Keep Green & Blue - Fm yokohama 84.7

あなたの山での写真が環境保全に役立つかも。「山岳写真データベース」に注目!日本山岳会/東邦大学 植物生態学研究室 准教授 下野綾子さん①

8月11日山の日の月曜日!
今週は、「山岳写真データベース」に注目!
お話を伺ったのは、公益社団法人日本山岳会 会員で、東邦大学 理学部 生物学科 植物生態学研究室 准教授 下野綾子さんです!

山岳写真データベース」とは。

提供:山岳写真データベース


東北大学を代表とする「ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点」という活動の中で始まったもの。生物多様性の減少を食い止めるためには、今、どうなってるのかを知ることが大切です。しかし、日本の山岳域は急峻で、アクセスが大変な事から、昔からの研究データが少ないため、どのように自然が変わってきたのかを比べる、科学的知見の不足しています。そこで着目されたのが「山岳写真」です。昔から多くの人たちが登山をし、そこで山の風景を写真に収めてきました。その古い写真を共有し、最近の写真と比較するで生態系の変化、植生の変化を見える化することができます。そのためにはデータベースが、今年4月に公開されました。

下野さんは、山岳域のネイチャーポジティブを実現するために、日本山岳会と共に活動されています。現在サイトには、「日本山岳会」会員の協力のもと、94座の山の写真、1960年代からの約570枚が公開されています。他にも多くの写真が集まっているそうですが、昔の写真はアナログなため位置情報などがないため、現在その確定作業を行っているんだそうです。
サイトでは、昔の写真と今の写真が並んで紹介されている「環境変化観察スポット」として比較解説がされています。例えば、一見、現在の山の写真では、黄色い花が咲き乱れていて豊かな自然とみえますが、昔の写真と比べてみると、ニホンジカが登ってくるようになってしまったため、シカの好まない植物であるマルバダケブキ(黄色い花)が増加しているという事がわかります。

提供:山岳写真データベース_烏帽子岳付近



そのように、山の植物に詳しくない人でも、山の変化を知ることができるようサイトでは工夫がされているので、「山岳写真データベース」をぜひ一度覗いてみてください。
また、現在、皆さんから山の写真も大募集中です。できれば、どの山でどのあたりの写真か、背景に山が写っていたりすると、どこの山かわかるそうなので、その場所の風景がわかるようなもの、古いものや少しピントが合っていない写真でも、ネガやポジが手元にあればそちらもご提供いただけるとよりわかるとのことでした。昔、親戚の方が登山していた、ご家族の方の登山の写真があるという方は、日本の山の環境を知るためにも、ぜひご協力を。詳しくは、「山岳写真データベース」をご覧ください。

明日は、集まった山岳写真からわかってきた日本の山の変化について伺います!お楽しみに。

山岳写真データベース
https://www.mountain-photo.org/

東邦大学 理学部 生物学科 植物生態学研究室
https://www.lab.toho-u.ac.jp/sci/bio/plant_ecology/

☆「あなたのサステナブルなこと」も番組に教えてください!

番組への感想もお待ちしています。
メールアドレスはこちら。
X(旧Twitter)では #847keep で感想をツイートしてくださいね。
 

top