
今週は、日本を取り巻く海洋プラスチックに注目!
詳しくは、「国立研究開発法人 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 」海洋プラスチック動態研究グループ 主任研究員の中嶋亮太さんに伺いました!
中嶋さんは、日本を取り巻く海洋プラスチック研究の第一人者。
これまで、「海洋プラスチック汚染「プラなし」博士、ごみを語る」や「暮らしの図鑑「エコな毎日」プラスチックを減らすアイデア75」などの著書で、私たちにわかりやすく、海洋プラスチックの現状を伝えてくれています。
今夜は、海に出てしまったプラスチックの量のお話から。
まずは、おさらい。
世界では2019年時点で、年間 東京スカイツリーの重さにして1万2000個分、4億6000万トンのプラスチックが作られています。そのうちの約8割が廃棄され、さらにその一部、2割くらい、重さにして東京スカイツリー約50個分が海に流れ出ていると言われています。さらに、すでに海には控えめに見積もっても3000万トンぐらいプラスチックが流れ出ていると言われていますが、海に浮かんでるプラスチックは、どう見積もっても300万トン、10%ほどぐらいしかないとのこと!
中嶋さん曰く「残りの9割ぐらいが実はどっかいっちゃってる。もちろん岸に打ち上がった物もあるでしょうし、浅い海に沈んでる物もあると思うんですけど、多くがですね、実は海の表面から失われて沈んで海底に落ちてるんじゃないか、深い深海底に大部分が沈んだんじゃないかって言われてるんですよね。もう回収できないですね。」
海洋プラスチックがたまっているホットスポットも見つかってきています。そこで、深海の研究をしているJAMSTETCでは、行方不明になった海洋プラスチックの行方の一つを発見!
中嶋さん「例えば僕たちJAMSTECは深海の研究やってるので、深海のどこにあるかっていうのを当たりをつけていくんですよね。海流のシミュレーションして、当てずっぽうじゃなくて狙っていくんですけども、1つがですね、房総半島沖に黒潮が渦巻く所があるんですね。で、黒潮ってめちゃくちゃゴミ運ぶんですよ。なんでかって言うと、黒潮の南側って東南アジアとかありますよね、そういった所から沢山ゴミが出るんで、そういったものを黒潮が運ぶんですよ。で、日本近海までやってきて、ま、もちろん日本からも沢山出ますけど。黒潮が渦巻く場所、1つ房総半島沖に、房総半島から500キロぐらい沖合いですね。そこに黒潮続流・再循環内域っていう名前の、ものすごくでかい渦があるんですよ。そこの渦に取込まれてくるんですよね。で、やがて沈んでいくんでプラスチックって。そこの深さ6000メートルぐらいの海底、そこにあるんじゃないかって予測を立てて、JAMSTECでは、有人探査機調査船の「しんかい6500」で 、そこに、行きました!めっちゃありました!研究的に調べてみても、世界トップレベルにそんな深いところでこんなに多い所は日本近海だけですね。今のところ。」
「房総半島沖の表層から深海に沈降するマイクロプラスチックの量を観測により初めて推定」(JAMSTECプレスリリース)
ベテランのパイロットの方からも、「こんなに陸から離れた場所で、こんなにごみがあるのを初めて見ました」と驚くほど。この深海底で見つかった海洋プラスチックは、レジ袋のような軽い物ばかり。食品の包装とか風船などの軽いプラスチックばかり。どれも軽いので飛ばされやすく、遠くまで漂ってくるんだそうです。
日本は、先行調査でも海に浮いてる表面のマイクロプラスチックの量は、世界平均の約30倍と言われてます。日本はごみが多く、世界中からも潮の流れにのってくるため、日本で起こることが、将来世界の海で起こるプラスチックの問題の縮図、将来図ともいわれています。
さらに、マイクロプラスチックよりも小さいものに目を移すと、最近分かった事の一つとして、水深2000mから3000mのあたりに、ナノマイクロプラスチックが浮きもせず、沈みもしないエリアがあることもわかってきたんだそうです!
実際に深海底を見てきた中嶋さんのお話は下記の音声配信をチェック!!
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)
https://www.jamstec.go.jp/j/
JAMSTECが挑む海洋プラスチック問題
https://www.jamstec.go.jp/ocean-plastic/j/index.html
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