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日本を取り巻く海洋プラスチックに注目! 国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC) 海洋プラスチック動態研究グループ 主任研究員 中嶋亮太さん④

JAMSTECに展示されいてる有人深海調査船「しんかい6500」の中での記念撮影

今週は、日本を取り巻く海洋プラスチックに注目!
「国立研究開発法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 」海洋プラスチック動態研究グループ 主任研究員の中嶋亮太さんに伺いました!

中嶋さんは、日本を取り巻く海洋プラスチック研究の第一人者。
これまで、「海洋プラスチック汚染「プラなし」博士、ごみを語る」や「暮らしの図鑑「エコな毎日」プラスチックを減らすアイデア75」などの著書で、私たちにわかりやすく、海洋プラスチックの現状を伝えてくれています。

現在、一年間に東京スカイツリー約50個分のプラスチックが陸域から海へと流出していると推定されています。この数字を解きほぐすと、プラスチックがパンパンに詰まったゴミ収集車1台分が約20秒おきに、もっとそれ以上早いペースで海に投げ入れられているのと同じなんだそうです。

すでに海には3000万トンもの海洋プラスチックがあり、そのほとんどは、海底に沈んでいるのか、どこへ行ってしまったのか分からなくなっているのが現状。JAMSTECの深海の研究により、千葉県房総半島沖 500キロのところには、黒潮によって集められた海洋プラスチックが渦に巻き込まれ、深海へと運ばれていることがわかりました。また、水深2000m~3000mには、マイクロプラスチックが浮きも沈みもせず漂うエリアがあることも。

世界の研究者たちによって海のどこに海洋プラスチックが溜まっているのかがわかったことで、回収できるのではないか、と思ってしまいますが・・。
中嶋さんに聞いてみました。

中嶋さん「海に入っちゃったらもう無理ですね。回収できないです。何でかっと言うと、もう回収にお金がかかり過ぎちゃうんですね。広いグランドの砂粒拾っていくイメージなので。しかも深海になってきたら、もう本当調査でもお金かかるんですよ。回収になったら、厳しいです。じゃ、網でバーッと一発で引けばいいじゃんっていう人もいるんですけれども、そんなことをしたら貴重な海洋生物、全部殺してしまいますからね。網で取るっていうのはちょっとダメですね。まだ、浅い海で漁師さんがいつもやってるように漁を行って、そこにあるゴミをとるなら、それはありだと思います。今後そうあるべきだ思うんですけども。深いところ行ったらもう取れないですね。ましてやマイクロプラスチックになったらもう無理ですよ。小さすぎて、回収できませんね。
でも、その上でも、プラスチックの取り組みとして、やっぱりデータベースを作るって事が重要です。世界のどこにどれくらいプラスチックがあるかっていうのを、海の表面も海底も含めて、地図にして見えるようにするっていうことが重要なんですよ。そうすると対策ができて、それを使って政策も作れるようになるんですね。だから今世界中では、プラスチックの地図を作ろうっていうのが皆で協力して世界中の地図を作ろうっていう動きになってるんですよ。そこに国連もしっかり含まれていて、国連とも協同して世界中でみんなが見える地図を作ろう、プラスチックの地図を作ろうってなってます。」

さらに、昨年JAMSTECでは、企業ととも海で分解される「海洋生分解性プラスチック」の開発に成功されいます。実はすでに私たちの生活の中でも使われている商品もあるとか!詳しくは下記の音声配信をチェックしてください!

最後に、私たちができることについて、中嶋さんからアドバイスをいただきました。
「私たち日本人は、ごみの分別、回収はとても優秀。しかし、100%回収、リサイクルは無理なんです。日本人が一年間に出すごみの量は800万トン。仮にそのうちの2%がもれ落ちたとして、数字にすると16万トン。16万トンって、東京スカイツリーの約5個分あります。すごい量ですよね。となると、ごみの量を減らすしかないです。母数が大きすぎます。ほとんどは使い捨てプラスチックなので、使い捨てプラスチックの使用量を減らすということが一番の解決策だと思います。私たち消費者が使い捨てじゃないものがかっこいいと思うようになると、企業が変わります。企業が変われば国が変わります。私たち消費者が変わることが重要だなって思っています。」

暗く冷たい深海に沈むレジ袋を実際に目撃してきた中嶋さん。今後の研究は、世界中が取り組んでいる海洋プラスチックの地図作りをAIを使ってオートメンション化していくとのこと。今後の研究にも注目していきたいですね!

中嶋さん、ありがとうございました!

国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
https://www.jamstec.go.jp/j/

JAMSTECが挑む海洋プラスチック問題
https://www.jamstec.go.jp/ocean-plastic/j/index.html




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