゴ風に、メヌエット風に、のようにタイトルがついています。作曲された1914年当時に先進的と考えられた技法を踏襲し、ストラヴィンスキーやラヴェル、マリピエーロに捧げられた作品もあります。以前にも、番組でもご紹介した第2番は「バルバロ風に」で、バルトークを思わせる執拗に繰り返される力強さのあるリズムや短い旋律、厳しい不協和音が特徴的な作品です。本日、ご紹介した第7番は「メヌエット風に」です。メヌエットとはフランス発祥の宮廷舞曲の一つで基本的に穏やかな性質の43拍子が多い舞曲です。カゼッラのこの作品はティナ・ドレイファスに献呈されており、ほの暗いユニゾンから始まり、深く長調と短調の狭間で彷徨うようなハーモニーで、しかしながらあくまでもメヌエットの古典的リズムでゆったり進んで行きます。この曲集の中にはもっと苛烈なハーモニーもありますが、そのような作品からすると穏やかな不協和音で、旋律も分かりやすく、聴きやすい作品です。

1曲目でご紹介するパヴァーヌとは使用するハーモニーが大分変化しており、19歳と30代の時の彼の音楽感性の違い、時代の変化を感じて聴いていただけると面白いかと思います。

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🔹エンディングは~

CD『ウクライナのピアノ作品集』(榎本智史さん、伊集院紀子さん、佐々木理之さん)より

ヴィクトル・コセンコ作曲            

3つのピアノ小品 Op.9 より

第2番 マズルカ 

Viktor Stepanovych Kosenko

3 Klavierstücke, Op. 9

No.2 Mazurka

ピアノ:伊集院紀子さん Noriko Ijuin, piano 

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