
2024年は過去最高と言われる暑さや雨に翻弄されました。そこで改めて今の地球がどうなっているのか、私たちができることについて、お台場にある日本科学未来館で学んでいきます。ナビゲーターしてくださったのは、日本科学未来館 科学コミュニケーターの安藤未来さんです!
日本科学未来館は、2001年7月9日に科学技術への理解を深めるための拠点としてお台場にオープンした国立の科学館です。ロボットや人工知能、生命科学、そして地球環境や宇宙など、私たちの未来に関わる科学技術に触れたり、発見できる体験型の展示が数多くあります。常設展示の他にも、トークセッションや、ワークショップなど、イベントメニューも豊富で、ドーム型シアターの迫力ある3D映像も人気となっています。
たくさんある展示の中から、今回、私たち「Keep Green & Blue」が注目したのは、5階常設展示ゾーンにある「プラネタリー・クライシス ーこれからもこの地球でくらすために」。科学コミュニケーターの安藤未来さんに案内していただきました!
「プラネタリー・クライシス ーこれからもこの地球でくらすために」は、2023年11月に新しくオープンした展示。気候変動をはじめとする地球環境の危機を様々な視点で捉えて、この先も地球で暮らすために必要な対策について、自分ごととして、自分だったら何が出来るかなっていうことを考えてもらう展示になっています。展示は4つのゾーンに分かれています。1つ目は「地球の旅に出る」という大型映像シアターゾーン。そして「変わる地球の今に触れる」ゾーン2。「くらしと地球を見つめる」ゾーン3。最後に「これからも地球でくらす」ために何が出来るかということを考えるゾーン4となっています。
初日の今日は今の地球について学ぶことができる、ゾーン1と、ゾーンに2について。
最初のゾーン1は、立ったまま鑑賞する大型映像シアターで、森の中を通り抜ければ風が吹き、南のフィジー島の暖かい空気を感じられるようになっており、等身大のフィジーの人たちの暮らし、サイクロンなどの影響についてのインタビューを見ることで、海面上昇などについて知ることができます。サイクロンでの風が吹きつける様子や、海面上昇によって家の間際まで波が打ち付ける様子など、インタビューに答えるフィジーのみなさんと視線を合わせながら、話を聞くことで、今起きている気候変動について、より自分事にとらえることができるようになっています。
フィジーに行ったことがない人でも、このゾーン1での映像シアターを体験したあとでは、フィジーが自分たちに関係のない場所とは感じられません。11月には、国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)も開催されましたが、そこで小さな島の方たちが訴えていたことをよりリアルに感じられると思います。
そんなゾーン1を出て、ゾーン2では、実際に観測されている気温などのデータから、今地球が直面している気候変動について学ぶことができます。COP29でも議題に上がっていた産業革命が起こる前と比べて1.5度以内に気温の上昇を抑えようという目標の実現に向けて、展示物の中でも、今どれぐらい気温が上昇してしまってるのか、触れて感じることができる大きなグラフが展示されています。
科学コミュニケーターの安藤さんから、「1.5度と言うと小さな気温差に感じるかもしれません。今日が10度で明日が11.5度だったら、そこまで気温は変わっていないようにも思います。しかしこの1.5度というのは、地球全体を平均すると1.5度になるというだけなので、南極や北極などの極地や、それこそ東京などの都市部では、すでに1.5度を超えて気温上昇が起こっています。東京都の例えば8月の平均気温では、1875年ころは、平均24.9度、約25度ぐらいでした。2024年の8月の平均気温は29度なので、もう4度も上がってしまっています。このように季節や場所を限定してみてみると、より大きな幅で気温が上昇している場所は多くあるので、1.5度だったら大した事ないかも、と思ってしまうと危険です。また、こういった気温上昇が起こってしまう理由として二酸化炭素の排出が強く関わってきます。二酸化炭素をたくさん排出してしまうと温室効果が生まれ、どんどん気温が上がってしまいます。ゾーン2では、どこの国がどれだけの二酸化炭素を排出しているのか、木の球の大きさと量で表し、触って感じることができる展示もあります。」
実際に展示を案内していただいた時にも、親子の方が実際に木の玉が入ったネットに触れてみたり、このまま二酸化炭素排出を続けていた時の海面上昇をARで体感したりしていました。一人当たりの二酸化炭素排出量を比べてみたり、二酸化炭素排出量がすごく少ないのに影響をすごくたくさん受けてしまっているっていう国もあるっていうことを考えることができる展示となっています。さらに、視覚障がい者の方にも触れて感じてもらえるよう展示は細部まで工夫されています。
放送ではお届けしきれなかった展示についての解説や、科学コミュニケーターの安藤さんからの問いかけなど、詳しくは、下記の音声配信をぜひ聞いてみてください!
ちなみに日本科学未来館は2025年1月1日元旦までお休みです。新年は、今週木曜日1月2日からオープンしますので、未来を考える素敵なスタートきってみてはいかがでしょうか?
明日は、日本科学未来館「プラネタリー・クライシス ーこれからもこの地球でくらすために」から、私たちの暮らしと地球環境について科学コミュニケーターの安藤さんに解説していただきます。お楽しみに。
日本科学未来館
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日本科学未来館「プラネタリー・クライシス ーこれからもこの地球でくらすために」
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