
今週は、世界の海に漂うマイクロプラスチックに注目!
今夜も福岡にいるこの方とリモートでつながりました!
九州大学 応用力学研究所 教授で、海洋プラスチック研究センター長でもいらっしゃる
磯辺篤彦さんです!
磯辺教授たちが今年9月に、世界で初めて造礁サンゴの骨格に微細マイクロプラスチックが取り込まれているのを発見されました。今週は、そのお話から、世界の海に漂う海洋マイクロプラスチックについて、磯辺教授にいろいろと教えていただいています。
現在、世界の海には、プラスチックが本格的に使われ始めた1960年代から現在までの
およそ60年間でおよそ2500万トン海に流れ出たと推計されています。
2500万トンのうち、およそ600万トンは世界中の海岸に漂着ごみとして流れ着き、
70万トンは海を漂流し、さらに、およそ176万トンは波や紫外線によってこまかくなり、
5mm以下の小さなマイクロプラスチックとなった後、今も世界の海で漂流と漂着を繰り返していると言われています・・・・。
しかし!! これまで海に流れ出たプラスチックのうち、どこへ行ってしまったのかわからないものが膨大にあるんです! その謎を解くカギとなる技術、そして研究を磯辺教授たちは昨年2023年に開発されました。その研究とは!「海に漂うマイクロプラスチックの年齢を推定する手法」です!!
この技術は、高分子化学ポリマーサイエンスを得意とする旭化成株式会社 基盤技術研究所とタッグを組み、2019年から研究を開始。きっかけは、磯辺教授の海洋マイクロプラスチックの年齢を知りたいという話を、旭化成の研究者にしたところ、熱意ある研究者の皆さんからも意義のある研究であると賛同を得て、共同開発。海で回収してきたマイクロプラスチックを調べたところ、なんと!!北西太平洋や赤道といった外洋の海面近くで採取されたマイクロプラスチックは、年齢が1〜3歳の範囲に集中していることを発見。一方で、陸近くの日本近海から採取されたものは、0〜5歳と年齢にばらつきが見られたとのこと!これは、磯辺教授たちが予想していたよりもはるかに若く、それよりも前に海に流出したプラスチックはどこかに消えてしまうという事が分かったということなんですね! では、古いプラスチックってどこに行ってしまったのでしょうか? 腐蝕分解しないプラスチックは、地球上のどこにあるのか。その謎を解こうと、磯辺教授たちの研究テーマの一つになっているんだそうです。
詳しくは下記の音声配信をチェック!
九州大学 応用力学研究所 教授 磯辺篤彦HP
https://odg-riam.jimdofree.com/
九州大学 プレスリリース
世界で初めて造礁サンゴの骨格から微細マイクロプラスチック片を検出
海に漂うマイクロプラスチックの年齢を推定する手法を開発
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