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犬が看取り猫がおくる しあわせのホーム 特別養護老人ホーム「さくらの里 山科」について。社会福祉法人「心の会」理事長 若山三千彦さん②

今週は、犬が看取り、猫がおくる、しあわせのホーム
特別養護老人ホーム「さくらの里 山科」にお邪魔した様子をお届けしていきます。
お話を伺うのは、社会福祉法人「心の会」理事長で、特別養護老人ホーム「さくらの里 山科」の施設長でもいらっしゃる若山三千彦さんです!!

 2012年4月に横須賀市太田和に日本初となるペットの犬や猫と暮らせる特別養護老人ホームとして開設された「さくらの里 山科」。介護老人福祉施設として、100名、短期入所生活介護として20名の方が、ご自分の家としてくつろげる 全室個室体制の施設です。
そのうち、40名の方が、犬9匹、猫9匹と共に暮らしていらっしゃいます。

ちなみに、特別養護老人ホームに入居できる方は重度の介護が必要な方ばかりなんです。スタッフの皆さんから見ても、今まで一人暮らしで、愛犬・愛猫の世話をしてきたのが驚くほどの状態の方なんだそうです。
「さくらの里 山科」では、ペットのお世話は、全てスタッフが行います。
もちろん、入居された方が出来る範囲でしていただきますが、そのようなこともできない方が多いそうです。
こちらの施設に入居されている方の平均年齢は、およそ90歳。
要介護については基本的には市役所など行政の方が調査をして決めるものですが、全部で7段階あり、何もつかない元気な人いれば8段階。そのうちの上位3段階、要介護3以上の人じゃないと入れないのが、特別養護老人ホームです。
要介護3以上というのは非常に重度の介護が必要な方々で車椅子が必要になってるような方が多いそうです。さらに、要介護4や5になってくると、寝たきりに近い方も増えていきます。
一方では認知症というのも、介護の必要となり、認知症でいう要介護3以上というと、日常生活で、料理したりとか、洗濯したりとかそういったことも難しく、火を扱うと危険が伴うため、大概、認知症で要介護3~4ぐらいになってくると、危ないのでご家族がガスコンロとかファンヒーターとか、そういったものはもうその家から取り除いたりしてます。
そういうふうに家事がかなりできなくなって日常生活ができない方というような認知症の方も、こちらの施設で暮らしていらっしゃいます。
高齢になってくるとペットの世話も無理だから、早めにペットを飼うのは諦めたっていう方も多いそうですが、「さくらの里山科」にくれば、どんな重度の方もしっかり介護し、そして、ペットと一緒に暮らせるという部分でも、ペットのケアもスタッフがしますので、重度の介護が必要な方がペットと一緒に安心して暮らせる体制を作っているんだそうです。

撮影/石黒謙吾

ペットを手放してしまうならば、介護施設には行きたくないという方もいらっしゃる中、
「さくらの里 山科」のように同伴で介護を受けながら共に暮らせるという選択肢がもっと増え、ご高齢の方も人生の最後までペットと一緒に暮らせるような社会になって欲しいと若山さんはおっしゃっていました。

ちなみに、ペットと共に暮らすために、実費代として、ペットの医療費やエサ代、消耗品代などはかかりますが、それ以外に特別な料金は必要ないんだそうです。
ですから安心して入っていただけます。

そんなペットともに暮らすことができる特別養護老人ホーム「さくらの里 山科」ですが、オープンした時には、まだペットと同伴で入京される方がいなかったため、保護施設から保護犬の「文福」などを引き取ってスタートされています。

その「文福」は、今なお元気で、DJミツミが施設を見学させてもらった時にも挨拶に来てくれました。


現在、「さくらの里 山科」のようにペットと暮らせる施設は、全国にあと2つほどしかないんだそうです。
施設ではどのようにして暮らしているのかなど、詳しくは若山さんが綴られている「ヨミドクター ペットと暮らせる特養から」をチェックしてみてください。
そして、施設の様子などをつづった本「犬が看取り、猫がおくる、しあわせのホーム/石黒謙吾」光文社でも、その様子を見ることができます。

特別養護老人ホーム「さくらの里 山科」

「犬が看取り、猫がおくる、しあわせのホーム/石黒謙吾」光文社

Ⓒ光文社

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