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樋口あゆ子さんがショパン国際ピアノコンクールを解説!

今週は、2025年10月に開催される第19回ショパン国際ピアノコンクールのご紹介とその歴史について樋口あゆ子さんに解説していただきました。1927年に始まったショパン国際ピアノコンクールは、2027年に創設100周年を迎えます。今年が100周年祝祭期間(5年)の幕開けとなります。

正式名称:第19回 フレデリック・ショパン国際ピアノコンクール 

開催:2025年10月2日~

The 19th International Fryderyk Chopin Piano Competition is scheduled to officially begin on 2 October 2025 

  

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🎹  コンクールの歴史:

第一次世界大戦の終結後、当時のワルシャワ音楽院・現在のポーランド国立ショパン音楽大学の、ピアニスト・イェジ・ジュラヴレフ教授(Jerzy Żuławski)が、第一次世界大戦で荒廃したポーランドの人々の心を癒し、当時フランスの音楽と考えられていた、ショパンの音楽を、祖国ポーランドに取り戻して、愛国心を奮い立たせて励まそうと考え、コンクールの創設を思い立ちました。そして、ポーランドが一国家として独立してから9年後にあたる1927年に、ポーランドの首都・ワルシャワにて、第1回ショパン国際ピアノコンクールが開催されました。

第二次世界大戦中に中断はありましたが、その後5年おきに開催されています。第1回から第7回までは、ショパンのお誕生日の前後である2月から3月にかけて開催されていましたが、第8回以降はショパンの命日である10月17日の前後3週間に開催と変更されました。

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🎹  開催理念:

ポーランド生まれの作曲家でピアニストである「ピアノの詩人・ショパンの解釈者を発掘すること」を開催理念として掲げています。また他の国際コンクールで多く使われる「国際音楽コンクール」ではなく、「国際ピアノコンクール」と表記され、ピアノ部門のみの開催となっています。そして特徴は、課題曲の全てがショパンの作品であるということです。

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🎹 歴代受賞者:

共産主義のポーランド人民共和国時代、1955年の第5回コンクールまでの優勝者は、ポーランドか当時のソ連の出身者によって占められていました。しかし1960年の第6回のコンクールで西側諸国出身者1名、イタリア人の巨匠ピアニスト・マウリツィオ・ポリーニ (Maurizio Pollini) が優勝し、西側諸国出身者の優勝者が出るようになったのは、これ以降の事です。日本人ピアニストは、1937年の第3回より初参加しており、前回の第18回開催まで、複数の入賞者が輩出されていますが、第1位の受賞者はまだおりません。

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🎹  国立ショパン研究所の公式YouTubeチャンネル

ライブ配信も予定されているため、日本にいながら世界の精鋭音楽家の演奏を聴くことができます。

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樋口あゆ子

Ayuko Higuchi, piano

<プロフィール>

兵庫県出身。故・中村紘子氏に師事。第39回毎日新聞社全日本学生音楽コンクール中学全国1位。
第17回全日本指導者協会ピティナ・ピアノコンペティション特級ソログランプリ・文部科学大臣賞。 桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻研究科在学中、第10回ポルトガル・ポルト市国際音楽コンクール第1位。明治安田生命文化財団奨学生として留学し、飛び級にてパリ・エコ-ルノルマル音楽院演奏家課程審査員満場一致卒。以来、グローバルな演奏活動を続けている。

現在、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会評議員。ピティナ渋谷松濤ステーション代表。昭和音楽大学・短期大学・大学院ピアノ専攻講師。

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