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サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」からお届け!! サントリーホールディングス株式会社 越野多門さん&為ケ谷優さん③

サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」

今週8/7木曜日までは「水の週間」!そこで、奥多摩にあるサントリー天然水の森からお届けしています!!
ご案内いただいたのは、「サントリーホールディングス株式会社」サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ推進部 課長 越野多門さんと、サステナビリティ経営推進本部 (地域共創)天然水の森グループ 爲ケ谷優さんです! 

今回ご案内いただいた「サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」」は、「サントリー 〈天然水のビール工場〉 東京・武蔵野」と「サントリープロダクツ(株) 多摩川工場」の水源涵養エリアに位置しています。東京都あきる野市が推進する「共生・協働の森」に2010年4月に参画し、森林整備協定を締結。広さは約54ha。東京ディズニーランドと同じくらいの人工林のエリア。整備を始めて約15年という森でした。

今夜は、「サントリー天然水の森」から見えてくる日本の森の現状について。

サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」

昨日の森の保全でもお話がありましたが、今回お邪魔した「サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」」では、東京都あきる野市と森林整備協定を締結した2010年から間伐を始め、森の保全・再生活動をされてきました。サントリーが森づくりを始めた頃は、鹿の数はそれほど問題ではありませんでした。しかし、この10年ほどで全国的に鹿が急増。間伐をして森に光が差し込み、新しい植物が芽吹いても、それを根こそぎ鹿が食べてしまうという事態が発生しています。

為ヶ谷さんは、鹿に食べられて茎だけになったアジサイの残骸や、鹿の手が届かない高い位置からしか葉が生えていない木々を指し示し、その影響の深刻さを説明してくれました。

サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」_まだ残っていたタマアジサイ


鹿は美味しい植物から食べるため、森には鹿が嫌う「マツカゼソウ」や「イノモトソウ」といった特定の植物ばかりが残ってしまい、生物の多様性が失われる危険性についてもお話してくださいました。

サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」


さらに、登り進めていくと「スズタケ」という笹の仲間が生い茂っていたエリアに。「スズタケ」は、土から出ているところで枝分かれるため、鹿に食べられてしまうと再生しにくいとのことでした。鹿がササを食べ始めると、森の食料がかなり減っている危険なサインだと教えてくれました。

サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」


この問題は奥多摩に限ったことではありません。かつては豪雪で鹿が生息できないとされていた鳥取県の奥大山の森でも、温暖化の影響で鹿が見られるようになり、食害が出始めています。サントリーでは全国26ヶ所にある「天然水の森」の担当者間で、こうした鹿の情報を共有し、対策を講じているとのことです。
ご案内いただいた「サントリー天然水の森 奥多摩「共生・協働の森」」では、当初は鹿の影響がなかっただけに、次の間伐時期には、「鹿柵=植生保護柵」を張る作業が増えてしまうとも教えていただきました。
そしてもう一つの問題は、カシノナガキクイムシという虫が媒介する病気による「ナラ枯れ」です。かつて薪や炭として利用されていたナラの木は、人々の生活スタイルの変化により利用されなくなり、大きく育ちすぎて老齢化しました。その結果、カシノナガキクイムシが入りやすく全国で「ナラ枯れ」増えたとのことでした。自然の循環ではあるものの、山道などに大きなナラの樹があると落ちて危ないため、予防伐採する必要があるとのことでした。

鹿、そしてこのナラ枯れの問題が連鎖して、さらに深刻な事態を引き起こしているとか。ナラ枯れで大きな木が倒れると、森にぽっかりと穴が開き、太陽の光が差し込む「ギャップ」が生まれます。本来であれば、その光を受けて土の中に眠っていた種が発芽し、次世代の森が育つチャンスとなります。しかし、そこに鹿がいると、せっかく芽生えた新しい命をすべて食べてしまうため、森は自ら再生する力を失ってしまうそうです。

自然のサイクルと人間の活動は密接に結びついており、健全な森を未来へ引き継ぐためには、現代に合った形で再び人間が適切に森と関わっていく必要があることを自分の目で見ることでより実感することができました。

詳しくは、下記の音声配信でぜひチェックしてみてください。

明日は、「サントリー天然水の森」の生き物について伺います!

サントリー天然水の森

サントリーホールディングス株式会社


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