
🔹1曲目:
オスカー・シュトラウス作曲 オペレッタ『ワルツの夢』より
扉をあけて、窓あけて (フランツィの歌)
日本語歌詞:田辺とおる Toru Tanabe
歌: 松田由貴さん Yuki Matsuda
ピアノ:樋口あゆ子さん Ayuko Higuchi
Oscar Straus
Ein Walzertraum (A Waltz Dream)
= =
🎼 オペレッタ『ワルツの夢』:
これは架空の公国を舞台にした、ウィーンの軍人と公女の結婚を描いたオペレッタです。
主人公の軍人ニキが田舎の宮廷暮らしに退屈し、旅回りの楽団の女性指揮者フランツィに恋をするという物語。「扉をあけて、窓あけて」は、「フランツィの歌」とも呼ばれています。宮殿の暮らしをウィーン風に変えることで、夫の心を取り戻し、物語はハッピーエンドを迎えます。
= =
🇦🇹 ヨハン・シュトラウス2世 & オスカー・シュトラウス
1825年10月25日生まれのヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II) は、もうすぐ生誕200周年を迎えます。一方、オスカー・シュトラウス(Oscar Straus) は、1870年生まれ。ヨハン・シュトラウス2世とは45歳差です。
オペレッタには、19世紀シュトラウス2世が活躍した「金の時代」と、20世紀初頭レハールやカールマンが活躍した「銀の時代」という2つの全盛期があります。『ワルツの夢』は1907年初演ですので、銀の時代のオペレッタですが、オスカーの音楽は19世紀末の香りが漂っていると言われ、オスカーは金の時代と銀の時代の橋渡しをしたとも評価されています。
Oscar Straus は、もともと“Strauss”と綴りましたが、著名なヨハン・シュトラウス一家(Strauss)との混同を避けるために、語末のsを一つ省いたといわれています。
= = =
🔹2曲目:
ハチャトゥリアン:
組曲「仮面舞踏会」
ワルツ
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団 The Japan Philharmonic Orchestra
Aram Il'yich Khachaturian
Masquerade
Waltz
= =
🎼 組曲『仮面舞踏会』より第1曲「ワルツ」戯曲のあらすじ:
主人公・アルベーニンは凄腕の賭博師だった。久しぶりに賭博場に妻と共に行くと、負けが込んで全財産を失う寸前の若い公爵がいた。アルベーニンは公爵の代わりに博打を打ち、勝ちを収め、公爵の失った財産の回収に成功した。あるとき、妻のニーナが仮面舞踏会で、その若い公爵と不倫をしているのではないかと疑い、ニーナを毒殺してしまう。しかしその後、ニーナの無実が判明し、アルベーニンが正気を失ってしまうというストーリーです。「ワルツ」は、最後の仮面舞踏会で、毒入りアイスクリームを食べたニーナが踊る場面。
= =
🇬🇪 ハチャトゥリアン:
ハリチャトゥリアンはグルジア、現在のジョージア出身のアルメニア人です。その音楽には、アルメニア・ジョージア・アゼルバイジャンといったコーカサス地方の民族音楽の影響が見られます。『仮面舞踏会』の「ワルツ」や「剣の舞」(バレエ『ガイーヌ』最終幕の曲)も民族色豊かな曲です。
= = =
🔹3曲目:
草川信 作曲 Shin Kusakawa
中村雨紅 作詞 Uko Nakamura
「夕焼小焼」Yuuyake Koyake
歌: 松田由貴さん Yuki Matsuda
ピアノ:樋口あゆ子さん Ayuko Higuchi
= =
🎼 「夕焼小焼」:
作品発表の年に関東大震災が発生しましたが、「夕焼小焼」は奇跡的に焼失を避けられた13部の楽譜を元に、歌い継がれ広まったとされています。
= =
🇯🇵 作詞・中村雨紅:
東京都八王子市上恩方町(かみおんがたまち)にある宮尾神社の宮司の子として生まれ、1923年、「夕焼小焼」を発表した当時は荒川区立第三日暮里小学校で教師をしていました。雨紅は、八王子駅から上恩方町までの約16kmを徒歩で帰っていたのですが、その帰り道に見た夕焼けに、幼い頃の想い出や情景などを重ねつつ描いたとされています。宮尾神社、最初に教師として勤めた荒川区立第二日暮里小学校、作品発表時に勤めていた第三日暮里小学校には、それぞれ石碑があります。
写真:宮尾神社 (八王子市上恩方町)
写真:宮尾神社
写真:荒川区立第二日暮里小学校
写真:荒川区立第三日暮里小学校
= =
🇯🇵 作曲・草川信:
作曲の草川信氏の勤めていた渋谷区立長谷戸小学校にも石碑があります。生まれ故郷の長野市にある往生寺には、「夕焼小焼」のモデルとなった鐘や歌碑があるそうです。
写真:渋谷区立長谷戸小学校
= = =
写真:松田由貴さん
= =
写真:夕やけ小やけ ふれあいの里 (八王子)