
🔹1曲目:
ミコラ・ヴィタリヨヴィチ・リセンコ
ウクライナ民謡の主題によるラプソディー
Op.18 ドゥムカ=シュムカ
ピアノ:伊集院紀子さん Noriko Ijuin, piano
Mykola Vytaliyovych Lysenko
Rhapsody on 2 Ukrainian Themes, Op. 18
Dumka-Shoomka
= =
🎼 ドゥムカ(Dumka)というのはウクライナ民謡の形式で、哀愁を帯びた旋律が特徴的な叙事詩的な歌、または楽器曲です。ウクライナには日本の琵琶法師のようなコブザーリ(kobzar)と呼ばれる吟遊詩人がいて、バンドーラ(bandura)というリュート形の楽器を弾きながら叙事詩を歌います。弦楽器の伴奏に詩人が「哀歌」をメランコリックに歌い上げます。
= =
🎼ドゥムカのパート▶️シェムカのパート▶️ドゥムカのパート▶️最後はシュムカのパート
ピアノ曲なですが弦楽器的な語りのため、難しいパートです。ドゥムカのパートが終わり、次はシュムカパートに入ります。シュムカというのはウクライナ語で「旋回する風」を意味する民族舞踊の一つです。くるくると踊っている様が目に浮かぶ、リズミカルでシンプルな主題が少しずつ形を変えて登場します。その後一瞬ドゥムカが戻ってきて、最後にはシュムカが華やかにアップテンポになり終演します。
= =
🎼ウクライナ音楽の特徴の一つとして増二度音程の多用があります。このシュムカにはその音程がたくさん出てきます。ドからレのシャープやファからソのシャープのような音程です。隣り合う音だけれども、少し身をよじっているような不安定な音程になります。
*増二度(ぞうにど)とは、長二度よりも半音広い二度の音程のことです。
= = =
🔹エンディングは~
CD『ウクライナのピアノ作品集』(榎本智史さん、伊集院紀子さん、佐々木理之さん)より
ヴィクトル・コセンコ作曲
3つのピアノ小品 Op.9 より
第2番 マズルカ
Viktor Stepanovych Kosenko
3 Klavierstücke, Op. 9
No.2 Mazurka
ピアノ:伊集院紀子さん Noriko Ijuin, piano
🎵 今週ご紹介したミコラ・リセンコは、ヴィクトル・コセンコより50数年先輩に当たります。