
今週は、組曲(英語: suite)について解説していただきました。
本日の萩谷康一さん、吉川由利子さんの演奏:
ドイツ後期ロマン派音楽の作曲家エミール・クロンケ(Emil Kronke, 1865 - 1938)
「古風なスタイルによる組曲」より
I. アルマンド
Ⅱ. クーラント
III. サラバンド
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🎵 組曲とは:
組曲(suite)は、いくつかの舞曲の小品や楽章をまとめてバランスよく連ね、一つの作品としたものです。ルネサンス時代からあり、17世紀のバロック音楽時代で、一つの曲のジャンルとして発展・完成し、バッハ (Johann Sebastian Bach)やヘンデル(Georg Friedrich Händel)も数多く書いています。その後、ロマン派や近代音楽派の時代でも自由な形式として続いています。
仏語のsuiteが由来。語源は英語のsuite (英語発音 : [swiːt]、スウィートゥ) と同じで、「一式」「一組」「一揃い」の意味です。 *ホテルの部屋の「スイート」も語源が同じで、ベッドルームとリビングルームなど複数の部屋がひと続きになっている客室を表します。
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<一般的な構成>
組曲の順番は、通常 アルマンド、クーラント、サラバンドの順番で演奏されます。(後にジーグが追加)ただし、順番が入れ替わる場合や、前奏曲(プレリュード)や挿入曲(ガボット、メヌエットなど)が追加されることもあります。
I.アルマンド (仏)allemande
意味はドイツ風。4拍子で、ゆったり落ち着いたテンポ。
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Ⅱ. クーラント (仏)courante
意味は走る/流れる。3拍子で優雅で軽快なテンポ。
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III. サラバンド (英)saraband / (仏)sarabande
意味は引きずるような重々しいリズム。3拍子の荘重なテンポ。
南米由来ですがヨーロッパに伝わった頃は異なる曲調や舞踊となり、特にスペインではその舞踊が問題視され「サラバンド禁止令」が出た時期もあるそうです。
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🎵 組曲を演奏する難しさ:
組曲は1曲が短い短編小説のようなものです。テンポの共通性を大事にしながら、曲のコントラストを考え、表情を切り替えていくことが大切です。
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写真: 萩谷康一さん、吉川由利子さん
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