
🔹1曲目:
ジョヴァンニ・カプッロ 作詞 Giovanni Capurro
エドゥアルド・ディ・カプア 及び アルフレード・マッツッキ 作曲
Eduardo di Capua/ Alfredo Mazzucchi
「オー・ソレ・ミオ」‘O sole mio
歌: 松田由貴さん Yuki Matsuda
ピアノ:樋口あゆ子さん Ayuko Higuchi
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🎼 作曲家が2人の理由:
カプアがこの曲を発表した1898年の前年、1897年6月にカプアはマッツッキから23曲のメロディを購入し、その中に、この「‘O sole mio」の原曲となるメロディが含まれていました。つまり、もともとマッツッキが作曲していたメロディをカプアが購入して、翌年にそのメロディを取り入れて作曲したのが「‘O sole mio 」だったということです。1972年にマッツッキが亡くなり、その後、マッツッキの娘がこの事実を申し出て、トリノの裁判所にて、2002年10月、マッツッキは合法的に「’O sole mio」の共同作曲家であると認められました。
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🎼 カンツォーネとナポリ民謡について:
カンツォーネはイタリア語で「歌」全般を意味し、日本では、1880年代から1920年代にかけて作曲され普及した主にナポリの大衆音楽を指すことが多いです。生活の中で自然に発生し歌い継がれてきた民謡というよりナポリの方言で歌うポピュラーソングです。15世紀頃からナポリ地区では、ピエディグロッタの祭りのイベントとして「のど自慢大会」が開催され、1853年には「音楽祭」に発展しました。「’O sole mio」は、1898年に開催された音楽祭で第2位を受賞した曲です。 一方、ナポリ民謡は、ナポリ地方の伝統的な歌謡曲を指します。
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🔹2曲目:
伊福部 昭 作曲
『日本狂詩曲』より第2楽章「祭」
演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
Akira, Ifukube
Japanese Rhapsody/II. Fetes
The Japan Philharmonic Orchestra
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🎼 伊福部 昭 氏とラヴェル:
『日本狂詩曲』は、伊福部が北海道庁の森林事務所に勤務しながら作った、初のオーケストラ作品で、デビュー作です。伊福部は独学で作曲を学び、ラヴェルのファンで、ラヴェルに曲を聴いてもらいたいと、ラヴェルが審査員を務めていたパリの国際コンクールに『日本狂詩曲』で応募し、見事1位を獲得しました。しかし、ラヴェルが病気で審査員を降りたため、ラヴェルに曲を聴いてもらうという願いは叶いませんでした。
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写真:
先頃、松田由貴さんが参加された、仙台の関山街道フォーラム協議会主催の「ゆかたで定義まいり」のショット。
中央奥の浄土宗極楽山西方寺の大本堂には、一生に一度の願いが叶うといわれ、昔から多くの参拝者が絶えない定義阿弥陀如来の御本尊がまつられています。
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写真:左上
安徳天皇の遺品を埋め冥福を祈ったといわれる天皇塚
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🔹3曲目:
ルッジェーロ・レオンカヴァッロ作曲
オペラ『道化師』から「鳥の歌」
歌: 松田由貴さん Yuki Matsuda
ピアノ:樋口あゆ子さん Ayuko Higuchi
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🎼 ヴェリズモ・オペラ verismo opera:
『道化師』は、マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』と並ぶヴェリズモ・オペラの代表作です。
ヴェリズモとは一種のリアリズム運動です。ヴェリズモ・オペラは、1890年代から20世紀初めにかけてイタリアのオペラで見られ、内容としては、市井の人々の日常生活、残酷で激しい感情などを描写し、音楽としては、声楽技巧ではなく直接的な感情表現に重きを置き、重厚なオーケストレーションを駆使するという特徴を持っています。
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写真:松田由貴さん