
今週は、モーツァルトが8歳の時(1764年)に作曲したKV13(読み:ケッヘル)について解説していただきました。
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🎼 音楽様式の転換期にバロック音楽の巨匠 Johann Sebastian Bachの末息子に会う
1764年、8歳のモーツァルトは、父とロンドンのバッキンガム宮殿を訪れ、当時、王妃シャーロットの音楽教師をつとめていた大バッハの末息子のヨハン・クリスティアン・バッハ (Johann Sebastian Bach)に会いました。その時代の音楽様式は、重厚なバロック音楽から明るく軽やかな古典派へ移行する重要な転換期でした。
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🎼 音楽様式の変化とともに楽器も変化しました
🪈 管楽器:
古典派では、キーの数が増えました。
バロック時代に使われていたのは、フラウト・トラヴェルソ(伊:Flauto traverso)。木管楽器の古楽器の一種で、今日のフルート(モダン・フルート)の前身となった横笛です。
構造的には、歌口の他、右手の小指で押さえるキーを1つ持つ以外は、指でふさぐ穴が6つ空いているだけのシンプルな作りです。
当時の曲を軽やかに吹くときは、フラウト・トラヴェルソを思い浮かべて演奏すると良いでしょう。
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🎹 鍵盤楽器:
主流がチェンバロ(cembalo)からピアノへ変わっていき、チェンバロでは出来なかった微妙な強弱のニュアンスの変化が可能となりました。
<ピアノの語源>
クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(Clavicembalo col piano e forte)
→ ピアノフォルテ(piano e forte)→ ピアノ(piano) となりました。
今のピアノで、当時のフォルテピアノのために作られた曲を演奏するときは、可憐なニュアンスを大切にするように注意を払ってください。
番組へのメッセージ、フルートのご質問などもお待ちしております!
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写真:萩谷康一さん、吉川由利子さん