
今週は、日本を取り巻く海洋プラスチックに注目!
詳しくは、「国立研究開発法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 」海洋プラスチック動態研究グループ 主任研究員の中嶋亮太さんに伺いました!
中嶋さんは、日本を取り巻く海洋プラスチック研究の第一人者。
これまで、「海洋プラスチック汚染「プラなし」博士、ごみを語る」や「暮らしの図鑑「エコな毎日」プラスチックを減らすアイデア75」などの著書で、私たちにわかりやすく、海洋プラスチックの現状を伝えてくれています。
まずは、日本を取り巻く「海洋プラスチック」のお話から。
中嶋さん「そのまんま海に入っているプラスチックなんですけども、 今、世界中でたくさんのプラスチックが作られていて、その全てが、きちんと回収されてリサイクルされてるとか、処理されてるわけではなく、一部が 海に漏れ出てるんですね。そういった漏れ出てるものを「管理できていないプラスチックゴミ」と呼ぶんですけども、これがすごい問題で、海に入ってしまって様々な問題を引き起こす。これが海洋プラスチックの実態です。」
現在世界で作られているプラスチックの量は、2019年の時点で1年間に4億6000万t。重さにして、東京スカイツリーで約1万2000個分!。そのうちの約77%が1年間でごみになってしまい、そのごみになってしまったプラスチックの一部が、海に出てしまっています。
海に出る量は諸説ありますが、少ないものから多いものまでだいたい80万tから270万tぐらい。その中間値を取ると、170万tぐらいなので 重さで東京スカイツリーで約50個分ぐらい が、毎年、海に入っているとのこと。
この数字は2019年でのことなので、2025年なったという今、もっともっと増えているのではないかと。
では、海洋プラスチックによって、どんな問題が起こっているのでしょうか?
中嶋さん「様々な問題があります。その、それこそ海の生態系への影響もあれば、私たち人類の社会、経済への問題まで様々なんですね。生態系への影響では、大きく5つ問題があるんです。
1、プラスチックゴミに絡まっちゃう問題。2、プラスチックを間違えて食べちゃう、誤食。 で、3がプラスチックが追い被さってしまう問題。 で、4つ目がは、海洋プラスチックが病原菌や外来種運んでしまう問題。で、最後の5つ目がプラスチック生命圏といって 、プラスチックに依存して生きる新しい生態系ができるっていう問題があります。例えば・・として、中嶋さんが教えてくださったのが、「ウミアメンボ」。海にいる数少ない昆虫でもある「ウミアメンボ」は、外洋に流れてくる数少ないヤシノミなどの漂流物に卵を産み、繁殖してきました。しかし、現代では、数多くの海洋プラスチックがあるため、「ウミアメンボ」が太平洋で数を増やし、新しい生態系できようとしているんだそうです。大量に増えた「ウミアメンボ」の餌となる生き物が減り、その餌に依存してた他の生き物が餌を食べられなり、今まであった生態系のバランスも崩すことになるんですね。
他にも、中嶋さんに海の変化について伺ったところ、海へ流れ出たプラスチックの行方や、海底に沈んでいるレジ袋についてなど、中嶋さんが実際に目にしてこられた現状についてお話してくださいました。深海にはどんな風景が広がっているのか。ぜひ、下記の音声配信で聞いてみてください。
明日は、JAMSTECが発見した海洋プラスチックのホットスポットについて伺います!
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
https://www.jamstec.go.jp/j/
JAMSTECが挑む海洋プラスチック問題
https://www.jamstec.go.jp/ocean-plastic/j/index.html
動画:駿河湾の水深2000メートルで『しんかい6500』がとらえたプラスチックごみ(JAMSTEC)
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