
『ピアノ・グラニテ』は、ピアニスト・伊集院紀子さんが、演奏機会の少ない名曲や作曲家をご紹介するコーナーです。伊集院紀子さんによる演奏もお楽しみください。今週ご紹介いただいたのは、20世紀のブルガリアの作曲家の中で最も偉大な作曲家と評され、多くの著名な演奏家に愛されたパンチョ・ヴラディゲロフ(Pancho Haralanov Vladigerov 1899 – 1978)です。
今週は、2021年12月に初めてご紹介くださったブルガリアの作曲家、パンチョ・ヴラディゲロフの水彩画Op.37を完結していただきました。数年に渡って6曲の小品からなる組曲から数曲ずつご紹介していただきましたが、第6番のリズミックな楽章で曲集が完結となります。
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写真:
ピアニスト 伊集院紀子さん
Noriko Ijuin, piano
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Vladigerov, Pancho
パンチョ・ヴラディゲロフ
1899年、スイスのチューリッヒで生まれる。幼少期は、ブルガリアのシューメンで過ごす。その後ベルリンで音楽を学び、ベルリンの劇場の音楽監督になったが、ブルガリアに戻ることを決意。1940年にはブルガリア国立音楽院のピアノ科の教授に就任。ブルガリア現代音楽協会の創立メンバーとして活躍。
ヴラディゲロフは20世紀のブルガリアの作曲家の中で最も偉大な作曲家と評されており、多くの著名な演奏家に愛されてきました。また、ヴィルトゥオーゾ・ピアニストとしても高く評価され1920年代から30年代にかけて、ヨーロッパ各地で活発に演奏活動もしていました。
*ヴィルトゥオーゾ・ピアニスト(Virtuoso Pianist):卓越した演奏技術を持つピアニストを指します。
作品はヨーロッパの普遍的な鍵盤楽器のスタイルにブルガリアの民族的イントネーションやリズムが融合し、即興性と形式美をあわせもった独自のゆらぎが絶妙な繊細さを醸し出していると同時に、とても力強い土臭さのようなものもあり、それぞれ背中合わせのものが融合しているところが、魅力的です。
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番組へのメッセージ、リクエスト、フルートのご質問などもお待ちしております!
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