
今週は、「クラシック音楽」と「民族音楽」の接点についてお話ししていただきました。
一見すると対立しているようにも見えますが、ロマン派の終盤、19世紀の中頃から20世紀にかけてロシア5人組を代表とする民族主義を強調した国民楽派が活躍しました。国民楽派はクラシック音楽に属しますが、自国の踊りや民謡を参考に作曲しました。またロマン派のショパンやリスト、ドップラーも民族音楽や舞踊に影響を受けた作品を残しています。
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🎼 クラシック音楽:
西洋の伝統的作曲技法や演奏法による芸術音楽。時代区分は、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、国民楽派、近代音楽、現代音楽。
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🎼 民族音楽:
共通の言語や文化を持つ民族が独自に伝えてきた音楽。
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クラシック音楽に属する代表的な国民楽派の作曲家:
🇷🇺ロシアのグリンカ (Glinka)
🇷🇺ロシア5人組:バラキレフ、キュイ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキー・コルサコフ (Balakirev, Cui, Mussorgsky, Borodin, Rimsky-Korsakov)
🇨🇿チェコのドヴォルザーク(Dvořák)、スメタナ(Smetana)
🇳🇴ノルウェーのグリーグ (Edvard Hagerup Grieg)
🇫🇮フィンランドのシベリウス (Jean Sibelius)
国民楽派は、ロマン派の技法を駆使しながら、それぞれ自国の踊りや民謡を参考に作曲しました。
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国民楽派ではないが、クラシック音楽の作曲家で民族舞踊/舞曲に影響を受けた作曲家たち:
🎼 ショパンの「ポロネーズ」や「マズルカ」
Fryderyk Chopin
「Polonaise」 「Mazurkas」
フレデリック・ショパンはポーランドに生まれ、その後フランスに移住。「ポロネーズ」や「マズルカ」は、どちらも🇵🇱ポーランドの民族舞曲に由来する作品です。
*ちなみにドイツのバッハも「ポロネーズ」を書きました。
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🎼 リストの「ハンガリー狂詩曲」
Franz Liszt
Hungarian Rhapsody
ハンガリーのドボルヤーン(現在はオーストリアのライディング)で生まれたロマン派の作曲家。🇭🇺「ハンガリー狂詩曲」は、ドイツ、オーストリアなどヨーロッパ各地で活動したリストの作品。
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🎼 ドップラーの「ハンガリー田園幻想曲」
Albert Franz Doppler
Hungarian Pastorale Fantasie
オーストリア・ハンガリー帝国のレンベルク ( 現在はウクライナのリヴィウ)出身。🇭🇺「ハンガリー田園幻想曲」は、オーストリア、ハンガリー、ドイツなどで活動したフルート奏者、ドップラー(Albert Franz Doppler)の作品。
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番組へのメッセージ、フルートのご質問などもお待ちしております!
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写真:萩谷康一さん、吉川由利子さん